しっかり者の御母様は茶室のある三世代住宅をご要望されました。
玄関先には元あった藤の棚を残しました。
一階は本格的な琵琶棚付きの床の間のある茶室と水屋。
二階の息子夫婦には趣味の部屋と子ども室。
架構は、徳島の葉枯らし材を初めて使いました。
当時は、葉枯らし材が東京でも珍しくて、木場の旦那衆が現場を見に来ました。
梁や柱を現しで見せることを試行し始めた頃の家です。
軒裏に無垢の木が貼れることが、実験によって可能になったばかりでした。
この家の少し贅沢なのは、襖の紙をオリジナルの泥染で好みの色がつくれたことと、金糸を蒔いたりできたことです。
だるまに目玉を入れた時のように、建具がいいと建物のグレードが上がります。
1998年秋季ディテール138号「門型軸組架構の家」掲載
所在 | 東京都大田区西糀谷 |
---|---|
構造規模 | 木造2階建 |
敷地面積 | 204.03㎡(61.83坪) |
建築面積 | 97.34㎡(29.40坪) |
延床面積 | 171.32㎡(51.74坪) |
建築費 | – |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
施工 | 渡辺工務店 |
竣工 | 1998年7月 |
建坪率 | 60% |
容積率 | 200% |
地域地区 | 第一種低層住居専用地域 第一種高度地区 |
防火地域 | 準防火地区 |
構造材 | 徳島杉(葉枯らし乾燥) |
床板 | – |
外壁仕上 | – |
断熱材 | – |
内壁仕上 | 漆喰塗・土壁藁入り |
開口部 | アルミサッシ(シングルガラス) |