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2023年02月12日 Sun

コラム「農村都市構想」

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わたしたちの暮らしは「空間」によって決まると思います。

豊かな空間に暮らすかどうかによって、幸福度も変わる気がします。

今回は都市空間の「農」化について書きました。

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19世紀の産業革命後のイギリスでは、都市化による生活空間の荒廃を嘆いたハワードによって「田園都市構想」が提唱されたことがあります。

日本でも住宅公団による郊外の住宅団地計画は、田園都市構想の影響を受けていたといえます。

最近では、気候変動の危機的状況から都市生活の価値観も変わって「農村都市構想」ということが言われ、都市に「農」を持ち込む「都市型農園」が提唱されています。

ギャラリー「間」では「How is Life?」という展示会が開催されています。

サブタイトルはー地球と生きるためのデザインーとあります。

この展示では、現在の暮らしによって、これ以上環境破壊を進めないために負荷を低減する行動に切り替え、「成長なき繁栄」も検討すべきだと訴えています。

建築的営為が人々の暮らしに奉仕するならば、生産ー消費ー廃棄の反復から抜け出さなくてはいけないということです。

それには建物を構法から素材、暮らしまでを自然のままを受け入れることを提案しています。建築展というより民俗学的な展示ですが、空間の視点を超えた共感があります。

2022年10月21日から2023年3月19日までの長い展示です。お時間のある方は是非!

https://jp.toto.com/gallerma/

「まちを変える都市型農村」という本もお薦めです。