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2023年02月27日 Mon

コラム「変わらない理念」を持つ

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住まいの設計を通して「家族のしあわせ」を実現したいと望んでいる松井郁夫です。

本日は、日頃から考えている「普遍性=変わらない理念」について書きたいと思います。

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短い俳句の中にも「不易と流行」が必要だと説いたのは、俳人・松尾芭蕉です。

「不易」とは「変わらないもの」「流行」とは「流れゆき変わるもの」と解釈されています。

建物にも「流行」があります。時代の流れに沿って変わってゆくものです。

現代の設計者の傾向としては、この流行(はやり)廃(すたり)が最大の関心事のようです。

しかし「流行」を取り込んだとしても、それは技術的なことで、時代を超えて変わらない「理念」が伴うことが必須です。

建築の目的は、デザインする設計者の作品性ではなく、人々が生活し、まなび、遊ぶ場を提供することです。人々の健康や快適性を求め、幸福を実現することだと思います。

さらに環境に対する配慮が必要です。エネルギーの消費や排出量を抑え、CO2の削減を図ることです。エネルギー効率の良い建物を目差し、再生エネルギーを活用し、廃棄物の削減が求められます。

社会や文化に対する取り組みも必要です。人々の共生や格差のない社会の実現や、歴史文化の継承は、要求がなくても取り込む責任があります。

設計者は単なるデザイナーではなく「社会的責任」を負う「理念」を持つべき「仕事」だと思うのです。

写真は、私が敬愛する都市計画家で、世界中の難民問題に取り組み「日本ボラティアセンター」の設立に尽力した「岩崎駿介」さんの著書です。

もういくつか原発事故がおきないと人々は手を結ばないだろうという絵です。地球人としての自覚を問いかけた思想の本です。

現在84歳で自宅と息子さんの家を自力建設しており、FBで毎日精力的なコメントを世界向けて発信しています。

地球規模の「変わらない理念」に毎回感服しております。