やなぎや薬局 〈福井県〉

やなぎや薬局

豪雪地帯のワンルーム

ふるさと大野の「まちなみ整備事業」後に七間商店街の老舗「やなぎや薬局」を再生しました。

豪雪地帯に建つ明治35年築の町家。

屋根は農家のような扠首構造に一本の中柱(大黒柱)が棟までのびています。胴差しはなく柱はすべて通し柱に貫が通っています。

新しく考えた「足固め耐力壁」は「貫と足固め」で地震に耐えるようにできています。

雪国なのに軒の出が深く、建物の真ん中に太い柱一本しか無いワンルーム構造です。

昭和38年と56年に豪雪に見舞われましたが、損傷はありませんでした。

現在ではこのような建築を「既存不適格建物」と呼んで建築基準法外になります。

外壁に杉板を貼りましたが、壁の下には20ミリのモルタルを塗って「準防火地域」の規定を守っています。

改修の構造設計は、稲山正弘さんにお願いしました。

1998.季刊誌「ディテールNo.138」に紹介されました。

所在 福井県大野市
構造規模 1階S造(一部木造)2階木造
敷地面積 324.01㎡(98.01坪)
建築面積 218.43㎡(66.08坪)
延床面積

380.18㎡(115.01坪)
1階 186.23㎡(56.33坪)
2階 193.95㎡(58.67坪)

建築費 4,000万円(参考価格)
設計監理 松井郁夫建築設計事務所
施工 大野建設工業株式会社
竣工 1998年4月
建坪率 90%
容積率 200%
地域地区 商業地域
防火地域 準防火地域