プロジェクトレポート
2016年12月30日 Fri
今年も、あと僅かを残すばかりとなりました。おかげさまで、事務所も来年で32年を迎えます。
今年は変化の年でした。来年も、より一層皆様に喜んでいただけるよう努力いたします。
これまでの経験を活かして、新しい暮らしの提案がしたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
一年間ありがとうございました。みなさま良いお年をお迎えください。
2016年12月14日 Wed
熊本地震でわかった建物の強度と地盤のお話です。
今回の地震では、規模が大きかった上に繰り返し襲ってきたために、新しく建てた木造住宅にも大きな被害が出ました。
当初は、現行の建築基準法では、耐震性能が不足しているような報道がありましたが、結局、基準法の改正にはつながりませんでした。
報道では、改正を目指したさまざまな専門家の意見も出ていましたが、建物の強度を上げるという主張が多かったと思います。
実際には、地盤の問題がクローズアップされ、建物の強度の問題ではないということなのですが、その真実はあまり知られていません。
関西JSCAの樫原健一先生の寄稿文には、今回の熊本の地震の波動をよく見ると、2014年に長野県で起きた地震と共通点があるといいます。
それは、地盤の問題だということです。
地震の際に発生する、パルス的波動(速度波)が、熊本も長野も共通した地盤の悪さを物語っているというのです。
今回の熊本は阿蘇山の火山灰台地であり、その下には豊かな水源のある土地柄です。
つまり軟弱な堆積層上の建物は、被害が大きくなることはよく知られた現象で、熊本も長野も地盤の悪さが、被害を大きくしたということです。
強い地震には強い建物で対抗すると考えがちですが、ここに来て、自然の猛威に対しては、建物の強度をあげても限界があるという意見が増えてきました。
地面は硬いようで実は柔らかく、建物は海に浮かぶ船のようなイメージで造ると良いといいます。
木造住宅も、強度設計から減衰設計もしくは制震設計に移行する時期が来たのかもしれません。
2016年12月10日 Sat
ご夫婦のための終の棲家「白井の平屋」が完成しました。
ワークショップ「き」組のタケワキ住宅建設さんの施工。
松井事務所は基本設計と監理補助を行いました。
ワークショップ「き」組のHPから内覧会の様子をどうぞご覧ください。
2016年12月10日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
ワークショップ「き」組の家の集大成とも言える「東馬込の家」構造見学会は盛況でした。
伝統構法による耐震性能、準耐火建築、高断熱高気密と、3つを兼ね揃えた、これからの木の家です。
ワークショップ「き」組HPからどうぞ。
2016年11月27日 Sun
当事務所が再生した、築150年のかやぶきの古民家を、手放すことになりました。
大切に使っていただける方を募集しています。
21年前に再生した建物で、1996年ナショナルの「健康な住まいコンテスト」に入賞した建物です。
福島県伊達郡飯野町青木村の山間に建っています。
むかしながらの萱の家として、生活を楽しむ様々なイベントを行ってきた建物です。
再生に当たっては、4年間かけて茅を集めて葺きなおしました。
むかしながらの囲炉裏も焚くことができます。
使い勝手の良い台所や庭を眺めることのできる浴室、水洗トイレ(2箇所)もついています。
隣には、大きな納屋もあります。
敷地は、935坪、建物は、母屋64坪と納屋20坪。ゆったりとした田舎暮らしを楽しみたい方には最適です。
また、開放的な間取りと和室の続き部屋は、食事処としてお店に使うにもいいでしょう。
建物の様子は、当事務所のHPから見ることができます。
http://matsui-ikuo.jp/works/%E3%81%8B%E3%82%84%E3%81%B6%E3%81%8D%E3%81%AE%E5%AE%B6
ご興味のある方は、お問い合わせください。お問い合わせ先:グリーン興建 024-544-0544まで。
2016年11月18日 Fri
この度、松井郁夫建築設計事務所のホームページをリニューアルしました。
スマートフォンからも見やすくなり、スタッフ紹介なども追加されました。
どうぞごゆっくりご覧ください。
2016年11月13日 Sun
ブログ | 日記 | 住まいの相談会・見学会
定年退職されたご夫婦の終の棲家です。
お孫さんと交流するための、平屋のコンパクトなワンルームです。
建主さんは、「高円寺の家」のご親戚で、木の香りのする家を望まれました。
基本設計をお手伝いさせていただき、ワークショップ「き」組のメンバーである「タケワキ住宅建設」さんが実施と施工を行いました。
木の家の良さを活かした素敵な家に仕上がりました。
当日は、建主さんのご厚意により見学会をさせていただきます。
お申込みは「タケワキ住宅建設」さんまで。
電話 047-387-8840
竣工前の写真もチラリと載せておきます。みなさま、お運びください。
2016年11月02日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
東京都大田区の住宅街に木組の家が上棟します。
最もシンプルで、最も合理的な木組みの家。
無垢の木と漆喰でつくるワークショップ「き」組の家づくりの基本形が、
火事に強い準耐火建築物として新防火区域対応になり、
同時に高い温熱・省エネ性能を備えました。
何世代にも住み継ぐことのできる「本物の木の家」を見に来ませんか?
上棟したばかりの構造見学会は、地震に粘り強く、丈夫な木組の骨組みを じっくりとご覧いただけます。
日本古来の耐震の工夫である「貫」「足固め」「折置組」「フラットベット型基礎」など、
木組の醍醐味のすべてを体感していただけます。
ぜひお誘い合わせの上、お申込みください。
みなさまのお越しをお待ちいたしております。
2016年10月28日 Fri
東馬込に家が上棟しました。
詳しくはこちらの頁からどうぞ。
2016年10月22日 Sat
1963年に刊行された「民家は生きてきた」伊藤ていじ先生の再発行版を読み終えました。
緻密な取材と、古文書の解読に裏付けされた、かつての日本人の住生活の記録を、民家を通して現代に伝える名著だと思います。
各地の古民家での暮らしは、当時の長老への聞き取りや過去の文書に残る記録に基づいて書かれています。これほどまでに、事実に基づいた記述を読むと、まるで時代を超えてその場に立っているような錯覚に陥ります。
今では見ることのできない古民家の間取りを、丁寧な解説から遡って架構まで知ることができます。
この本の中で、伊藤ていじは言います。
民家の流れは、現代のコンクリートや鉄骨の架構につながる。
それは、動かせない柱や梁から成り立っているからである。
現代の住宅は、数寄屋の流れの延長上にある。
それは、架構から開放された自由な間取りから生まれた。
この論拠が、読み終えて一段と理解できる本でした。
2016年10月11日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 吉祥寺の家Ⅳ
日本の民家には「破風板」という屋根の部材があります。
木組で小屋組みをつくると、梁が外部に出てくるので、そこから水が入らないようにするための板なのですが、これが結構大きな幅の板になります。
「吉祥寺の家4」は180㎜の桧の無節を使っています。
180㎜というと、少し重く感じるサイズです。
昔の大工さんは、その辺もよく心得ているもので、板に一本、筋を入れて、軽く見せる工夫をしました。これは、水切りを良くするためでもありますので、切り口が斜めになるように欠き込んでいきます。
簡単なようで、これには眉かき用の刃物が必要で、なかなか高級な仕事なのです。
佐々木棟梁、いつもありがとうございます!
10月になり、晴れの日が多くなったので、現場もペースを上げて、工事は順調です。
断熱材もしっかり充填され、サッシも入りました。
ここからじっくりと内部造作が進んでいきます。
完成までは、こちらもずっと緊張しますね。(匠)
2016年10月10日 Mon
2016年10月8日、今年で12回を数える木の建築フォラム主催の「木の建築賞」の二次審査会が開催されました。全国を4地区に分けて、毎年優れた木の建築を顕彰する賞です。今年は北海道、東北、新潟地区の審査でした。一次審査を通過した22の作品と活動の審査会は、会津坂下の東保育園で公開で行われました。会場も木造の素敵なホールで、終日、発表者の熱い想いを聞く事ができました。
木の建築賞は、建物のデザインだけを審査するだけでなく、木造建築を取り巻く山の現状の問題点や課題にも取り組む姿勢が求められます。当事務所でも過去に二回の受賞歴があります。毎回の公開審査では、応募者のパネルに表せない事実関係や経過もあって、審査をさせていただいている審査員の方が勉強になる事があります。
今回も東北地区の蔵の改修では、震災前に直した蔵が被災し再度蘇った事例が、会場の参加者を驚かせ、高得票を獲得しました。このような経緯は、パネル審査だけでは、わからなかったことです。次は、現地審査です。二次審査を通過した11の作品を審査員が見て回ります。
さて現地ではどんなドラマが待っているでしょう。大変楽しみです。
2016年09月25日 Sun
今年で8期目を迎える、山と職人と住まい手を結ぶ 一般社団法人ワークショップ「き」組です。
年に一度の集会のもようです。
こちらからご覧ください。
2016年09月20日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
「東馬込の家」の地鎮祭と材料検査を行いました。
地鎮祭で工事の安全を祈願したあとは、お施主さんも一緒にキューブワンハウジングさんの下小屋へ。材料検査です。
今回は燃えしろ設計なので、150幅のJAS材を使います。いつもきめ細かく美しい吉野材ですが、今回も素晴らしい材料です。まるでヒノキのような杉材です。
1本1本、すべての材の面をみて見て、どの木をどこの部屋にどう使うかを決めます。その場で番付を打って、大工さんとの齟齬がないようにしていきます。
特に吹抜や階段周りに気を使います。これが、毎回行う「木づかい」です。
2016年09月08日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 吉祥寺の家Ⅳ
8月27日。台風迫る雨模様の中、「吉祥寺の家4」の構造見学会が行われました。
足元の悪い中でしたが、プロの方や一般の方、たくさんの方に来て頂きました。
木組の丈夫な架構である貫や足固めをご覧になって、堅牢な仕組みに皆さん感心されていました。
天気に左右される大工仕事。
この日も二階では、天井張りが行われていました。
赤ちゃんやお子様も多かったので何の音か気になるけど、梯子が怖くて登れない…。
そんな可愛い一幕もありました。
「吉祥寺の家4」は、2月末に完成内覧会予定です!
(木村)
2016年09月08日 Thu
住宅建築10号 「古民家の用と美に学ぶ」 京町家の真実 連載中
繊細な京町家の内部の通り庭には、豪壮な梁組が飛んでいるのをご存知ですか?
詳しくはこちらをどうぞ。
http://www.kominkanet.com/column/post-22/
2016年08月18日 Thu
「木組の準耐火建築」をメインに、各部屋を丁寧にレポートしていただいています。
どうぞ下記からご覧ください。
2016年08月17日 Wed
1955年「日本の民家」という二川幸夫さんの写真集に収録された、伊藤ていじ先生の民家研究の名著が復刻されました。
「民家は生きてきた」鹿島出版です。
この本で伊藤ていじ先生は、民家の流れは、地域に根差した構造・構法にあり、現代住宅の流れは、数寄屋の延長にあることを述べています。
詳しくは、こちらのサイトからご覧ください。
http://www.kominkanet.com/column/post-21/
2016年08月06日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 住まいの相談会・見学会 | 吉祥寺の家Ⅳ
吉祥寺の住宅街に木組の家が上棟します。
暮らしやすさを考えた、収納の多い間取りです。
スタンダードで心地よい家を目指しました。
何世代にも住み継ぐことのできる「本物の木の家」を見に来ませんか?
構造見学会は、地震に粘り強く、丈夫な木組の骨組みを じっくりとご覧いただけます。
日本古来の耐震の工夫「貫」「足固め」「折置組」など、
木組の基本のすべてを体感していただけます。
ぜひお誘い合わせの上、お申込みください。
みなさまのお越しをお待ちいたしております。
開催日時:
2016年8月27日(土)
10:00~15:00
対象:家づくりをご検討の方、本年度「木組ゼミ・古民家再生ゼミ」受講生
「吉祥寺の家4」
1F 54.54㎡ 2F 54.06㎡
延床面積 109.06㎡(33坪)
構造材 天竜杉・桧(手刻み)
設計:松井郁夫建築設計事務所(松井郁夫、松井匠)
設計協力:望月麻紀
構造計算:悟工房(山中信悟)
施工:キューブワン・ハウジング(小村幸治・佐々木棟梁)
山:天竜T.S.ドライシステム協同組合(森下幸司)
2016年08月05日 Fri
古民家の免震性能をご存知ですか?
古民家の足元が滑ることで、地震の入力を避けることができるかもしれません。
詳しくは、こちらから。
http://www.kominkanet.com/column/post-20/
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