プロジェクトレポート
2023年08月02日 Wed
本日の「日経新聞」にウエルパイン書店の写真集「美しい木組の家」と「古民家のみらい」の広告を載せました。
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2023年07月30日 Sun
異常な気候変動の中もう手遅れかもしれないけど人類の叡智を信じて自分にできることを実践してゆきたい松井郁夫です。
今回は立て続けに聞こえてきた「地球沸騰化」と「人類の絶滅」について考えたいと思います。
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毎日殺人的な暑さが続きます。この暑さの最中、7月28日に国連事務総長グレース氏が「地球の温暖化は過ぎた」すでに「地球沸騰化の時代が到来した」と記者会見で発言して世界を驚かせました。
今月の地球の平均気温が観測史上最も高くなるとの見通しから「地球沸騰化の時代に入った」と警告しました。
各国や企業に対して「気候変動対策」を加速するように求めたのです。G20=主要20カ国が温室効果ガスの8割を排出しているとした上で「野心的な削減目標が求められる」と訴えました。
このコラムでも海流の循環による「地球のエアコンが今世紀中に止まる」危機を掲載しましたが星野克実氏の「人新世の絶滅学」では間違いなく人為的原因で人類が滅亡に向かっているようです。
2004年に書かれた本ですが、人類は「絶滅危惧種」になった。という書き出しがセンセーショナルです。
まだ読み始めたばかりですが人類の滅亡はすでにカウントダウンの段階に入っていると指摘しています。
民俗学者で生態学者の故・梅棹忠夫氏は「人類の未来」の中で「そのうち人類は暗黒の世界に入って滅亡するだろう」と述べています。ただし「暗黒の中に一条の光がある」とも述べていました。
のんきなことは言ってられませんが、今世紀中とも言われる人類滅亡のカウントダウンを人類の叡智で乗り越えていきたいと思います。
それには何ができるか!
CO2の削減のために個人の実践に委ねられていますよね!
この暑さでますます現実感の増す地球温暖化の課題です。
2023年07月28日 Fri
猛暑が続きます! 地球環境の危機に何ができるか模索している松井郁夫です。
今日は「地球のエアコン」が止まるかもしれないという危機的な話です。
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地球の海の中では北極海からの低温深海海流が、1000年周期で廻っていて地球の温暖化を防いでいるという説があり、以前から知られています。
その悠久の仕組である「地球のエアコン」が早ければ2025年遅ければ2095年までに停止してしまうという研究結果があるといいます。
びっくりしますが、地球の気候危機は深刻です。
目先の快適さや利益だけをみていると「茹でガエル」が徐々に茹で上がるように気がついたときには遅きに逸していることになります。
資本主義による地球資源の開発と浪費をやめて、今すぐ環境保全の仕組みをつくり人類全員が協力しあって実践するときではないでしょうか?
CO2の排出を減らす努力は一般家庭でもできます。まず、消費生活の変更です。これまでの浪費的生活スタイルをあらためてできるだけエネルギー消費を抑えることです。電化製品の電力を少なくすることも必要ですし、建物の断熱向上は省エネルギーの面からも必須です。今や断熱材は家の設備の一つだと言えます。また、できるだけ外出を控えることも考えられます。コロナ禍でリモートに慣れたいまこそできる対策です。
排気ガスを減らす対策は製造会社こそ率先して実践すべきです。工場の稼働率を下げることは経済成長にとってはマイナスですが、環境危機は人類の存亡の問題ですから「まったなし!」だと思います。資本主義の目的は「人類の滅亡」ではないはずです。
ここまで書いてFBの友人(同じ世代の女性)からメッセージが届きました。
「よく顔を合わせるFB仲間の皆さんは、「自分は地球の一員」ということを常に意識しながら、それぞれの分野でご活躍なさっています。今やっていることを、続けていけばいいと思います。疲れたら休んで、でも諦めずに!」
この助言に従えば、松井の実践は「これまでのように山に植林費用を還し職人と協働しながら温熱性能
更に彼女の助言が続きます。「高層建築にも木が使われ始めました。木の建築はいろいろな環境問題を解決する手段になると思います」
ありがとうございます!ますます木を素材とした環境に良い建物の設計に励みたいと思います。
2023年07月19日 Wed
日夜日本の伝統を活かした木造住宅を模索している松井郁夫です。
今回はお世話になった「田中文男」棟梁のことを書きました。
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「木造は軸組だ!」と言い放ったのは故・田中文男棟梁(1932年~2009年)です。
口伝や伝承の世界であった木造建築に科学的な検証を取り入れて「学者棟梁」と呼ばれていました。
また設計と施工を分業して工場と現場に大工職人を分けて配置するなど作業の効率化を進め、小さな住宅でも必ず施工図を描いて施工前に検討し設計と施工の誤差のない合理的な現場運営を進めたので「現代棟梁」とも呼ばれました。
「日本建築セミナー」という勉強会の講師を勤め若い設計者や大工に多くの影響を与えました。私も20代の頃セミナーに参加し大いに学ばせていただきました。
「口は出すけど金は出さない!」設計者が大嫌いで、こちらが「こんにちは!」と挨拶しても「バカヤロウ!」といきなり怒鳴られました。その訳は、日本の伝統構法は設計者である「お前らが壊したんだ!」というのです。とても怖い人でしたが、笑うと子供のような笑顔を見せてくれました。
晩年は、受講生だった私と一緒に「真の日本のすまい」という国土交通省の設計競技の審査委員を勤めさせていただきました。ご病気で亡くなる前に、「お前くらいだなぁ…俺の言ったことをやってくれているのは…。」と言われたことはとても名誉なことで嬉して、あまり人には話せませんでした。
仕事について数多くの名語録を残しています。田中文男の言葉は、厳しく、重く、温かく、深いのです。本になっているわけではないのですが名語録集はLIXILギャラリーのブックレットにあります。下の最初の写真です。
曰く「時間が欲しかったら、一度でやれ」「暮らしは下みて、仕事は上を見てやれ」「やっちゃいけないことをいくつ知ってるか」「返事は六つでいい。わかる、わからない。できる、できない。好き、嫌い」「5W1Hだけじゃないよ、3V2Sだ」5W 1Hはよく言われているように、いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どうしたのかということです。3V2Sは明確なビジョンを持ってバイタルでビビットなことをサイエンステックにセンシブにやる!ということです。…解説がないとわからない言葉ですが、実務者にとっては身につけたい貴重な語録です。
また元文化庁の宮澤智さんと書いた「普請研究」は日本の大工の技術や技能について記録解説した名著ですが、こちらはまた日を改めて描きたいと思います。
2023年07月09日 Sun
美しい住まいと町並みを造りたいと望んでいる松井郁夫です。今回は都市景観の話です。
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先輩に岩崎駿介さんという敬愛する友人がいます。18歳も年上ですが友人と呼んでいいと言われています。僕が現在のまちづくりや建築の道に進むきっかけとなった人です。
元横浜市都市デザイン室の室長で今は自力建設でご自宅を創っています。自力と言っても半端なくデザイン性の高い家で「日本建築学会賞」をもらいました。茨城県八郷に建つ「落日荘」と言います。
学生の頃から岩崎さんに憧れて「都市デザイン」を目指しましたが、役所勤めは嫌で、藤本昌也先生の現代計画研究所に入所して色々な都市の「景観計画」をお手伝いしてきました。
そこでわかったのは、日本の町には江戸時代から「町触れ」という建物の美しさや生活の規範があったり、職人たちの徒弟制の仕組みの中で叩き込まれた言わずもがなの決まり事によって日本の町並みは美観が守られてきたということでした。
いまでは美しい町並みは歴的な保存地区にしか残っていません。
町並みを壊してきたのは「美の基準」を持たない戦後の「建築基準法」です。「規制」や「制限」の「べからず集」でしかなかったのです。
どうつくれば町並みが良くなるのかという「理念」を示した「基本法」が必要なのですが、現在の日本にはありません。
お隣の韓国では日本の「建築基準法」は真似しないようにしています。
「韓国建築基本法」(2007年制定2008年施行)がすでにあって「質の高いまちづくり、建築づくり」を実践していると聞いています。
日本の「基本法」については、神田順先生という方が長年ロビー活動をされていますが、永田町の行政や議員は動きが鈍いようです。
本来大工の世界では新しい建物を建てる時には、むかしからの「口伝」が規範となっていたといいます。
例えば「下屋勾配は一寸返し」というのは上屋と下屋の勾配を同じにするとお尻が下がったようで美しくないので下屋は少し跳ね上がったほうが格好がいいということです。
現行の基準法では建物の規制については、今の5m,10mという地球の円周から割り出したメートル法で規制するので大工の使う人間の身体寸法から創り出した尺寸の三進法に合わなくてヒューマンスケールを失っています。
また「相場崩しはするな」という相隣関係に配慮した大工職人たちの「暗黙知」が歴史的な街並みを美しく保ってきたのですがそれも戦後に失われました。
わたしたちは各地に残る歴史的な建物や町並みに学んで理想的な美しいまちづくりを目指す必要があると思います。
2023年07月05日 Wed
進めてまいりました「浜松の家」がようやく着工にこぎつけました。
18年前に「木組ゼミ」の受講生だった現場監督の実家です。
さまざまなご要望をお聞きし、何度も練り直しました。
コロナや物価高騰もあり見積もりも苦労しました。
その間に3年の歳月が流れました。
今月から既存建物の解体が始まります。
工事はむかしからの知り合いの会津田島で修行した松村さん「木ごころ工房」です。
確認申請は降りています。来月辺りから、金物に頼らないシンプルな「木組の家」が建ち上がります。
2023年07月02日 Sun
日頃から丈夫で美しい民家のような住まいを造りたいと考えている松井郁夫です。
事務所を始めて40年近く経ちました。これまで支えてくださった建主さんやスタッフ、家族に感謝しています。
今日は松井事務所が考える「家づくり」について初心に戻っておさらいしたいと思います。
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家は「家族の幸せの器」であり住まい手の「心の拠り所」だと考えています。
すべての素材に自然素材を使って住まい手に「豊かな暮らし」を提供できれば幸いです。
無垢の木や土などの天然の素材で包まれた生活は住まい手の気持ちを豊かにしてくれると思います。
地震や台風から身を守ってくれる家は「丈夫で長持ち」するつくり方で造りたいと思います。
それには日本古来から伝わる伝統的な木を組む「木組」の技術が最適だと考えています。
そのために、わたしたちは優れた伝統技術を持つ職人さんたちと協働しています。
木も山に植林費用を返すために「適正な価格」で直接買い、住まい手に提供しています。
「山と職人と住まい手をつなぐ」仕組みをつくって活動しています。
仲間と立ち上げた「ワークショップ・き組」https://kigumi.jp/
はビジネスモデルとして2003年にグットデザイン賞をいただきました。
木組の伝統技術を伝えるための勉強会「木組のデザインゼミナール」は今年で20期になります。
これまでに約300人の受講生を世に送りだし全国で活躍しています。
新築はもちろん、古民家の再生も松井事務所の得意とするところです。
むしろ古民家から学んだ技術を使って美しい家つくりをしていると言ったほうがいいかもしれません。
また地球環境を考えると「省エネルギー」は時代の要請です。古民家といえども暖かい家を目指す必要があります。
断熱性能の向上を図り無垢の天然材を手仕事によって丈夫な家を創り上げることで、長く住まい手に愛して頂ける家づくりを続けたいと思います。
2023年06月28日 Wed
神奈川県鶴見市に建つ関東大震災で一度壊れた建物を改修した古民家で震災後に復旧しました。ちょうど100年経って古民家と呼ぶにふさわしい伝統的な木組の平屋です。
主家は古い家ですが、隣に新しい二階建ての家をつくって住んでいました。最近になって古民家を改修して住みたいと思い始めたと言います。
そこで古い母屋はもちろん増築した二階建ても残して改修することになりました。
建物は関東らしい方形屋根の町家です。当時の架構は、伝統的な仕事で柱や梁も立派で丈夫な建物です。ただし、内部は座敷の続き部屋で、暗く寒い状態でした。
そこで、耐震性能と温熱性能の両方を向上させる設計としました。
建主さんは間取りの大きな変更を望まなかったので、架構はそのままとして限界耐力設計法により、板壁や足固め貫の耐力要素を加えました。スケルトン改修と言います。
温熱性能の向上は床下を密閉して、約59.72坪の建物を第三種換気により床置きエアコン一台で空気の流れをコントロールし温めることにしました。
南側に大きなガラス戸を断熱気密性能の良い木製窓に交換して、屋根瓦は既存を葺き直し、外壁に外断熱を施し焼き杉板としました。増築部分の二階建ては昭和の増築でしたが、材料も仕事も悪かったので入念に耐震補強を大壁のまま施しました。
古民家の屋根の下は小屋裏収納になっていましたが、今回ロフトとして使えるようになりました。居間の吹き抜けを見下ろすことが出来ます。
古民家の再生でありながら、大きな木製窓の外観がモダンです。耐震要素として大切な貫を切らずに補強して耐震を向上させ、外断熱と気密の向上で温熱改修と省エネを実現した事例です。
所在 | 神奈川県鶴見区 |
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構造規模 | 木造平屋+2階建 |
延床面積 | 197.49㎡(59.74坪) |
建築費 | 約8750万円 |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
施工 | 山口工務店・神谷棟梁 |
竣工 | 2023年4月 |
構造材 | 古材 |
床板 | 桧 厚15mm |
外部仕上 | 屋根:瓦 外壁:焼杉板 |
断熱材 | 壁:フェノバボード 25mm 屋根:高性能GW 300mm 床・基礎:スタイロフォーム 50mm |
内壁仕上 | 漆喰塗・土壁藁入り |
開口部 |
木製オリジナル建具(ペアガラス) 樹脂サッシ(ペアガラス) |
2023年06月26日 Mon
昨日NPO木の建築フォラムと建築士会連合会の主催する第17回「木の建築賞」の受賞式がありました。
17年を数える木造建築の顕彰を行っている団体ですが、今回は職人さんで施工も設計も実践している「望月茂高」さんが「大賞」と「木の建築賞」のダブル受賞をされました。詳しくはこのコラムでもすでに前回紹介いたしました。
受賞された望月茂高さんは、伝統構法で社寺や住宅を施工している工務店さんで、親父さん望月昭さんの代からのお付き合いです。
設計者や建築事務所の受賞者が多い木の建築賞の中で職人さんが「大賞」に輝くのは大変嬉しいことです。
むしろ設計のうまい職人さんが現れたことが新しいニュースです。
考えてみると、これまで「木の建築賞」に入賞した広島佐々岡さんも設計のうまい施工もできる職人さんです。
当事務所の主催する「木組のデザインゼミナール」出身の北海道の木村さんや長野の菱田さんも同じく職人さんで設計しています。
通称「木組ゼミ」は職人さんと協働できる設計者を育成することが目的でしたが、どうやら設計できる職人さんを育成していたようです。今からどんどん新しい職人種が増えてくるかもしれません。
この傾向を「人新世」になぞらえて「職人新世」と呼ぼうと思います。
家づくりのニューウエーブ「職人新世」の住まいづくりに期待します。これからの木造住宅は、これまでの設計者は大変かもしれませんね。
写真は授賞式の様子。松井が受賞者の望月茂高さんにコメントしているところです。
2023年06月25日 Sun
昨日の「コラム」の続きです。本日「木の建築賞」の表彰式で受賞作品のコメントを求められているので、少し考えをまとめてみました。
今回入賞した「不惑の一棟」は「星野神社覆殿+本殿」で大賞を取った望月茂高さんの作品です。
「不惑」は孔子の論語の一節の「四十にして惑わず」から来ていることはみなさんご存知のとおりです。更に論語では「50にして天命を知り」「60にして他人の声に耳を傾け」「70にして思い通りに行動しても道を踏み外すことはない」と続きます。
しかし私の私見を許してもらえるならば、この作品は大いに惑っているように見えます。
まず、母屋である古民家の農家が隣りにありこの地域の歴史を伝えています。差鴨居で結ばれた田の字型の農家は長い時間をこの場所で大過なく過ごしてきた落ち着きがあります。
本来古民家には純粋な日本の世界があり、この場所の自然と伝統から丈夫で美しい独自の存在を鮮やかに示しています。無名の職人たちの健康で素朴な実用の美を見ることができます。人々の生活の無作為と無心の純粋な用と美の世界が見えます。
「不惑の一棟」にもその伝統と美への追求は伺えますが…。
話は変わりますが、私の木造住宅の師である「小川行夫」は昨年亡くなりましたが、大工でありながら建築家協会に推薦され「前川國男」先生と交流した人で63年前の28歳のとき妻の家を建てました。今も94歳の義母が住んでいますがその家の佇まいは随所に美しい納まりのある家ですが、少しも気にかかることのない快適な空間を維持しています。
師匠は、常日頃から「建物はどこがいいとかここが面白いとか言う気持ちが起きない方が良い。思い出せないがなんだか気持ちが良かったなぁ…と思えるものがいい建物なのだ」と言っておりました。
「50にして天命を知り」「60にして他人の声に耳を傾け」「70にして思い通りに行動しても道を踏み外すことはない」というこの言葉とともに我が師匠の言葉を送ってお祝いの言葉とさせていただきます。おめでとうございました。
2023年06月24日 Sat
明日は第17回の「木の建築賞」の授賞式が行われます。大賞は第18回募集チラシの表紙を飾った「星野神社覆殿+本殿」です。審査の折に松井の一押しした作品です。同じ作者の「不惑の一棟」も入賞しました。
作者は古くからの友人で大工棟梁の望月昭さんの息子の望月茂高さんです。親父さんとは国土交通省の「伝統構法の検証実大実験」(2008年~2011年)でご一緒しました。二代目も伝統構法に精通した息子さんで大工棟梁ですが設計も得意で、2つ作品は彼の実力をいかんなく発揮した労作です。「覆殿」は古い神社の本殿を守るために伝統構法の「石場建て」を使い「柱」と「貫」だけ屋根を包みました。すでに8つの賞に輝いています。
神社は「神様の住まい」で人間の生活とはかけ離れた上屋ですから、つくる側の心構えがそのまま表われるという怖さがあります。いわば「つくり手」の純粋な技能や技術の表出の場で、神と向き合う神聖な気持ちをどう表すのかが試されます。もちろん手抜きは許されません、神様が見ていますから。
大工職人は「技術者」というより「技能者」です。体で覚えた技術を時と場合に応じて使い分け、存分に駆使できる人たちです。絵や写真や図面で表現する者とは一線を画しています。身につけた「技能」で木の性質を知り尽くし木と木を組み自然の猛威に備えなければなりません。それには多くの経験を積み、製材された後の木材でもどのように曲がり暴れるのかという木の癖を読み切ることが大切です。
この建物に採用された「石場置き」は大地を傷つけることなく活かし地震や台風に逆らうことのない挙動を示すことが予見されています。また、木材の特性である「めり込み」強さを発揮する「貫」は部材の「継手・仕口」と相まって「摩擦力」で力を減衰することが出来るように「限界耐力設計法」で計算され計画されています。
まさに「日本古来」の「伝統構法」と「新しい技術」を活かした革新的なシエルター「覆殿」の完成です。
「伝統は常に革新によって進化する」という実例を示し「大賞」にふさわしい仕事を見せてくれました。受賞おめでとうございます!
5月よりNPO木の建築フォラムと日本建築士会連合会主催の「第18回木の建築賞」の応募が始まりました。チラシを掲載しておきますので、みなさん奮ってご応募ください。
2023年06月15日 Thu
いつか古民家になる丈夫で暖かい家をつくりたいと考えている松井郁夫です。
今回は最近の「古民家」ブームに対して少し思うところを書きました。
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今や「古民家再生」は空前のブームと言える状況です。
松井事務所にも多くの問い合わせがあります。
「古民家に住みたい!」「古民家を買ったけどどう直せばいいのか?」「古民家を買いたいので見てほしい。」等など。
みなさん憧れの古民家に対して切実なお悩みをお持ちです。
ではどうすれば「古民家」に住めるのか?
そのためには何が必要か?
お答えするのはそれぞれの事情によりますが、そもそも「古民家」とはどういうものを言うのでしょう。
寄せられた相談の建物の建設年代から言うと、とても「古民家」とは呼べない建物もあります。
それは第二次大戦後に建てられた家で伝統的な工法ではない建物です。いわゆる「在来工法」の家です。
「在来」は戦後に入ってきたアメリカなどの「外来」(外国)の建物に対して昭和25年の建築基準法制定の折に使われた工法の分類からその名が来ています。
もともと日本では古来伝統的な建物は木と木を組み上げることで建てられていました。それを「伝統構法」といいます。
しかし第二次大戦の焼け跡時代からの復興のために手の込んだ木組よりも簡便な家を多く提供する必要に迫られて底上げのためにつくられた「在来工法」は「復興住宅」です。むかしから日本にあったので「在来」と名付けられましたが伝統構法を簡略化した工法で丈夫な建物ではありません。
当時内務省では「庶民の建物は金物で縛ればよい、本格的な伝統の木組は文化財で実践すればよい」という機運だったそうです。つまり「質より量」が求められた時代の産物です。
なので問い合わせがあれば建物を見に行く前に「戦前か戦後か」をお聞きしています。それは大きな指針になります。
厳密には明治24年の濃尾地震で西欧の構法が入ってくるまでと戦前までの昔ながらの仕事を伝統的な「古民家」と考えています。松井事務所では以上のような「古民家の定義」に沿って改修・再生を実践しております。
大きな違いは構造に対する考え方です。「古民家」には強度で構造を成り立たせるようなことはしません。自然の力学に馴染まないからです。むしろ力をいなす「減衰設計」が有効です。
減衰の考え方は「めり込み」と「摩擦」で地震や風のエネルギーを吸収することです。「貫」や「継手・仕口」という「木組」の加工が必要です。さらに、時代を超えて生きていくには「暗い」「寒い」を取り除く耐震計画と温熱計画が必要です。
「レトロ」な雰囲気と懐かしさだけの古民家再生は、かえって建物の寿命を縮めてしまうと考えられます。
正当な「古民家再生」は木組の原点に還って伝統的な架構から取り掛かるべきでしょう!
2023年06月12日 Mon
長く使えて丈夫であたたかい住まいをつくりたいと努力している松井郁夫です。
今回は家づくりと芸術について考えました。
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「これから建築を志す若い諸君へ!」
私が建築の設計を志して大工棟梁であり建築家の小川行夫師匠の門を叩いた時に渡された青焼きの紙に書いてあった書き出しです。
曰く「建築は総合芸術である」しかるに「設計は心してかかるべし!」という「覚悟」のような檄文が並んでいたことを覚えています。残念ながら事務所に来る多くのスタッフに見せているうちに何処かへ行ってしまいました。
そんなものでうる覚えですが、確か建築は総合芸術であるので「科学の分野」でありながら詩をつくる「文学の世界」が重要であると書かれていた気がします。
建築に携わる者ならばまさに「レオナルト・ダ・ビンチ」のように「あらゆる現象」を総合的に知らなければならないとも書かれていたような…兎に角とても厳しい文章であったことは覚えていますが、詳細が出てきません…。
少なくとも、建築設計はうわついた気持ちでは入れない世界だと気付かされ、身が引き締まった覚えがあります。
オーナーの要望を聞きながら芸術の世界を目指すなんて才能はそう簡単には身につきませんが、その檄文にはそうならねばいけないと書かれていました。「若者は高みを目指して歩み始めよ!」と、「すべてを自然と科学と芸術のために身を削れ!」と。
今思い出すと日々の長い生活の中で「建築設計」に邁進できたのはその檄文を見せられたおかげだったかもしれません。
その文章を探して中村順平の「建築という芸術」や前川國男の「一建築家の信条」を見返してみましたが出てきませんでした。
どなたか檄文に心当たりの方はいませんでしょうか?いまこそ建築を志す人に読んでいただきたいと思うのですが…
2023年06月10日 Sat
「いつか古民家になる」丈夫な暖かな家をつくりたいと考えている松井郁夫です。
今日は「真壁」という建物の作り方について日頃から思うところを書きました。
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「真壁」というのは建物の壁をつくるときにに柱や梁などの「骨組」を見せるつくり方をいいます。建物が建ったあとも骨組みがすべて見えます。室内からも見えるので、力の流れがわかって安心です。
日本の家はむかしから「真壁」でしたが、明治時代に西欧の建築術が導入されて「大壁」という柱や梁などの「骨組」を見せない作り方になり、いまでは主流になってしまいました。
「大壁」は壁の中に木材をくるんでしまう作り方なので、湿度の高い日本では壁内で木材が蒸れたり結露して腐りやすいと言われていたのですが、透湿(湿気を通す)するシートが普及して最近ではあまり事故も起きないようです。しかし施工の手順を間違えると壁の中がカビだらけになります。さらに内装も「大壁」の場合はビニールクロスを貼ることが多いので室内の湿気を逃さず中にいると不快さを感じることがあります。
一方「真壁」は柱も梁も見えて空気に触れているので木材が蒸れたり結露したりしません。柱と柱の間の壁を土や漆喰でつくると素材の持つ吸放湿作用で湿気をコントロールしてくれます。なので室内にいる人は快適に過ごすことが出来ます。
本来「豊かな暮らし」とは利便性の高い設備に頼るよりも、天然の自然素材に包まれて快適に暮らすことだといいます。木や土は自然素材に備わった「吸放湿作用」があり、木綿の肌着を身に着けたような、心地よさを味わえます。自然素材の力で常に体感を心地よく保ちます。人工的な機械や素材はヒトの肌が受け付けないのでしょう。
わたしたちのつくる家はすべてを自然の素材でつくり、住む人の生活に癒やしと心地よさを提供します。
2023年06月10日 Sat
「木組のデザイン」ゼミナールは、今年で20年を迎えます。
3つの講座のうち、「古民家再生講座」は残すところ最終回のみとなりましたが、8月からスタートする「木組講座」「理念・温熱講座」の2講座については、まだお申込みを受付けています。
「木組講座」では、木組の家の作り方について、基本設計から伏図の書き方や模型づくりまでを学ぶことができます。リモート講座ですが、木組の架構を理解しながら軸組模型をつくることで、受講後は実際の家づくりに役立つ、実践力を身につけることができます。
「理論講座」では、第一線で活躍されている建築家の方々に、家づくりの極意を講義していただきます。今年度は、第20期の記念講座として超豪華な建築家のメンバーをお招きしました。
また、「温熱講座」では、パッシブな家づくりについて学び、木組の家でも温熱性能・省エネ性能の向上を目指します。
伝統的な民家をつくってきた大工技術と国土保全につながる木材の循環の仕組みから、省エネルギーにつながる木の家づくりを実践し、みなさんと共に未来へつなげていきたいと思います。
全国の実務者の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
お申込みはこちらをクリック ↓
2023年06月09日 Fri
東京都小平市に建つ元は茅葺きの古民家です。小平一帯を開墾したときの開祖の家が残っていました。広い敷地に建つ古民家ですが、現在は住宅地に囲まれています。
昭和年代には、茅葺き屋根を瓦屋根に変えたと言います。古い架構を改修したので小屋裏が混乱していましたが、床下には大きな丸太の足固めが残っていて丈夫な骨組みであることがわかりました。
小屋裏は二重にして断熱材を入れ、ルーバーで隠しました。屋根裏一面のルーバーが美しいインテリアをつくっています。
建物は出桁造りの関東らしい軒廻り形式です。箕甲付きの入り母屋の屋根は、日本の伝統的な架構で昭和の時代を代表する造りです。天井を外して表した梁も立派で美しい架構です。内部の座敷は床の間のある部屋のみを残しあとは板の間にして北側に大きな開口部を開けて明るくしました。玄関を入ると北側まで抜ける窓が気持ちの良い室内を造ります。
さらに石の上においたままの架構で耐震性能を確保し断熱と気密で温熱性能の向上を目指しました。
耐震補強と断熱材を入れるために柱だけを残す骨組みだけの状態にしました。建主さんは間取りの大きな変更を望まなかったので、架構はそのままとして限界耐力設計法により、足固め貫の耐力要素を加えました。スケルトン改修と言います。
温熱性能の向上は床下を密閉して、約38坪の平屋を第三種換気により床置きエアコン一台で空気の流れをコントロールし温めることにしました。
南側に大きなガラス戸を断熱と気密の良い木製窓に交換して、屋根瓦は既存のまま300ミリの断熱材を挿入し、外壁に外断熱を施し焼き杉板で包み込みました。台所は時代が下がっての増築でしたが、システムキッチンとトイレ周りを新しく現代的にしました。
大きな屋根の下の小屋裏はすべて見えるようにルーバーが並び、丸太の梁組が力強い空間を創りました。
古民家の再生でありながら、大きな木製窓の外観がモダンです。耐震補強でワンルームの室内を実現し外断熱と気密で温熱向上と省エネを実現した事例です。
所在 | 東京都小平市 |
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構造規模 | 木造平屋建 |
敷地面積 | – |
建築面積 | – |
延床面積 | 128.07㎡(387.74坪) |
建築費 | 約7000万円 |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
施工 | キューブワン・ハウジング |
竣工 | 2023年3月 |
構造材 | 古材 |
床板 | 桧 厚15mm |
外部仕上 | 屋根:瓦 外壁:焼杉板 |
断熱材 |
壁:フェノバボード 25mm 屋根:高性能GW 300mm 床・基礎:スタイロフォーム 50mm |
内壁仕上 | 漆喰塗・土壁藁入り |
開口部 |
木製オリジナル建具(ペアガラス) 樹脂サッシ(ペアガラス) |
2023年05月26日 Fri
いつか古民家になる、暖かくて快適な家づくりを目指している松井郁夫です。
今回は出版社をつくったいきさつをお話します。
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事務所開設以来、丈夫で快適な木組の家づくりを続けていますが、28年前の「阪神淡路大震災」の衝撃は大きく私の設計の方向を変えました。
日本の伝統的な木組の家を標榜して多くの家を作り続けいていた頃にドカンと大地震が来たのです。それまで比較的自由な間取りの木の家をつくっていた気軽な気持ちがいっぺんに吹き飛びました。40歳のときです。
日本の家は地震に強いと聞いていたにもかかわらず、多くの建物が倒壊し6434人の人が建物の下敷き人ってなくなりました。丈夫な建物をつくらなければいけないと勉強会に出たりして耐震技術を身に着けようと努力しました。
「これからの木造住宅を考える会」を立ち上げて耐震や防災の専門家の話を聞きました。その時に仲間とまとめた本が「木造住宅【私家版】仕様書」です。おかげさまで28年間ロングセラーを続けていますが、版を重ねるごとにページが増えてかなり重厚な本になってしまいました。
そこでエッセンスだけを取り出してつくったのが「初めての人にもできる!木組の家づくり絵本」です。国土交通省の実大実験にも参加しました。2007年のつくばの実験を皮切りに2008年から2011年の5年間です。
伝統構法の家を試験台の上で揺すってそのデータを元に建築基準法に位置づけるということでした。しかしながら、そこでの知見は法規に記載されたものの満足のいく流れではありませんでした。
6年間に得られた知見を元に「古民家への道」を書いて一般の方や建築関係者に知ってもらおうとしましたが、出版社が軒並み出版不況で出せないというのです。
そこで自費出版を考えましたが、それよりも自分で出版社を持つことを選びました。これからも多くの本が出したいからです。それが「ウエルパイン書店」です。
ご存知のようにウエルは井戸パインは松ですから井松書店です。(笑)
おかげさまで4年経ちましたが6冊の本が出版できました。うち2冊は写真集です。全国大工職人を取材したキンドル版もあります。「日本列島・伝統構法の旅」です。
関連の講演会も増えて今のところ売れゆきを伸ばしています。アマゾンでも買えますからどうぞポチしてください。
2023年05月06日 Sat
美しくあたたかい住まいをつくりたいと願っている松井郁夫です。
前回のコラムの続きをお送りします。「設計者と職人の協働」についてです。
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古くてあたらしい問題ですが「設計者」と「職人」はなかなか仲良く協働できない悩みがあります。
古くから日本独自の伝統技術を引き継いできた「職人」の流れと明治時代に入ってきた「西洋建築」の流れにある「設計者」は水と油かもしれません。
「地震」や「台風」などの自然災害に対して日本の伝統的な建築技術は力で抑え込むのではなく自然に逆らわず受け流す考えかたです。一方西洋の考え方は自然を征服するという指向で力で抑え込む考え方です。
自然災害の常襲地域である日本列島で生まれた思想と硬い岩盤を持つヨーロッパ大陸のとの違いでしょうか?
日本の「木組」の技術はヨーロッパの「石組」のような「剛構造」ではなく、力をいなす「柳に風」の指向です。長い歴史の中で未曾有の災害には受け流すほうが良いと判断したのでしょう。
なので日本な大工と西洋の教育を受けた設計者は建物の構造の考え方のところでまずぶつかります。
木組を指向する大工の考え方は木の「めり込み」や「靭性」を生かした「減衰設計」ですが、構造設計者は木を均一な材料として捉え「強度設計」で建物を考えています。これでは意見が合わずに仲良く仕事はできません。
昨日も能登半島で震度6強の地震がありましたが、「強度設計」を指向する構造設計者は、これでまた建物の「強度」を上げる傾向をつよくすると思います。
わたしたち「木の特性」を知る設計者は、予断なく今後の動向に注目したいと思います。
2023年05月03日 Wed
「鶴見の古民家再生」3年の歳月をかけて竣工いたしました。
設計契約はコロナ禍の最中でメールでのやりとりで受注しました。
建物は「関東大震災」で被災した後に修復してちょうど100年経過しました。
今回これから100年の命をつなぐために再生工事を行いました。
平屋の建物が古民家と呼べる石場建ての架構で建てられていましたので、再生計画は石場建てのまま「限界耐力計算法」という「超高層ビル」に採用されている「減衰設計」で力をいなす計算方法を採用しました。
「耐震補強」をするためと「温熱性能向上」のために建物を「骨組」にまで裸にして断熱材を充填したり外張りに付加断熱したりして「スケルトン改修」を行いました。
昭和に増築した二階部分は「大壁」のままですが、平屋は柱梁の見える「真壁」の和風です。
最新の設備を装着して「むかしといまをみらいにつなぐ」再生となりました。
わたしたちは「古民家のみらい」を創る仕事を得意にしています。
まずは竣工写真をご覧ください。
ブログ | プロジェクトレポート | 鶴見の古民家再生
2023年04月25日 Tue
美しくて暖かい家をつくりたいと考えている松井郁夫です。
今回は「設計者」と「職人」との協働について考えてみました。
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古くて新しい問題ですが、設計者と職人の協働はなかなかうまくいきません。
「口は出すけれどお金は出さない」という「設計者」は「職人」に嫌われています。
現場で何度も変更して平気な「設計者」はもっと嫌われます。
だいたい「職人仕事」に理解がないように思われています。
それもそのはず「職人言葉」の分からない「設計者」が多いのです。
なぜなら学校では建築設計を習っていても大工職人の仕事は習いません。
明治以来、西洋の建築学の教育を受けてきているので、日本の家づくりに縁が浅いのです。本来は日本建築の源流である「民家」から学んでいなければならないのですが。
文明開化当時の日本は「西欧化」を急ぐあまり海外の技術を取り込む教育に舵を切りました。あまりにも身近で普通であったために、それまでの大工職人の技術を積極的に評価しようとしてこなかったのです。
日本の大学の建築教育では大工に教えを乞うことはしないで外国から建築家をまねいて市庁舎や学校を建てました。
それでも大工職人は古くからの技術を「徒弟」の社会で口伝により最近まで手仕事の技術として生きてきました。いまではその「徒弟制度」もなくなり「プレカット」という機械が木材を刻む時代になりました。
ますます「設計者と職人の協働」の機会は減りました。いずれは「設計者」も「職人」もいなくなるかもしれません。
すでに「2001年宇宙への旅」に描かれたコンピュータの「ハル」が生活を支配する時代が来ているのでしょう。AIが人の質問に答える「チャットGTP」の時代ですから…。
「設計者と職人の協働」によって「豊かな住まいをつくろう!」という話をしようとしていましたが何やらあらぬ方に矛先が向かいました……(汗) 続きは後ほど…