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2020年12月11日 Fri

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「ウッドデザイン賞2020」奨励賞を受賞しました

ウッドデザイン賞2020に入賞しておりました「東馬込の家」が奨励賞(審査委員長賞)に選ばれることになりました。

すでに木組の「東馬込の家」と古民家再生の「漢方の本陣」のW受賞が決定いたしておりましたが、この度、「東馬込の家」が上位賞である奨励賞を受賞できることになりました。

新築の「木組の家」で大きな賞をいただいたことを、事務所一堂、大変喜んでおります。

関係者の皆様のご協力に感謝いたしております。

ありがとうございました。

 

ウッドデザイン賞2020 HP ←クリック

 

以下のプレスリリースに「東馬込の家」の写真と審査委員長からのコメントが掲載されています。

「ウッドデザイン賞2020」上位賞決定のプレスリリース ←クリック

 

表彰式は、コロナ感染症対策のため、12月18日に関係者のみで行われますが、表彰式の様子は、同時開催の日経オンラインセミナーの枠内で映像配信されます。

日経オンラインセミナー ←クリック

 

 

 

2020年12月04日 Fri

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「登録文化財指定」3軒になりました

当事務所がお手伝いした「古民家再生」の建物が3軒になりました。

 

1軒目は「篆刻美術館」茨城県古河市。1991年に大正年間に建てられた3階建ての石蔵を美術館に再生しました。1998年登録文化財指定。

「篆刻美術館」仕事集

 

2軒目は「まちつくり酒屋・銀行」熊本県八代市(旧宮原町)旧薩摩街道沿いの造り酒屋「井芹家住宅」と隣接するRCの「銀行」を再生しました。再生後に指定を受けました。

「まちつくり酒屋・銀行」仕事集

 

3軒目は「漢方の本陣」(1744年築 滋賀県長浜市 北国街道木ノ本宿)です。 2019日本エコハウス大賞も受賞しました。2020年登録文化財指定。

「漢方の本陣」仕事集

2020年12月04日 Fri

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正月休暇のお知らせ

松井郁夫建築設計事務所は、2020年12月28日より2021年1月6日までお正月休暇をいただきます。

メールは随時見ることが出来ますので、お急ぎの方はok@matsui-ikuo.jpまでご連絡ください。

みなさま、今年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

2020年11月23日 Mon

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エッセイ:「石場建て」の真実

最近、古民家に見られる「石場建て」を再現する大工職人や設計者が増えています。

古民家によく見られる「石場建て」は免震性能があるということで注目されているのでしょう。その事自体は素晴らしいことだと思います。

しかし、伝統構法の本来の造り方を正確に理解しないと、一過性のブームに終わってしまう危険性があります。

伝統構法を標榜する多くの職人も、明治維新による西欧化が始まる以前の日本建築への理解が足りないように思います。

ここに、日本建築が近代化する過程において、いかに西欧建築の影響を受け、日本古来の伝統構法が分断されたのかを論考した本があります。

源愛日児著「木造軸組工法の近代化」(中央公論美術出版2009年)です。(書評添付)

この本には、現在の日本の一般的な家づくりである「在来工法」が明治以降西欧の技術を取り入れた「和洋折衷」であり、日本の伝統的な部材が失われ、多くの西欧的部材に置き換えられ衰退していったかが明確に示してあります。

まず、江戸時代には二階建ての家屋がほとんどなく「胴差」はなかったこと、明治になって二階建ての学校や庁舎が建てられることになり、下見板を貼る下地の間柱を止めるために横材として胴差が必要となったこと。さらに地震国日本の重要な耐震要素であった「貫」が「間柱」や「胴差」と「土台」を結ぶ「筋違」によって壁の中から追いやられ後退したこと。

日本建築が「減衰設計」を基本にしており「貫」のめり込み強さによるレジリエンス(復元力)を持ったしなやかで粘り強い構造であったことがこの本によってわかります。

その中で「石場建て」が地震国日本の重要な免震要素であったことも想像がつきます。

日本の建物は、自然の猛威に対して力で抵抗する「強度設計」ではなく「柳に風」で地震力や風の力をいなしていたのです。

その場合、建物は変形はしてもある程度の力に耐え、損傷限界の前にそれ以上力が入力しない仕組みを持っていたのです。

そこで「石場立て」の石の上を滑る「足元フリー」が重要になるのです。

その際に最も注意しなければならないのが、石の上においた柱がバラバラに動いて足元が開いて建物が崩れないようにすることです。

ですから石場建ての礎石は柱の足元にあることが重要なのです。さらに柱同士は「足固め」という横材で強固に結ばれていなければなりません。現在の在来工法のように、3尺おきの束はありません。

さらに上部の柱と梁同士も強固に結びついて一体化する必要があります。

そこで古民家を見ると、床下には「足固め」や「大引」と呼ばれる大きな横材があり、柱頭では「折置組」という「柱と梁と桁の三部材が一体化」した丈夫な木組みになっています。

地震や台風等の大きな力が加わるとそれらの部材は、一斉に同じ方向に動いて建物が滑り、免震的に働くのです。

ここで留意しなければいけないのが、束の存在です。足元がムカデのように何本もの束によって支えられていては、建物が一体に動くことは困難で傾いた束が床を持ち上げて建物が滑ってくれません。

在来工法になれた現代の大工や設計者には、ここが最も気づかない盲点となります。

また、「強度設計」の建物は「許容応力度計算」によって耐震性を計算しますが、「減衰設計」の場合は「限界耐力計算」によって粘り強さを確認します。

国土交通省によって2011年に兵庫県の防災センターで行われた足元フリーの実大実験の結果も、ムカデの足ように並んだ多くの束が、建物が滑る邪魔をして、隅柱をくじいてしまいました。

また、胴差が通し柱を折ってしまうこともわかりました。筋違も梁を持ち上げて、胴差を折り、一階が倒壊します。

明治以降に二階建て庁舎や学校の建物を作るために挿入された胴差しは、地震時に通し柱を折る悪さをするのです。

熊本地震では、続けて起きた二度の大きな波に、強い筋違が胴差を突き上げて建物を崩壊に導くような事例もあり、当時の国の構造設計担当者の間でも、筋違の是非が問われたと聞いています。

古民家の架構を免震の観点から見れば明らかな事実も、明治以来、和洋の工法が混在したままの状態で現在まで推移しているのが混乱を生んでいます。

ここで一度立ち止まって「伝統構法の定義」を明確にし、次の世代に引き継げる構法として進化を図るべきだと考えます。

変形を許容しても「生存空間」を作る「貫・足固め・折置組」による「減衰設計」を選択するならば、伝統構法の継承を形だけの模倣に終わらず、真実を伝承する科学的かつ人間的知見を持ちたいところです。

そのためには、2008年から行われた国交省の実大実験による検証をさらに進めてほしいと思います。

 

 

 

2020年11月21日 Sat

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伝統の木組みをユネスコ世界遺産に!

【朗報】日本が誇る伝統建築の技術が、無形文化財の指定を受けそうです。
以下「京都新聞社説」2020年11月20日より

日本の伝統建築を支えてきた職人たちへの大きな励ましとなりそうだ。

 宮大工や左官職人らが継承する「伝統建築工匠(こうしょう)の技 木造建築物を受け継ぐための伝統技術」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関が無形文化遺産に登録するよう勧告した。12月に正式に決まる見通しだ。

 登録を機に、匠(たくみ)たちの貴重な技を未来へとつなげていく機運が高まることを期待したい。

 対象は木工や左官など17分野の技術。瓦屋根、かやぶき屋根、建具、畳などの製作のほか、建物の外観や内装に施す装飾や彩色、漆塗りも含まれる。

いずれも社寺や古民家の修理に不可欠な技術だ。

 全てが国の「選定保存技術」で、京都市に拠点を置く全国社寺等屋根工事技術保存会など14団体が保存団体に認定されている。

 奈良・法隆寺などに代表される木造建築は、木や草、土など脆弱(ぜいじゃく)な素材を使って地震などに耐える構造を生み出し、高度な保存修理の技術で維持されてきた。

 屋根ふきなどに地域住民が関わることがあり、社会の結束を強める役割を果たしてきた面もある。

 残念ながら建築技術や生活様式の変化に伴い、一般住宅で伝統技術が使われることが少なくなり、技の継承は難しくなっている。

 例えば、金物をほとんど使わずに、切り込みを入れた木と木をはめ合わせて構築する伝統の「木組み」の技術がそうだ。

 事前に工場で木を刻むプレカット工法などに置き変わり、生かす場が減っている。

 かやぶき屋根やしっくいの壁も珍しくなり、畳でさえ工場製品に押され気味だ。

 神社仏閣の建築や修繕に携わる宮大工も減り、今では全国で100人ほどと言われる。

 そんな中、保護すべき世界的な無形文化遺産として伝統建築の技に光が当たる意義は大きい。

 若い人たちが改めて日本建築の良さに目を向けるきっかけにもなるだろう。

 同時に、国や自治体、伝統建築の関係者は匠の技を保護し、次世代に受け継いでいく責任が、これまで以上に重くなることを忘れてはならない。

 伝統の技を保存修理技術にとどめず、住宅の新築などにも生かして職人が活躍する場を増やす。そんな仕組み作りも求められよう。

 建築を巡る教育や法規制の在り方も含め、伝統技術のすそ野拡大へ知恵を絞りたい。

 

2020年11月20日 Fri

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「初めての人にもできる!古民家再生絵本」電子書籍化のお知らせ

 

10月に発刊しました「初めての人にもできる!古民家再生絵本」を電子書籍化しました。

来週には、Amazonや楽天で購入できます。

ウエルパイン書店 第3弾「初めての人にもできる!シリーズ」です。

昨年発刊した「古民家への道」とセットで見ていただくと事例の古民家の仕組みが手にとるようにわかります。

どうぞご覧下さい。

 

2020年11月07日 Sat

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エッセイ:「いつか古民家になる!」木組の家とドミノシステム

住まいの設計をしながら日頃から思っていることがあります。

それは、わたくしの設計した木造住宅が「愛着を持って使われて長く生きてほしい」ということです。「いつか古民家になる」ような住まいです。

何世代もの家族に受け継がれ、使い込まれて、再生されて命をつなぐ事になったら設計者冥利に尽きます。そのためには古民家がつくられた地域を知り、歴史を知り、技術を知り、最も大切なものを大事に保持することだと考えます。

古民家には、地域の気候風土に沿った決まり事があります。それは屋根の形状や素材の使われ方の違いによってわかります。民家独特の共通のルールもあります。それは丈夫な架構のつくりかたによって受け継がれています。木組と言われる日本独自の伝統構法です

建築史家の伊藤ていじ氏は「民家には動かせない柱と梁がある」と言いました。「民家の流れはコンクリートや鉄骨造につながる」とも言い「架構の制約が多い」とも言っています。

しかし、民家の丈夫な架構がつくり出した開放空間は、融通無碍で自由でした。まさに「ユニバーサルスペース」の日本版です。

民家は日本版「ユニバーサルスペース」と言う「ガランドウ」の空間に幾世代もの生活が刻まれ、長く住み継がれました。

ドイツの建築家ブルーノ・タウトは、戦前に日本を訪問した折に「桂離宮」と「合掌民家」を発見し高評価し日本建築を合理的な建物として世界に紹介しました。フランスの現代建築の巨匠ル・コルビジェの弟子のシャルロット・ペリアンは、戦後日本を旅した時に「日本ではすでに規格された建物をもっている」と言って驚きました。コルビジェのいう「モジュロール」や「ドミノシステム」との共通点を見たのでしょう。

日本の建物は、人体寸法をもとにした建物の寸法が、山から木材を伐り出す時から決められていました。「木割」という木材寸法のルールは「匠明」によって大工職人の規範となっています。

東京芸術大学環境デザイン研究室教授・稲次敏郎先生は著書「環境デザインの歴史的展望」の中で、日本民家を「再生機構を持つ住居である」と定義ました。さらに古民家の架構は、コルビジェのいう「ドミノシステム」と同じであると論じています。

学生時代から薫陶をうけたわたくしは、1995年の「阪神大震災」を契機に木造住宅の耐震化を目標に実踐を重ねています。古民家のようなドミノシステムの架構を持つ「いつか古民家になる!」木組の家づくりをこれからも精進していきたいと願う今日この頃です。

長文お付き合いありがとうございました。

*稲治先生のドミノと民家の架構を示す図版とわたくしの「建築知識」連載記事2001年8月号の関連ペイジを添付しておきます。さらに興味のある方は記事の全容を下記のURLからご覧下さい。

建築知識記事全文

 

 

 

2020年11月03日 Tue

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ウエルパイン書店 3部作 揃いました

古民家から学ぶ木組の家シリーズ

3部作が揃いました。

木組の家づくりの原点は古民家です。

古民家から学ぶ木組の家。

家づくりの歴史から地域性、構法から技術まで、読んで見て楽しく身につく3冊です。

ウエルパイン書店からの絶賛発売中です。

Amazonからも購入できます。電子書籍版もあります。

どうぞお買い求め下さい。

「古民家への道」

「初めての人にもできる!古民家再生絵本」

「初めての人にもできる!木組の家づくり絵本」

2020年10月19日 Mon

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「初めての人にもできる!古民家再生絵本」発刊

「初めての人にもできる!古民家再生絵本」が発刊になりました。

「古民家への道」「初めての人にもできる!木組の家づくり絵本」との姉妹本です。

今回は、古民家の耐震性能と温熱性能の向上のノウハウをすべて公開しました。

本書に掲載されている「漢方の本陣」は、2019エコハウス大賞と2020ウッドデザイン賞を受賞いたしました。

古民家再生の実務者の方には、きっと役に立つ絵本になったと思います。

今週の末には書店に並びます。Amazonでも買えます。

わかりやすい緻密なイラストが特徴です。

是非お手にとってご覧下さい。

以下趣旨説明です。

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本書は、古民家の構造と美学を紹介した「古民家への道」(既刊)の姉妹本として描かれています。

「古民家への道」で掲載いたしました理論と事例の、実践的な再生法を図説する絵本です。

これからの未来に向けた、古民家の「なおしかた」を、歴史と技術の両面から解説しています。

今私達の住んでいる住いは、古代の竪穴式住居から現代住宅に至るまで、その仕組みの原理原則に大きな違いは無いと考えます。

私の家づくりの原点は、古民家といわれる明治以前に建てられた日本独自の「民(たみ)の家」です。

ところが、日本の家は、明治維新で西欧化し、第二次大戦後にアメリカンナイズしたことによって構法の変化が起こり現在に至っていると考えられます。

そこで本書では、古民家の優れた理念や技術が、明治以来継続してこなかったことに注視して、古民家と呼ばれる伝統家屋の優位性を、その理念と技術に学ぼうと考えました。

つまり150年前に失われた日本独特の古民家の技術を、現代に伝え広めたいと考えていたのです。

日本の民家は、強度によって力を押さ込む「強度設計」ではなく、柳に風の力を逃がす「減衰設計」です。生命を守るためには、自然の猛威をいなす古民家の知恵を見直すことが必要だと考えています。

さらに古民家は、地理的、民俗学的な視点からも、日本の気候風土にそった美しさがあります。

そこで、柱・梁構造による壁に頼らない「限界耐力計算」を駆使した日本の住いの行方を追求する必要があると考えます。

この本では、わたくしが取り組んできた再生事例を中心に、その具体的な手法をイラスト化しています。

「耐震性能の向上」や「温熱性能の向上」の両方を実現化する手法も紹介しています。

日本の優れた文化を子孫に伝えるためにも、多くの人に古民家の再生を実践してほしいと考えています。

そのために、「古民家に住みたい人」や「古民家を再生したい」初心者向けて書かれた解説書です。

今のわたくしの考えられるだけのノウハウを余すところなく描きました。お役に立てれば幸いです。

 

 

2020年10月19日 Mon

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「安達屋」豆腐店はじまりました

ワークショップ「き」組で取り組んでまいりました「安達屋」豆腐店がはじまりました。

「安達屋」豆腐店はじまりました

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