2012年09月18日 Tue
「朝霞の家」お住まい見学会は大盛況でした。
お住まいの様子を拝見させていただく見学会は今回が初めてでしたが、
参加された皆様は「”木組みの家の実際の住み心地”を聞くことができて良かった」と満足されていました。
「き」組メンバーの高野さんもお越しになりました。
建主さんのご理解とご協力に感謝致します。ありがとうございました。
また、この日は1年点検も実施しました。
建具の建てつけなど、木の収縮によって出るズレなど、 渡辺棟梁がすぐに補修しました。
「き」組の家は長寿命です。 家と共に、アフターメンテナンスも永くお付き合いさせていただきます。
2012年09月04日 Tue
施工のキューブワン・ハウジング白鳥さんと一緒にお伺いして、一年点検を行いました。
温熱の点検も行いましたが、漆喰と無垢の木の調温湿効果で室内は涼しく、
風通しもよいので、今年の夏も快適に過ごしていらっしゃるそうです。
木組みの家は長寿命です。これからも大切に住んでいただければと思います。
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2012年08月23日 Thu
埼玉県「朝霞の家」が、竣工して一年になりました。
「朝霞の家」は、L字に長いバルコニーや、望楼のような方形屋根の寝室、さらに耐震の工夫など、ユニークな木組みの家です。
この度建主さんのご厚意でお住まいのご様子を見学させていただけることとなりました。
無垢の木と漆喰の家の、実際の住み心地をご覧になれる貴重な機会です。
好評につき定員に達しましたので、募集を締め切りさせていただきました。
次回「お住まい見学会」開催のご案内は当ホームページへの掲載と、
「き」組住まい手会員にご登録(無料)の方にメールでお知らせします。
2012年08月21日 Tue
「高円寺の家」の吹抜です。
狭小地でも光が回るよう、大きな窓を開けました。
夏の西日対策として遠赤外線を反射するLow-Eガラスをつかっています。
準耐火建築物になっても、継手仕口が見える木組みの家です。
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2012年08月21日 Tue
ちいさなちいさな改修工事をしました。
ドアと古いガラスブロックを取り外して、新しい窓を付けました。
明るくて風の通る窓です。
2012年08月06日 Mon
2008年に竣工した「越美文化研究所」は、
越後と美濃の歴史文化をつなぐ拠点としてセミナーを開催しています。
「いとしろ-境界を超えて-」と題し、石徹白の歴史を掘り起こします。
お申込み方法など、詳しくは下記のPDFをご覧下さい。
2012年07月30日 Mon
「数寄屋大工-美を創造する匠-」と題した展示が、東陽町駅の竹中工務店東京本店で開催されます。
実物大の茶室構造模型をはじめ、銘木、土壁、建具など、職人がつくった美しく繊細な制作物、
あるいは名工が用いた 道具や図面など約150点の資料を紹介しています。
神戸と名古屋にも巡回予定ですので、お近くにお越しの際にはお立ち寄りください。
2012年07月26日 Thu
「高円寺の家」に東京都都市整備局の方々がお見えになりました。新防火地区に建つ、無垢の木の家をじっくり見ていかれました。
準耐火建築物になっても、無垢の木をあらわしにできる木組みの家として、注目を集めています。
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2012年07月17日 Tue
「高円寺の家」が上棟しました。
当日は見学会が開催され、たくさんの方がお見えになりました。
新防火地区に建つ木組みの家ということで、 林野庁の方や、雑誌取材、建築のプロの方が多く参加されました。
キューブワン・ハウジングの佐々木棟梁率いる職人さんたちが、 手際よく、見事に上棟させました。
上棟おめでとうございます。
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2012年07月10日 Tue
高円寺の住宅密集地の新防火地区に、木組みの家が上棟します。
桜設計集団・安井昇氏の監修、燃えしろ設計による木造住宅です。骨太の国産・無垢の木を職人の手で刻み、
金物に頼らず組上げる建方は、木組みの家づくりの最大の見せ場です。大きな地震にも粘り強くしなやかに耐えるために、
伝統の「足固め」と「貫」構法を採用しています。また、太陽光発電を災害時の予備電源として設置します。
民家に学んだ、これからの日本の家を見に来ませんか?
上棟見学会は、上棟したばかりの木組みの 骨組みをご覧いただける貴重な機会です。
ぜひお誘い合わせの上お越しください。
皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。
松井郁夫建築設計事務所
165-0023 東京都中野区江原町1-46-12江原ジュールカースル203
電話:03-3951-0703 FAX:03-5996-1370
メール:ok@matsui-ikuo.jp
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2012年06月21日 Thu
「所沢の家2」が完成します。
建主さんのご厚意で、2012年6月23日(土)11:00~16:00に
完成内覧会を開催させていただけることになりました。
小さな建物の随所にしつらえた、光を運ぶための工夫が、
広がりと彩りある豊かな空間を生みました。
天然乾燥の無垢の木は、何年経っても樹の香りがします
ひとつひとつ手でつくる家はずっと先の未来まで、
住む人も訪れる人も、みんなが居心地よい住まいです。
「き」組がつくる、これからの日本の家を、
どうぞこの機会に御高覧ください。
お申し込みは、下記までご連絡ください。
みなさまのお越しをお待ちしております。
一般社団法人ワークショップ「き」組事務局(松井郁夫建築設計事務所内)
165-0023 東京都中野区江原町1-46-12江原ジュールカースル203
電話:03-3951-0703 FAX:03-5996-1370 メール:info@kigumi.jp
2012年06月13日 Wed
「高円寺の家」の材木検査に、静岡県の天竜に行きました。
材を一本ずつ出してもらい、含水率、割れや節などを全てチェックしました。
キューブワンの佐々木棟梁にも同行してもらい、良い材を選ぶことができました。
これから手刻みが始まり、7月14日に上棟します。
見学会を行いますので、みなさまどうぞお運び下さい。
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2012年05月31日 Thu
土地の神様を鎮める地鎮祭を執り行いました。
この日は直前まで雨が降っていましたが、 式がはじまると、きれいに陽が差しました。
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2012年05月01日 Tue
著=松井郁夫 / 出版社=彰国社 / 2004年 / 1,600円
木の家を建てたいと思うすべての方に 読んでいただきたい「木組みの家」づくり入門書です。
この国で木の家と言えば無垢の木材を組み上げた 本格的な伝統構法の「木組みの家」です。 「木組みの家」とは、伝統の技を現代に生かし、 未来につなげる、大工職人による手作りの家です。 この本は、「木組みの家」というものがいかに住みやすく、 地球環境にやさしい、循環型で長寿命の家かを 分かりやすく解説したものです。
目次
第一章 いまなぜ「木組みの家」なのか
今の住まいができるまで/家は消費するもの?/量の時代は終わった/長く住み継ぐ家/ 真の豊かさとは/家づくりのいろいろ/伝統構法の見直し
第二章 知っておきたい木の話
いま日本の山が危ない/木は呼吸する素材/家はもうひとつの森林/木は循環する素材/ 木のくせを読む/木の変形と乾燥
第三章 大工職人の話
大工職人のいま/大工職人のむかし/大工職人は文化の継承者/大工職人のこれから/ 住まい手と山と大工職人を結ぶネットワーク/近くの山を使う
第四章 木組みの家づくり入門
木組みの家づくりとは何か/長く住める間取りと骨組/知っておきたい民家の知恵と工夫/ 気候風土に適した家づくり
第五章 木組みの家づくりの流れ
敷地を読む/地盤を知る/基礎はベタ基礎が丈夫/土台は必要か/足固めという縁の下の力持ち/ 壁は粘り強い貫でつくる/杉の通し柱は五寸角から/木と木は組んで使う/スタンダードな木組みを目指す/ 間取りよりも架構と骨組みから先に考える/門型フレームのすすめ/床は厚板が心地よい/ 天井は張らなくてもよい/内壁は自然素材に限る/外壁は泥と板がおすすめ
第六章 これからの木組みの家
夏涼しく冬暖かい家は、断熱と風通しから/軒は深く出す/縁側は温熱のコントロール空間/ 屋根は断熱と通気が大切/子供にとって自然素材ほど大切なものはない
第七章 木組みの家づくり実践
家づくり成功の秘訣/現場との付合い方/見積りはバランスが大切/適正価格のコスト=ガラス張りの見積り/ 手仕事は住まい手を癒す/住んでいる家に聞く/間違いやすい普請道楽と旦那場
第八章 新しい仕組づくり
顔の見える関係づくり/”職人がつくる木の家ネット”の発足/”ワークショップ「き」組”という考え方
2012年04月25日 Wed
松井郁夫・小林一元・宮越喜彦=共著 / 出版社=エクスナレッジ / 2002年 / 2,800円
住宅実務者のための必携の書。 本格的な木組みの家づくりを学ぶ、 究極の1冊
本の帯に紹介されているように、 実際の現場にかかわる方むけの実用本です。 無垢の木材を組み上げる本格的な伝統構法の 「木組みの家」の仕様を細かく説明しています。
今や設計者、施工者のバイブルといわれています。
目次
序文 いまなぜ「木造住宅[私家版]仕様書」なのか
家づくりの基礎知識
木の知識 木の特性を知る/木の適材適所を知る/川上から川下を知る
架構と間取りの知識 長寿命の架構を考える/架構のデザインを学ぶ/架構の多様性を知る
木造住宅【私家版】仕様書
【私家版】仕様書一覧 地盤/基礎/土台/柱/耐力壁/床組/水平構面/小屋組
【私家版】流現場監理術
「現場監理」 木造住宅の現場監理のコツ 基礎設計のチェック/木の手配のチェック/木ごしらえのチェック/墨付け・刻みのチェック/地縄張り・水盛り遣り方のチェック/基礎コンクリート打設前後のチェック/関連工事のチェック/土台据付け時のチェック/建て方・建て入れ時のチェック/上棟前後のチェック
【私家版】の家
門型架構の家/門型架構のコートハウス/2本の丸太梁でつくる3間角の家/人に優しい産直材と土壁の家/登り梁の居間空間をもつ土壁の家/5寸角による木の家 資料・関連データー集
2012年04月14日 Sat
高円寺の商店街からほど近い住宅地に、木組みの家が建ちます。
敷地は住宅密集地で、東京都の条例で指定された「新防火地区」です。
太い材を使った「燃えしろ設計」によって、床も梁も天井にも木がみえる、
準耐火構造の木組みの家をつくります。
1:50模型をつくりました。
20坪の小さな木組みの準耐火建築物です。
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2012年04月01日 Sun
著=松井郁夫 / 出版社=農山漁村文化協会(百の知恵双書) / 2008年 / 2,800円
「木組み」でつくる日本の家 むかしといまを未来につなぐ家づくり 財団法人・住宅保障機構の機関紙「住宅保障だより」に 2年間にわたり連載していた【「木組」でつくる日本の家】が読みやすい単行本になりました!
農文協から出版されている「百の知恵双書」の一冊として 発刊しました! 再編集の労を担って頂いたのは松井の旧友、真鍋弘さん です。真鍋さんが寄せてくれた言葉を添えました。 みなさんも書店で手にとってご覧下さい。
「新建材で覆い尽くされ、 30年そこそこでゴミにされてしまう 国籍不明の今どきの日本の住まい。 かつて日本の家は近くの山の木を使い、 大工が木と木を組んで丈夫な架構の 長寿命の家をつくっていた。 それが美しい町並みの景観となっていた。 古民家の骨組みはどのように合理的なのか。 開放的で耐震的な家づくりの秘密はどこにあるのか。 気候風土に根ざした長寿命の家づくりとはどんな家づくりのことか。 古民家に学んだ家をつくることが、山と職人と住まい手をつなげ、 荒れた日本の山々を再生させることにつながる。 これからの「日本の家」づくりのありかたを伝える実践の書。」
目次
第1章「木組み」が支えた日本の家
民家の木組みに学ぶ/合理的な古民家の架構/開放的で耐震的な家づくり 水と火と木造住宅/豪雪地帯の町屋再生/「日本の家」を取り戻そう
第2章「木組みの家」づくりと設計者
家づくりと設計者の役割/気候風土に根ざした家/家づくりと地域景観/「こだわり」の整理学/設計者の小さなメディア
第3章 住まい手と山と職人をつなぐ
家づくりを山づくりにつなげる/ワークショップ「き」組の家づくり/木組みは人組み-「木組み」でつくる日本の家
2012年03月23日 Fri
●居住歴 3年9ヶ月 ●家族構成 ご主人(40代)・奥様(40代)・お子様(5歳と2歳)
私の祖父が大工で、幼い頃から家作りを感じられる雰囲気の中で遊んでいました。実家も祖父が建てた家。そんな記憶があるからか、自然と木組みの家 がいいなあと思っていました。結婚後、家を建てたいと思っていましたが、住宅展示場を見学しても、自分の心に刺さるものがなかったんです。
「木組みの家がいいな」という思いは持っていました。インターネットで松井さんのホームページとブログを拝見し、それが自分の印象と合っていたの が始まりです。そして、松井さんの著書『「木組の家」に住みたい!-無垢の木で丈夫な家づくり』を読んで同感しました。
事前に松井さんの本を読んで見学会に足を運びました。すごく心が落ち着きましたね。実際に私たちが家を建てるまでに、松井さんが建てた家を5件くらい見て回りました。土地を決めていなかったので、土地が見つかればお願いするつもりでいました。木組みで、しかも漆喰の壁、職人が建てたというところに大きく惹かれました。
構造見学会へ何件か伺ったとき、職人の人たちと触れる機会がありました。言葉を交わすうちに「この人たちなら、心から信頼できる、安心して任せら れる」と感じました。 私たちの家は、建前から5ヶ月かけて完成した家です。長い時間をかけて作ってくれたと思います。私たちも足しげく通ったからでしょうか、ゆっくり じっくり、一緒に手間をかけて出来ました。 松井さんの図面はとても細かいんですよ。そこに工務店さんが細かく書き加えていく。さらに職人さんが手を加えていく。関わる人の想いが込められた図面だと感動しました。
空間が心地いいです。杉の床板は、冬場でも暖かく、やわらかい。冬でも裸足で過ごしています。床も傷つくことを前提に承知の上で取り入れましたか ら。白の漆喰の壁もいいですよ、過ごしていて安心感があります。 林に張りだしたデッキで、子どもたちが1日中遊んでいます。デッキからの見晴らしも最高。鳥たちが飛んでくると「どんな鳥かな?」と知りたくなる。 自然と一体化して過ごしている気持ちになります。
家作りに関わるようになってから、自然環境を気にかけるようになりました。林業への関心も高くなりましたね。この家の材木は徳島の木を使っていま す。建てる前に徳島へも行きました。どんな素材が使われるかをこの目で確かめたいと思ったからです。日本で建てるなら日本の木を使いたい。ごく当 たり前のことですが今の日本の住宅では実は大変なことなんですね。
母親は「木組みの、こういう家が一番いいね」としみじみ話してくれました。家に来られる方は皆、「木の匂いがする、安心するわ」と言ってくれます。
40年、50年先まで住み続けられる家にしたいと思っていました。木組みの家はそんな家です。松井さんは、長く住める家作りが分かっている方。そ れを考慮した設計になっています。大黒柱を入れると、住まいがダイナミックになります。希望している方にはたまらないでしょう。利便性だけではな く、日本の材木を残し、職人の技が残せる家づくりであってほしいと思います。
2012年03月08日 Thu
●居住歴 1年 ●家族構成 独り暮らし(50代)
松井先生に依頼して、自分が育った家を建て替えたのが14年前のこと。その家から徒歩15分ほどのところに兄が住んでいました。もともとは母方の祖父母の家で、築75年ほどの古い家です。兄が亡くなり、私が受け継いで建て替えることになりました。当初は古家の再生を希望していたのですが、構造上の問題があり新築することになりました。
民家園を見て気持ちが変わったのと同時に、木組みの家の耐震性の強さを本で知りました。それを機に読むようになった建築雑誌に松井先生の連載があり、興味をもちました。しかし連絡先が分からず、他の建築家を訪ねました。でも「何かが違う」と思ってばかり。その頃にようやく松井先生の連絡先が分かり、施工された家を見学に行きました。
自分が望んだ通りの木組みの家を建ててくれると感じだからです。木の相性を考え、漆喰や土壁など、昔の知恵に基づいた家づくりをしてくれる方です。ざっくばらんで、気も合いました。これはご縁でしょうね。当初、私の母は疑心暗鬼でしたが、松井先生が建てた他の家を見学して気持ちがすぐに変化し「大らかで骨太な、良い家ね」と賛成してくれました。
1軒目の家が住んでいて飽きない家だったので、安心して任せられると思いました。柱などの木の色が変化していき、その一方で木の香りはいまだに残っている。空間づくりも上手で、居心地が良い。そうした松井先生の家の良さを十分に感じていたからでしょうね。亡くなった母がお茶の先生だったので、私も少し茶道をやります。そのため、茶室のある家を希望しました。
棟梁と、若い大工さんが組んで仕事をしていたのですが、その光景が微笑ましかったです。若い人も次世代を担う職人として修行しており、すごく丁寧に仕事をしてくれました。将来、こういう若い方が腕前を発揮できるような住宅業界であってほしいです。
空間が大らかなので、自分の気持ちも大らかに、落ち着いて過ごせます。以前に住んでいたハウスメーカーの家は、箱のような四角の家。空間が断絶され、独立した個室が続く家だったので狭く感じました。しかし鶴見の家Ⅰ・Ⅱのどちらとも、扉は全て引き戸なので、開け放つと空間を大きく使えます。家の中をぐるりと一周できるのもポイントですよ。家の使い方が変わりました。
西欧において、自然とは敵対し押さえつけるもの。そのため、石造りの頑丈な家が多いのだと思います。日本にもそういう家が増えましたが、松井先生の家は、自然と調和し共存する家です。これは、日本古来の考え方も合っています。阪神大震災以降、木造は良くないという風潮がありました。しかし実際には、丁寧に建て、メンテナンスが行き届いた家は、柳に風のごとく、揺れに強いと思います。
家を建てている期間にも、近所の人が見に来ましたし、見学会にもいらっしゃいました。「今でも、昔の知恵が生きている家を建てることができるんだ!」と驚かれます。「こういう家づくりを知っていたら良かったのに」と、ご自分の家づくりを後悔される方もいました。
ハウスメーカーが建てた家に20年以上住んでいましたが、大した思い入れもありませんでした。取り壊す様子を見ていても何の感情も湧かず、「これでいいのか」と考えました。しかし、松井先生に建てていただいた家にはすでに愛着があります。家族の思い出は、家と共に残るものですから、慎重に選んで欲しいですね。しかし木組みの家を望んでも、松井先生にたどりつくのは容易ではありません。ですが、家は高価なものですから、誰に建ててもらうかを、じっくり選んだ方がいいと思います。
2012年03月01日 Thu
松井郁夫・小林一元・宮越喜彦=共著 / 出版社=エクスナレッジ / 2008年 / 3,800円税別
日本の伝統的な木組みの家づくりを詳細に解説した実務書、木造住宅「私家版」仕様書が架構編に仕上げ編と現場編を加えて帰ってきました。
日本の気候風土に根差した伝統構法でつくる長寿命の家づくりを丁寧に解説しています。
これから木組みの家を造りたいと考えている実務者の方にはもちろん、無垢の国産材で、長寿命の家がほしいと考える「住まい手」の方にもお勧めです。
初版発売より13年の時を経て、国土交通省も見直し始めた伝統の木組みをさらにスキルアップした内容でお届けします。
この仕様書に則って造られた【ワークショップ「き」組の家】は、第二回「超長期住宅先導的モデル」として選定を受けたばかりです。「200年住宅ビジョン」に合致する内容を盛り込んだ、究極の木組の家づくり図鑑をどうぞお手元に。
目次
序文
コンプリート版刊行にあたって/まえがき/[現場監理]フローチャート×チェックシート/[私家版]仕様書一覧/序文 | 今なぜ、『木造住宅[私家版]仕様書』か
第1章 丈夫で長持ち 家づくりの基礎知識
家づくりに必要な木の知識 木の特性を知る/木の適材適所を知る/川上から川下を知る
家づくりに大切な架構と間取りの知識 長寿命の架構を考える/架構のデザインを学ぶ/架構の多様性を知る
第2章 木造住宅【私家版】仕様書 架構編
【私家版】仕様書一覧 地盤/基礎/土台/柱/耐力壁/床組/水平構面/小屋組
第3章 【私家版】流現場監理術
木造住宅の現場監理のコツ
[現場管理]チェックポイント
基礎設計のチェック/木の手配のチェック/木ごしらえのチェック/墨付け・刻みのチェック/地縄張り・水盛り遣り方のチェック/基礎コンクリート打設前後のチェック/関連工事のチェック/土台据付け時のチェック/建て方・建て入れ時のチェック/上棟前後のチェック
禁じ手
継手位置を揃える/短材で継ぐ/捨てコンを省く/アンカーの田植え/基礎の穴あけ/継手にアンカー/乗せ掛け2階根太/火打梁近くの継手
第4章 木造住宅【私家版】仕様書 仕上げ編/外部
葺く | 屋根
屋根の仕様は性能から決める/屋根下地・下葺きの種類と選定/瓦の種類と選定/瓦屋根の葺き方/金属屋根の葺き方/[私家版]流現場監理術1 | 屋根工事
張る | 板/外壁
見直したい板張りの外壁/板壁の下地のつくり方/断熱材の入れ方/堅羽目板の張り方/下見板の張り方/板の継手の納め方/開口部周りの納まり[木製建具]/開口部周りの納まり[アルミサッシ]/出隅の納まり/入隅の納まり/軒廻りの納まり/腰廻りの納まり/裾廻りの納まり/[私家版]流現場監理術2 | 外壁板張り工事
塗る | 外壁/内部
風景のなかの左官仕上げ/左官の下地/左官の仕上げ/[私家版]流現場監理術3 | 左官工事
第5章 木造住宅【私家版】仕様書 仕上げ編/内部
張る | 板
呼吸する材料=ムク材を室内に/天井下地のつくり方/天井板の張り方/天井板の納まり/内部板壁の下地のつくり方/内部板壁の張り方/内部板壁の納まり/[私家版]流現場監理術4 | 内部板張り工事
敷く | 畳
第6章 事例に見る【私家版】木組みの家
4間×4間の門型架構[葛西の家]/「せがい造り」の和風住宅[検見川の家]/せがいの家/大屋根の家/田の字間取りの土壁の家/棟持ち柱のある板壁の家
プロジェクトレポート