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2024年03月03日 Sun

「真の文化の伝承者は職人である」白鷹幸伯

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日本の伝統を今に伝えみらいにつなごうと考えている松井郁夫です。

今回は文化の伝承者について描きました。

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法隆寺の大工であった故西岡常一さんとともに活躍した野鍛冶の白鷹幸伯が言っていた言葉が最近また耳に響いてきました。

いわく「真の文化の伝承者は職人である」「文化の伝承は大学の研究者や設計者のものではない」「むかしから受け継いできた伝統を無心に作る職人こそが真の伝承者である」ただし「職人は社会を俯瞰できないから自らの地位を知らない」

また民藝運動の発足時に書かれた「趣意書」に柳宗悦は「民芸には純粋な日本の世界があります。

外来の手法に陥らず、他国の模倣に終わらず、全てをこの国の自然と伝統から汲んで日本の存在を鮮やかに示しています。

おそらく美しさにおいても日本の独創性を顕著に示しているのは各地に残る民芸でしょう。

「民芸」には実用の美を見ることが出来ます。古い「民芸」の前に立つと、無名の職人たちの声が聞こえるようです。(中略)

わたしたちはながらく日本の工芸の本質が「民芸」を貫いてきたにも関わらず、あまりにも普通で身近なものとして気づかずにいました」

私はいま「職・人新世の時代」が来ていると感じています。

ものづくりの世界が手仕事を離れてデジタルに移行したいまこそ、手仕事の大切さを知るときではないでしょうか?

幸いなことに若い職人の中にはデジタル時代を生き抜く「技能」と「技術」を兼ね備えた新人類が出現してきました。

彼らに共通のことは、すでに職人の修行の中で「伝統技術」を身に着けている上に企画や設計までもこなしていることです。

SNSを駆使して自らの情報発信にも長けています。手仕事のできる設計者です。

彼らこそが「真の日本の文化」を担ってくれることに期待します。