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2022年12月10日 Sat

コラム「名編集長 故・土松三名夫さんのこと」

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みなさんこんにちは、いつか古民家になるような丈夫で美しい木組みの家をつくりたいと想い続けている松井郁夫です。
このコラム欄では、日々の設計から考える家づくりのことや環境問題のことなどを綴っています。

今回は、お世話になった編集者「故・土松三名夫さん」について描きます。

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「君にやってることは大切なんだよ!」と言って建築出版社老舗、彰国社の編集長が声をかけてくださったのは24年前の1998年ことです。

その年の季刊誌ディテールという建築雑誌138号に「木組の家」を2題とりあげていただきました。その彰国社の編集長「土松三名夫」さんが亡くなったことを最近、友人のFBで知りました。

2004年には、わたくしの初めての単行本「木組の家に住みたい!」を編集していただきました。

本を出版することを知らない設計者に、何度も編集室に呼んでくれて、文章を入れ替えたり、文字の校正を繰り返し何度も指導してくれました。

あまりの頻度の多さに、こちらが辟易した時には「本は縦横の糸を編むようにつくるから、編集と言うんだよ」と優しく諭してくれました。

その根気強さのおかげで、「木組の家に住みたい!」は6版を重ねロングセラーを続けております。

また、文章が読みやすいせいか、中学校の国語の試験問題にも採用されました。

土松さんには、書道の趣味があって、都立美術館にその作品を見に行ったこともあります。わたくしも書道は「若越書道会」3段の免許を持っているので話が合いました。

わたくしが現在「ウエルパイン書店」という出版社を設立できたのも、土松さんから本の編集について教わったおかげだと思います。

今になって、もっともっと本の編集について相談できたらよかったのにと悔やまれます。

退職されてから連絡が取れなかったので、突然の訃報に驚いております。

大変お世話になりありがとうございました。

どうぞごゆっくりお休みください…合掌…。

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