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2024年06月19日 Wed

「日本を住む」ということ

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毎回の設計依頼に繰り返し悩んでしまう松井郁夫です。

今日のお話は先日のテーマである「これからの木の家」について想うところを描きました。

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不惑を過ぎた身でありながら、設計依頼がきたときは毎回「住む」って何だろうと惑います。

ご依頼に見える方はそれぞれに「住まい」について想いがあり、夢を語ってくれますから、設計者はその夢の実現のために奔走します。

暮らしやすい間取りをどう実現するか、家族構成と要望をお聞きし、家族団欒の空間を考え、敷地を読み込み、災害に強い構造を考え、素材を活かすことや美しい仕上げを心がけます。

豊かな暮らしを実現するためには「自然素材」に包まれた家が良いでしょう。さらに快適に暮らすには設備にも気を配ります。

そして何よりも「日本を住む」ということを考えることです。

日本ほど「自然災害」の多い国はありません。「地震」「台風」はもちろん最近では異常気象で「豪雨」も頻繁に日本列島を襲います。

地球沸騰化の時代「脱炭素」は当たり前です。そのために省エネルギーを実践すべく木の家でも「断熱気密」は必須となりました。

また日本の伝統構法である「木組」も大切にしてさまざまな「災害」を凌ぐ家を造らなければなりません。

「山を守り、職人技術を継承すること」も課題です。

「造り手」である設計者や職人には将来を見越した発想と実践が求められます。

昨今の物価の高騰や人手不足という現実の中でどう夢を実現してゆくか実力が試されます。

今日あたらしい「住まい手」の方がこれからお見えになります。まずはじっくりとお話をお聞きしたいと思います。