プロジェクトレポート
2024年11月30日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
3年前に建てた建主さんから当事務所と工務店の現場担当者に嬉しいお便りが届きました。
玄関先の樹も大きくなり落ち着いてきました。大事に住まわれている様子を見ることが出来て設計者冥利に尽きます。
許可をいただいたので転載させていただきます。ありがとうございました。
尚ベランダはひび割れではなく塗装の剥がれでしたのでリタッチすることにしました。
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松井様
小村様
2024年10月29日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 南房総の古民家再生
明治時代と言われる古民家の再生を続けています。ご相談があってから一年7ヶ月になりました。
大きな平屋で中央の家はおそらく明治のものだと思います。両翼に昭和の増築が加えられて50坪の大きな家です。
本日は解体中の床下の調査に行ってきます。
新宿バスタから高速バスが便利です。
すでに計画案もまとまっていますが、ご予算の関係で温熱向上はできないことになりました。
それでも、なんとか「寒さ暑さを取り除く家」にならないものか現場でよく考えたいと思います。
2024年08月21日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 松井郁夫著書 | 「木組のデザイン」ゼミナール | 単行本
伝統的な木組の技術を広めようと始めた「木組のデザインゼミナール」が21期を迎え、現在10名ほどの受講生と3人の講師がマンツーマンで課題の添削を実施しています。
木造住宅の勉強会や講習会は数々ありますが、架構から間取りまで添削の手ほどきを受けられる講座は少ないと思います。
毎年4月に募集を開始しますが、途中からも申し込めますし、単発のスポット受講も可能です。
「木造は軸組がすべて」「架構は見せる」ことをモットーに21年続けてこられたのは、熱心な受講生のみなさんのおかげです。
今回からカリキュラムを「初級講座」と「上級講座」に分けて、「初めてに人にもわかる」木組講座を実践しております。
住宅設計とはさまざまな与条件を解決しながら理想の家に近づけるのですが、まず「家づくりとはなにか」を考えていただきます。
敷地は世界に一つしかないので「敷地を読み込む」ことから始まります。
さらに「災害に強い家」を架構に反映し「住みやすさ」を間取りに反映します。
専門的な仕事ですが、実はわたしたちが普段から暮らしている生活の延長ですから、みんなが生活の専門家とも言えます。
このような仕事は「実学」と言って学問の分野でも机上の論理ではなく実生活にすぐに役立つ学問だと思います。
「木組ゼミ」では身近な実学を、さらに身近に感じていただくために「初めての人にもできる!木組の家づくり絵本」と「初めての人にもできる!古民家再生絵本」を発行しております。
わかりやすいイラストで解説していますから本当にどなたでも手に取るようにわかり安く、すぐに実践できます。
また「仕事集」としてこれまで実践してきた建物の写真集も揃えております。
「美しい木組の家」ーいつか古民家になるー
「古民家のみらい」ー成熟した社会を目指してー
ともに実例を見ていただくにはうってつけの全ペイジカラーの写真集です。
「日本の家づくり」を一緒に進めましょう!
2024年07月20日 Sat
設計を進めてまいりました「浜松の木組の家」が完成間近となりました。
建主さんは3年前に松井事務所の主催する「木組みのデザインゼミナール」に通われて、自宅を建て替えるなら「木組」と決めていたそうです。
このたびは、ご厚意で「内覧会」を実施させていただきます。
日本古来の「貫」や「足固め」を使った「減衰設計」による「耐震性能」を実施し、夏は涼しく冬暖かい「床下エアコン」による「温熱性能」の良い家です。
地震の力を受け流す「柔軟」で「粘り強い」構造は、「折置組」という金物を使わず木と木を組み上げた「継手・仕口」のチカラです。
静岡県の住宅の審査は日本でも有数の厳しさでしたが、この後完了検査を終えれば、お引渡しとなります。
ガランドウの「架構」は生活の変化に対応する仕組みです。
地元の天竜杉を使い「伝統構法」を実践する大工集団「木ごころ工房」の松村寛生棟梁の手づくりです。
この機会に、無垢の木の「自然素材」に包まれた「豊かな空間」をご体感ください。
「内覧会」のお申し込みは、メールもしくはFAXにて受け付けております。申し込まれた方に地図をお送りします。
みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
松井郁夫・拝
2024年05月29日 Wed
現在進行している「天橋立の平屋」について工務店との打ち合わせで質問されたことに答えているうちに「時代が変わった」と感じてしまったので、今回は「大工と継手・仕口」の話です。
「天橋立の平屋」は「木組の家」に住みたいと望んでいる御夫婦が日本中の木組を実践している設計者を回って最後に松井事務所にたどり着いたのです。海に近い低地であったことから、高床式の「せがい造り」の平屋になりました。設計を終えて見積もりも承認され、いよいよ刻みに入る段階にこぎつけました。
平屋は単純なのですが、大変難しい床下の架構で梁組が大変です。何社かの工務店は見積もりを見送ってしまったので、熱心な工務店と最後まで打ち合わせを重ねてきました。
工務店さんが施工図を描いてくれたので、こちらも梁算段のスケッチをして提出したところ「若い大工に継手・仕口の寸法を教えてくれないか」と依頼されました。
僕たちが設計を始めた頃は大工仕事のほとんどは現場でベテランの大工さんから教わりましたが「時代は変わりました」
設計者が「継手・仕口」を考え寸法まで指示する時代になったのです!
さいわい私は大工棟梁のもとで設計を教わっていたので、木材の加工についても詳しく説明ができますが、ちょっとお驚いたので話題にしました。
今やプレカット全盛の時代だから大工も「継手・仕口」のことは工場に任せっぱなしで加工を考えなくなったのでしょう。
そういえば現代の家はほとんどが「大壁」という「柱」や「梁」の見えないつくり方になっています。
本来、木造住宅は「軸組工法」と呼ばれ骨組を生かした「真壁」工法だったのです。しかしいまや流行りの設計者はすべて「大壁」になってしまい軸組を考えなくなりました。軸を考えないで好きなところに窓を開けて見えないところで「金物」を使えるからです。
そういう意味では「大壁=金物工法」は便利です。しかし地震の時は金物が木という母材を割ってしまい倒壊し易くなります。最近の地震被害はそのことを物語っているのですが、地震のたびに金物補強の規制が強くなっています。
むかしから「豆腐を針金で釣ってはいけない」と大工の世界では金物を使うことを戒めていたのですが…。
真壁の家づくりを実践すれば、日本の地震や台風にも耐える、高温多湿の気候風土に沿った快適な家ができるのですが…。
。
2024年02月18日 Sun
丈夫で暖かい木組の家を作り続けている松井郁夫です。
今回は「浜松の木組の家」の建て方見学会の報告です。
工務店は「木ごころ工房」の松村さんです。
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当日は晴天に恵まれて、早朝から終日建て方日和でした。
「木ごころ工房」は伝統的な木組みに特化した工務店だけあって、
職人さん同士のチームワークも大変良く夕方には棟が上がりました。
見どころは大黒柱の通りのダイナミックな「門型架構」です。
壁の中に「貫」を挿入しながらの建て方は慣れないと難しいのですが、
松村さんたちは各自の持ち場で木と木に格闘していましたが
見事な連携で美しい軸組を組み上げました。
建主さんは20年前の「木組のデザインゼミナール」OGの方です。
上棟おめでとうございます。みなさんご苦労さまでした。
最後まで怪我のないよう引き続きよろしくお願いいたします。
2023年09月11日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 天橋立の家
いつか古民家になる暖かくて明るい家をつくりたいと望んでいる松井郁夫です。
進めて参りました「天橋立の家」の実施設計が終わり白模型1/50が完成しましたので公開します。
敷地が道路より低いので床を上げました。高床式です。
さらに「懸けづくり」という「清水の舞台」のような木組です。
大地から浮いた平屋の建物が質実剛健で力強い架構です。
模型を建主さんにお渡しして見積もりに入ります。乞うご期待!
2023年07月05日 Wed
進めてまいりました「浜松の家」がようやく着工にこぎつけました。
18年前に「木組ゼミ」の受講生だった現場監督の実家です。
さまざまなご要望をお聞きし、何度も練り直しました。
コロナや物価高騰もあり見積もりも苦労しました。
その間に3年の歳月が流れました。
今月から既存建物の解体が始まります。
工事はむかしからの知り合いの会津田島で修行した松村さん「木ごころ工房」です。
確認申請は降りています。来月辺りから、金物に頼らないシンプルな「木組の家」が建ち上がります。
2023年06月28日 Wed
神奈川県鶴見市に建つ関東大震災で一度壊れた建物を改修した古民家で震災後に復旧しました。ちょうど100年経って古民家と呼ぶにふさわしい伝統的な木組の平屋です。
主家は古い家ですが、隣に新しい二階建ての家をつくって住んでいました。最近になって古民家を改修して住みたいと思い始めたと言います。
そこで古い母屋はもちろん増築した二階建ても残して改修することになりました。
建物は関東らしい方形屋根の町家です。当時の架構は、伝統的な仕事で柱や梁も立派で丈夫な建物です。ただし、内部は座敷の続き部屋で、暗く寒い状態でした。
そこで、耐震性能と温熱性能の両方を向上させる設計としました。
建主さんは間取りの大きな変更を望まなかったので、架構はそのままとして限界耐力設計法により、板壁や足固め貫の耐力要素を加えました。スケルトン改修と言います。
温熱性能の向上は床下を密閉して、約59.72坪の建物を第三種換気により床置きエアコン一台で空気の流れをコントロールし温めることにしました。
南側に大きなガラス戸を断熱気密性能の良い木製窓に交換して、屋根瓦は既存を葺き直し、外壁に外断熱を施し焼き杉板としました。増築部分の二階建ては昭和の増築でしたが、材料も仕事も悪かったので入念に耐震補強を大壁のまま施しました。
古民家の屋根の下は小屋裏収納になっていましたが、今回ロフトとして使えるようになりました。居間の吹き抜けを見下ろすことが出来ます。
古民家の再生でありながら、大きな木製窓の外観がモダンです。耐震要素として大切な貫を切らずに補強して耐震を向上させ、外断熱と気密の向上で温熱改修と省エネを実現した事例です。
所在 | 神奈川県鶴見区 |
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構造規模 | 木造平屋+2階建 |
延床面積 | 197.49㎡(59.74坪) |
建築費 | 約8750万円 |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
施工 | 山口工務店・神谷棟梁 |
竣工 | 2023年4月 |
構造材 | 古材 |
床板 | 桧 厚15mm |
外部仕上 | 屋根:瓦 外壁:焼杉板 |
断熱材 | 壁:フェノバボード 25mm 屋根:高性能GW 300mm 床・基礎:スタイロフォーム 50mm |
内壁仕上 | 漆喰塗・土壁藁入り |
開口部 |
木製オリジナル建具(ペアガラス) 樹脂サッシ(ペアガラス) |
2023年06月09日 Fri
東京都小平市に建つ元は茅葺きの古民家です。小平一帯を開墾したときの開祖の家が残っていました。広い敷地に建つ古民家ですが、現在は住宅地に囲まれています。
昭和年代には、茅葺き屋根を瓦屋根に変えたと言います。古い架構を改修したので小屋裏が混乱していましたが、床下には大きな丸太の足固めが残っていて丈夫な骨組みであることがわかりました。
小屋裏は二重にして断熱材を入れ、ルーバーで隠しました。屋根裏一面のルーバーが美しいインテリアをつくっています。
建物は出桁造りの関東らしい軒廻り形式です。箕甲付きの入り母屋の屋根は、日本の伝統的な架構で昭和の時代を代表する造りです。天井を外して表した梁も立派で美しい架構です。内部の座敷は床の間のある部屋のみを残しあとは板の間にして北側に大きな開口部を開けて明るくしました。玄関を入ると北側まで抜ける窓が気持ちの良い室内を造ります。
さらに石の上においたままの架構で耐震性能を確保し断熱と気密で温熱性能の向上を目指しました。
耐震補強と断熱材を入れるために柱だけを残す骨組みだけの状態にしました。建主さんは間取りの大きな変更を望まなかったので、架構はそのままとして限界耐力設計法により、足固め貫の耐力要素を加えました。スケルトン改修と言います。
温熱性能の向上は床下を密閉して、約38坪の平屋を第三種換気により床置きエアコン一台で空気の流れをコントロールし温めることにしました。
南側に大きなガラス戸を断熱と気密の良い木製窓に交換して、屋根瓦は既存のまま300ミリの断熱材を挿入し、外壁に外断熱を施し焼き杉板で包み込みました。台所は時代が下がっての増築でしたが、システムキッチンとトイレ周りを新しく現代的にしました。
大きな屋根の下の小屋裏はすべて見えるようにルーバーが並び、丸太の梁組が力強い空間を創りました。
古民家の再生でありながら、大きな木製窓の外観がモダンです。耐震補強でワンルームの室内を実現し外断熱と気密で温熱向上と省エネを実現した事例です。
所在 | 東京都小平市 |
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構造規模 | 木造平屋建 |
敷地面積 | – |
建築面積 | – |
延床面積 | 128.07㎡(387.74坪) |
建築費 | 約7000万円 |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
施工 | キューブワン・ハウジング |
竣工 | 2023年3月 |
構造材 | 古材 |
床板 | 桧 厚15mm |
外部仕上 | 屋根:瓦 外壁:焼杉板 |
断熱材 |
壁:フェノバボード 25mm 屋根:高性能GW 300mm 床・基礎:スタイロフォーム 50mm |
内壁仕上 | 漆喰塗・土壁藁入り |
開口部 |
木製オリジナル建具(ペアガラス) 樹脂サッシ(ペアガラス) |
2023年05月03日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 鶴見の古民家再生
「鶴見の古民家再生」3年の歳月をかけて竣工いたしました。
設計契約はコロナ禍の最中でメールでのやりとりで受注しました。
建物は「関東大震災」で被災した後に修復してちょうど100年経過しました。
今回これから100年の命をつなぐために再生工事を行いました。
平屋の建物が古民家と呼べる石場建ての架構で建てられていましたので、再生計画は石場建てのまま「限界耐力計算法」という「超高層ビル」に採用されている「減衰設計」で力をいなす計算方法を採用しました。
「耐震補強」をするためと「温熱性能向上」のために建物を「骨組」にまで裸にして断熱材を充填したり外張りに付加断熱したりして「スケルトン改修」を行いました。
昭和に増築した二階部分は「大壁」のままですが、平屋は柱梁の見える「真壁」の和風です。
最新の設備を装着して「むかしといまをみらいにつなぐ」再生となりました。
わたしたちは「古民家のみらい」を創る仕事を得意にしています。
まずは竣工写真をご覧ください。
2023年04月22日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 鶴見の古民家再生
「鶴見の古民家再生」が竣工しました。この度オーナーさんのご厚意で内覧会の運びとなりました。
大正12年の「関東大震災」で倒壊を免れた古民家です。その時に少し壊れた家を直して100年が経ちました。
今回、その古民家にさらに100年の命をつなぐために「限界耐力計算法」による「耐震補強」と「床下エアコン」による「温熱改修」を行いました。
「むかしといまをつなぐ」
「懐かしくてあたたかい」
古民家再生をご覧ください。
2023年4月30日(日)12:00~16:00
お申し込みの方に地図をお送りします。
お申込み先:松井郁夫建築設計事務所
もしくはワークショップ「き」組
MAIL:ok@matsui-ikuo.jp
MAIL:info@kigumi.jp
FAX:03-5996-1370
2023年04月04日 Tue
今年で20期を迎える「木組ゼミ」は記念講座として、豪華講師陣と「古民家再生講座」を充実させて4月16日より12月17日まで開催します。
木の建築の基礎である「木組講座」や「温熱講座」はもちろん、20年間の蓄積を余すところなく公開いたします!スキルアップを目指している実務者の参加をお待ちしております。
2023年03月08日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 小平の古民家再生
小平の新田開発に尽力された祖先をお持ちの古民家を再生させていただきました。
昭和になって屋根を瓦に変えたのですが、それまで江戸時代の茅葺の外観が残っていました。
100年以上も前の建物をスケルトンにして耐震補強と温熱改修を行い、室内を茶室と、生花のアトリエとギャラリーに改装してさらに100年超の命をつなぎました。
お引渡しの前に写真を撮らせていただきました。プロのカメラマンの写真の前に松井が取った竣工写真を公開します。
丈夫で暖かい「古民家のみらい」を御覧ください。
2023年02月17日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 小平の古民家再生
お待たせ致しておりました「小平の古民家再生」の内覧会の日程が決まりました。
オーナーのご厚意により、2023年3月5日(日)10時から16時までの開催となります。
お申し込みは、下記松井事務所までご連絡ください!地図をお送り致します。
MAIL:ok@matsui-ikuo.jp TEL03-3951-0703 FAX03-5996-1370
2023年02月16日 Thu
「小平の古民家再生」は今月の完成を目指して追い込みに入っております。
間接照明のあかるさの調整や家紋入りの本襖の制作を入念にやっております。
生花の水切り作業をする台所やお茶室になる座敷には土塗りの炉壇も入り畳と炉縁を据えるだけになっております。水屋も竹釘の位置を決めました。
台所や洗面トイレは奥様こだわりの黒を基調にしたインテリアになっています。古民家の中にモダンを感じる仕上がりとなりました。
一般公開の内覧会をさせていただくことになっておりますので、3月にはいって日程が決まりましたらご案内致します。
耐震補強と温熱向上を施した「懐かしい古民家のみらい」をご堪能ください。
梅の花が咲き始めました。
本塗りの炉壇が入りました。
照明設計をしてくれたヤマギワの遠藤くん。8通りのシーン設定ができるスポットライトの調整中。生花を照らします。
黒を基調にした台所と洗面所。
床は吉野中央木材から直送された「吉野桧」です。
2023年02月11日 Sat
快適で住みよい空間をつくることは住まい手の「しあわせ」につながると思います。
意見の違いを乗り越えて「しあわせ」の目標に向かってみんなで作業する場を「ワークショップ」といいます。
一時期、日本全国を席巻した「住民参加の手法」です。いまでも多くの自治体や設計者が採用しています。
松井事務所では、「まちづくり」ばかりでなく「木組の家づくり」の仲間との「協働の場」として「ワークショップき組」を実践しています。
今回は、住まい手と職人と設計者の協働の場「ワークショップき組」について解説します。
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松井事務所が、「ワークショップ」で家づくりを進めようと考えたのは20年前になります。
1995年の阪神大震災のあと、ものづくりの職人の力は大きいと感じていたので、職人との協働は実践していましたが、2000年に「近くの山の木で家をつくる運動」に参加して、職人の手仕事と山の保全つながりが一気に見えたのです。
荒れていた日本の山を救い、伝統的な日本の職人技を駆使して、住まい手の「しあわせの家づくり」を実現したいと思ったのです。
当時、海外に頼っていた木材をやめて、近くの山の木を使うことで、その願いは解決すると確信したのが「ワークショップき組」の結成につながりました。
長い時間をかけて育てた山の木を大切に使い、腕に自信のある大工に技術を振るってもらう。
伐った木は、植林をして山を守り、次の世代が建て替えるまで長寿命で丈夫な家を一般の人でも手に入れられる価格でつくる「山と職人と住まい手をつなぐ」仕組みです。
山の木は「トレーサビリティ」という生産履歴がついた「生まれも育ちもわかる木」です。
職人は「木組」という日本古来の伝統的な大工技術を実践する人たちです。
「プレカット」という工場加工の家が大勢を占める木造住宅業界の中、「手仕事」をいとわない家づくりの集団をつくる必要があったのです。
「手仕事」の職人と組める設計者の育成もはじめました。「木を知り」「職人言葉のわかる」設計者をつくることです。
それが今年で20期を迎える「木組のデザインゼミナール」です。20年間で240人の木組のわかる受講生を世に送ってきました。
いまでは「木組ゼミ」を修了した全国のメンバーが「ワークショップき組」を構成しています。
「第20期木組のデザインゼミナール」は4月16日から12月16日まで、「古民家講座」「木組講座」「理念講座」「温熱講座」をZoomで行います。20年を記念して豪華な講師陣を揃えました。木造住宅の設計のスキルアップを目差している方はぜひご参加ください。
最後は広告になってしまいました…。
広告「住む」掲載
2023年02月06日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 講演
古民家は生きています。
その丈夫で長寿命の架構と自然素材でつくられた豊かな空間を追体験できる企画です。
2日間の連続講座ですが、古民家に興味のある方は奮ってご参加ください。専門家はもちろん、一般の方も大歓迎します!
貴重な財産である古民家を活かして「みらい」につなぎましょう!
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古民家の再生スライドトークと長屋門の実測ワークショップのお知らせです。
3月18日(土)と19日(日)に日本の民家の成り立ちから再生までの講演会と実測調査の実習を行います。
場所は益子の「濱田庄司記念益子参考館」です。クラウドファンデイングで長屋門の茅屋根の吹き替えを達成できた記念の企画です。
以前にもお知らせいたしましたが、詳しいチラシが届きましたので、再度お知らせいたします。
18日は午後13時半から16時まで「日本の民家の歴史 縄文から現代まで」のスライドトーク
19日は午前10時から16時まで「古民家を読むー茅葺き長屋門」の実測ワークショップで実際に長屋門を測ります。
日本の家の原点は古民家にあると思います。ここで体験したことは、かならずこれからの新しい設計や暮らしに活かされると思います。
2023年02月05日 Sun
古民家は生きています。
むかしからの民家をつくった大工技術は、日本が世界に誇る伝統構法です。
「小平の古民家」は、江戸時代にこの地域で新田開発を行った開祖の方のお宅です。
茅葺きから瓦葺きになり長い時間を刻みましたがこの度、生花のギャラリーと茶室と事務所を併合した別宅として生まれ変わります。
もう少しで完成です。
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今月の完成を目指して、現場では最後の追い込みに入っています。
先日は、梁の上の間接照明の明るさをチエックするために仮に通電を行い点検しました。
天井の明るさや、照度にムラがないかを確認し明るすぎるところにはフィルターを掛けて優しい明かりが均等になるよう調整しております。
照明計画は、ヤマギワ照明の後輩に依頼しました。細かなところまで神経の行き届いた計画です。
耐震補強はもちろん、温熱計画も実施して完成が待ち遠しい古民家です。
2023年01月30日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
松井事務所では、日頃から「木組の家」や「古民家再生」の耐震性、温熱性の向上に力を入れています。今回は「室内の温熱環境の向上」について測定器を使って見える化していることについて書きました。
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松井事務所では、新築の「木組の家」を「いつか古民家になる」ことを目標につくり続けています。それには耐震性が必須ですが、室内の温熱性能についても気配りしています。
二年前に竣工した「小金井の家」では先日、測定器を屋外と屋内に置かせていただき、リアルタイムで測定値を見える化しました。
随時スマートフォンから、建主さんにも見えるように設定しています。
「木組の家」といえども、断熱性能と気密性能を向上させることで、外気温1℃の時に「無暖房」でも屋内温度は一階17℃、二階18℃になります。
これからのエネルギー消費量の削減や地球温暖化の抑止につながる試みです。
松井事務所では「断熱気密」は「設備仕様」の一貫としてすべての建物に実践しています。
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