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2016年05月26日 Thu

「吉祥寺の家4」が始まります

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玄関側は二階がせり出しています

玄関側は二階がせり出す「せがい造り」です

バルコニー側

南側はバルコニーと木製引込戸が見所

「阿佐ヶ谷の家」に続き、「吉祥寺の家4」が始まりました。
吉祥寺にはご縁があって4軒目となりますが、中央線沿いの建主さんが内覧会で集まるなど、楽しいつながりができています。

「吉祥寺の家4」は、玄関を入って、シューズクローゼット、パントリー、壁に本棚、二階に納戸と、
収納を沢山もうけたので、居間に物の出てこないすっきりとした暮らしができそうです。

 

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玄関から一本力桁階段が、チラリ

2016年05月23日 Mon

「阿佐ヶ谷の家」足場が外れました

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焼杉板の外観がお目見えです!

焼杉板の外観がお目見えです!


吊り階段

「吊り階段」リビングも内覧会でお披露目です

「阿佐ヶ谷の家」足場が外れ、
ドドーンとお目見えです。

焼杉板とモルタルのコントラストが特徴です。
本棚の壁が楽しみですね!

 

本棚の壁が並びます

西側の全面本棚をお掃除中の棟梁

2016年6月25日(土)

完成内覧会を予定しています。
詳細が決まりましたら、またお知らせいたします。

2016年05月12日 Thu

繰り返す地震に耐えるには?

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熊本の地震から1か月がたちました。震災で亡くなられた方々の、ご冥福をお祈りいたします。

今回の地震は、震度7の揺れが2度3度と襲ってくるばかりか、余震が連続して起こる、これまでに例のない災害となりました。

県民の象徴である、熊本城の惨状は目を覆うものがあります。いまだ納まらない余震の中で、避難生活を送られている方々の苦労は、計り知れません。

このように繰り返し揺らされるという想定のない、現行の建築基準法にとっても課題の多い地震です。

現行の金物で止めつける耐震の方法では、震度7の地震に一度だけ耐えることが想定ですから、今回のように何度も揺らされては、強度を増すために使用したはずの金物が木材を壊しかねません。

そこで早速、強い揺れにも耐えるように、現行耐震基準の強度を増した法規にするべきとの声があがっています。より耐震強度を上げて地震に対抗しようという方向です。

はたして、そうでしょうか?

今後も想定できない自然の猛威に、さらに抵抗することは可能でしょうか?建物の強度をどんどん上げることで、さらに地震の入力が増しますから、いたちごっこです。

では、わたしたちの先人たちは、この地震大国でどのように地震に対処してきたのでしょう。どうやら現在と違った独自の地震対策を行ってきたようです。

それは、自然の猛威に対して抵抗するのではなく、受け流す方法です。

むかしからの伝統的な木組の家には、壁の中に貫が入っていて、木のめり込みを利用して、大きく変形しても粘り強く崩壊しない壁を造っていました。また、継手・仕口という接合部は、揺れを摩擦力で吸収します。貫と継手・仕口によって、繰り返し揺られても元に戻る、「復元力」を備えているのです。

このブログでは、何度も繰り返しになりますが、「貫をやめてはいけない」のです。木と木を組むことで、地震力を減衰することができることは、実験によって検証されています。とはいえ地盤の悪いところでは、どんな建物もひとたまりもありませんが、先人たちは土地を選んで家を建ててきた経緯があります。

地盤の良いところもしくは改良してでも、「復元力のある木組の家」を建てることは、わたしたちの使命だと考えています。

 

bが貫(ぬき) 伝統構法では柱と柱の間に貫が渡してあり、これが地震の備えとなります

bが貫(ぬき) 伝統構法では柱と柱の間に貫が渡してあり、これが地震の備えとなります

2016年04月28日 Thu

がらんどうにつくるわけ

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住まいの室内はできるだけ、がらんどうがいいと考えています。

がらんどうというと、何も考えてないように聞こえますが、そうではありません。

住まい手の生活が変化する節目節目で、室内のレイアウトを変えたり、部屋の使い方が変わっても大丈夫なように、何を置いてもいいように、がらんどうに造っておくのです。

例えば、お子さんがいる時は子供部屋の仕切りが必要ですが、独立していなくなった時に広く使えるような取り外しのできる仕切りがいいと思います。家具で仕切ってもいいでしょう。

仕切りを取った部屋は、二人になったご夫婦の趣味の部屋にしてもいいですね。世代交代で、若い夫婦が住むことも考えられます。

つまり長い人生の時間の経過を予測して、部屋を作るのです。そのためには、柱や、窓の開け方などに、様々な想定をして、がらんどうの室内をつくります。

ここでも、広い空間をつくることができる木組の架構が役に立ちます。

長い時間を生きる住まいに、小さな部屋や、作り付けの家具などが多くてもいけません。長い時間を生きた古民家に学んだ知恵です。

わたしたちは、住まい手の暮らしの変化を見越した時間をスケジュールに組み込んだ家づくりをオススメしています。

がらんどうの室内

がらんどうの室内

 

 

 

2016年04月19日 Tue

いよいよ始動!2016年度 「古民家再生ゼミ」

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kominka2016

 

4月27日より「古民家再生ゼミ」が始まります。まだまだ募集中です。

本講座は、隔年実施を目指しています。今回で2回目になります。

なんといっても、目玉は実測研修!

さらに、耐震改修はもちろん温熱改修の技術を学びます。

そもそも、日本の木の家の原点ってなんだろう。

その答えは、古き良き民家の中にあります。

丈夫で住みやすく、先人たちの知恵と技術によって成長してきた民家。

私たちが造る家の基本は、いつだってその延長線上にあるのです。

じっくり古民家を実測し、学びに活かしていきましょう。

 

空き家対策に、リノベーションが盛んな昨今。

基本の「き」を、使える技術を一緒に学びませんか?

ここから始まる木造設計!ご参加お待ちしております!

 

【お申込み用紙はこちら!】

詳しくはこちらの記事もごらんください。

2016年04月17日 Sun

真壁でつくるわけ

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木の家は、真壁でつくることがいいと考えています。

真壁とは、柱や梁が見えている構造を言います。すべての木部が室内から見えているので、力の流れが目にみえます。また、木材が常に空気に触れているので、木の呼吸を妨げません。

むしろ木部も漆喰壁も、調湿作用があるので健康的な室内をつくります。

むかしから日本の建物は、すべて真壁構造です。お寺や神社はもちろん、民家も真壁です。

真壁でつくることで、木と木の組手が全て見えますから、組手部分に金物は使えません。なので、真壁の家づくりは大工の腕の見せ所となります。美しい無垢の木は、美しく見せたいですよね。

最近は、大壁と言って全ての柱や梁を壁で覆う工法が一般的になってしまったのも、金物を見せたくないないためです。柱の位置も、梁のかけ方も気にしなくて作れますから、設計も施工も簡単です。

そのことに違和感を感じるのは、真壁の建物を見て育ったせいでしょうか。民族の血が騒ぐのでしょうか。(笑)

以前のブログ「金物に頼らなわけ」でもお話しましたように、わたしたちは継ぎ手・仕口などの組手によって、木の特性を活かす家をつくっています。

おかげさまで最近では、木組みの美しさに共感してくださる依頼者が増えてきました。

わたしたちは、自然素材である木や漆喰の良さを活かした家づくりを進めています。
江古田の家玄関

 

2016年04月16日 Sat

熊本地震被害について

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熊本では、震度6近くの余震が続いています。

ニュースを見る限り、余震で被害が広がっていることがわかります。閉じ込められた人には、救助の手が一刻も早く届くことを願っています。

それにしても、大きな地震が起こるたびに、二階建ての木造建築の一階が潰れてしまっているのが悔しくてなりません。なんとかならないものか?

建築に関わる者にとって、生命を守る建物を作ることが使命です。一階と二階の間の破損を克服する技術を考えなければならないと強く思います。

わたしたちが、知恵を絞らなければなりませんが、古民家を見ると二階建ての歴史が浅いこともあり、一階と二階の間に太い横材である胴差はありません。

町家などは、屋根まで多くの通し柱で持ち上げて、ロフトのような物入れが二階となっています。地震の時は、長い柱がゆさゆさ揺れるといいます。家具なども倒れないといいます。

これならば、一階と二階の間で柱が折れないかもしれません。命を守る先人の知恵と工夫に学ぶべきでしょう。

熊本地震被害

熊本地震被害 一階がつぶれている

2008年 実大実験の映像、胴差で折れる家

2008年 実大実験の様子、胴差で柱が折れる家

2016年04月15日 Fri

地震見舞い

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熊本を震源とする大きな地震が起きました。震度7という大きな地震です。

一瞬、なぜ熊本なのかと思いましたが、災害は場所を選びません。

熊本の知り合いに連絡をとっております。八代の友人は、無事でした。15回もの余震で不安な夜を送っているようです。

無事をお祈りします。

2016年04月12日 Tue

「かやぶきの家」建主さんによる古民家オープンハウス

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160617kayabuki

20年前に松井事務所で古民家再生の設計をさせていただいた、
福島県福島市飯野町の「かやぶきの家」で、建主さんによるイベントが開催されことになりました。
境野さんご夫妻は、自然と共生する生活を目指し、畑で作物などを育てながら暮らしておられます。
ご興味のおありの方は、下記メールまでお問い合わせ・ご予約ください。
(印刷用PDFはこちら)

「土と木と草が語るものに耳をかたむけること」
2016 年 6 月 17 日(金)~ 6 月 19 日(日) 10:00 ~ 16:00
会場:福島市飯野町 境野「萱ぶきの古民家」

■ 境野米子の「野の花ランチ」¥1000 11:30 ~ 13:30 要予約
TEL/FAX 024-562-4717 メール s.komeko@gmail.com

■ 霊山町遊陶窯 会田恵 作陶展・即売会

■ 細金京子「こころ和むあかり展II」(針金と和紙によるあかり)

■ 佐々木千栄子(飯館村)おこわ、凍みもち、ドブロク 他 ■
鈴木栄次(霊山町)コントラバス演奏 6 月 19 日 14:00 ~

■いただいたメールを掲載します

お元気ですか?
今年も、6月に、オープンハウスを行います。

敷地に水がわき、薪で煮炊きができることが一番の魅力だと考え、築180年の茅葺の古民家に暮らして21年がたちます。5年前の原発事故で、屋根の茅、積み上げた薪、たい肥にする積んだ落ち葉などの線量が高く、一時はすべてをあきらめ、すべて土に還ればいいと思いました。

敷地、屋根など住宅の除染が終わり、作物からはセシウムが検出されなかったことから、昨年に畑も再開でき、一つづつ以前の暮らしが戻ってきています。ようやく敷地の梅で梅干しを、柿で干し柿を、畑のダイコンで沢庵を漬けることができました。できる限り保存食を作り、自然に近い暮らしを楽しむことができるようになりましたが、キノコや山菜はまだ食べられません。

線量計は、いまや必需品です。毎朝空間線量を測定することから一日が始まります。線量計は、どこへ行くにも持ち歩いています。空は一つ、海も一つ、福島だけが汚染されているのではないことは線量計で測定するしかないからです。地震があれば、すぐに線量計で数値を確認します。もし原発で何かあれば、ただちに行動が開始できるように、車は「ガソリン満タン」が家族の合言葉です。また収穫した作物はもちろん、頂き物に至るまで、口に入るものは測定所で測定してセシウム量を測ります。孫や人様に食べていただくものは、10㏃でも高いと思えています。

古民具や古い食器が好きでしたが、震災後は欲しくなくなりました。モノはもう結構と思い、一番難物だった本の処分を昨年は思い切ってしました。捨てられるものは捨て、身軽になって暮らしたいと思っています。

今年も梅、サンシュユ、コブシが咲き、桜が咲き始めました。青蒼の山並み、草の香り、美しい野山を歩く幸せは、何物にも代えがたいものがあります。大勢の避難者は、その野山が奪われていることを考えると、心が痛いです。心を遊ばせ、魂を通わせるひと時をもてたらを祈っています。
ご都合がつくようであれば、ぜひお出かけください。
お待ちしています。

2016年04月11日 Mon

「阿佐ヶ谷の家」外壁焼杉と階段

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阿佐ヶ谷の家・天井野地板

 

直接大工さんと相談

「阿佐ヶ谷の家」の、
階段打ち合わせに行ってきました。

階段の納まりは、一番難しいところなので、
施工図で検討した後も、大工さんと相談し決めることが多いです。
阿佐ヶ谷の家では、吊り階段という階段を採用。
すっきりとした見た目で、視覚的に部屋を広く見せます。
木組ならではの見せ方になります。

焼杉の外壁

二階天井野地板も貼られていました。
垂木を見せずに、断熱材をたっぷり入れた仕様です。

外壁には焼杉の板張りをしています。
シックな色で落ち着きがあり、ずっとそこにあるようです。
足場が外れてお披露目されるのがたのしみです。

(木村)

2016年04月11日 Mon

なぜ漆喰を使うのか(再掲)

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室内の仕上げは、漆喰の壁がいいと考えています。

漆喰は、古代エジプトの壁画や、高松塚古墳の壁画の下地に使われている丈夫で長持ちする塗り壁です。

石灰岩を焼いて水と混ぜ合わせることで、白くて硬い土壁になります。日本のお城の壁や蔵に使われているので、わたしたちには馴染みの深い壁です。厚みは意外と薄くて、せいぜい1ミリですが、一度塗れば、何年もの間長く持ちます。

左官屋さんが平滑に塗ることで、真っ平らな壁ができます。ビニールクロスのように静電気を帯びないので、ホコリが付くこともありません。

表面は平滑ですが、肉眼では見えない細かな穴が開いていて、湿度の高い時には空気中の湿気を吸い、室内が乾いてくると湿気を放出する性質があります。

室内の湿度が、ある程度保たれるので、梅雨時は汗が引き、乾燥した冬でも肌がしっとりします。

土壁なので、蓄熱効果もあります。一度温めたり冷やしたりすると、夏はひんやり冬はぽかぽかと、しばらくその効果が続きます。

さらに、漆喰壁は廃棄されると土にかえりますが、石灰分はまた水に溶けて、地中で長い時間をかけ石灰石に還ります。永遠になくならない素材なのです。

何やら、不思議な話に聞こえますが、こればかりは体感していただかないと理解していただけないと思います。

当事務所では、現在お住まいの家で、漆喰壁の内部を見せていただくこともできますので、どうぞご連絡ください。

漆喰の優れた調湿調温作用が体感出来ます。

木組みの家「高円寺の家」ダイニング

床は桧、壁は漆喰です

2016年04月08日 Fri

残り3席となりました。木組ゼミ受講生募集

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17日から講座が始まります。

いよいよ残り3席となりました。

募集の締め切り日は、特にもうけておりません。

当日のお申し込みでも構いません。ぎりぎりまでご検討ください。

 

今年は、特に豪華な講師陣が、ご自身の貴重な体験談などを話して下さいます。

今年度のゲスト講師は、関本竜太さん・横内敏人さん・泉幸甫さんです。

(さらっと書いてますが、すごいメンバーですよね!)

ゲスト講師陣の受講日には、部屋がむんむんと熱気を放ちます。

また、温熱の授業に辻充孝さんをお呼びして、2020年の省エネ計算ができるように基礎から学べます。

寒さ暑さを感じさせない木の家が実践できる! 自信が付きますよ。

 

受講生は、設計士、工務店、大工さんと様々ですが、

皆さん卒業後はご自分の仕事に木組みを活かし活躍しています。

ただ講座を聞くだけでなく、図面を引き模型つくります。

手を動かすことで身に付くゼミになっています。

また、講座の後の懇親会も大事なポイント!

楽しくおいしく情報交換しながら、交友を広げましょう。

 

木組みの木造建築について学びたい方、

デッサンや模型など、実技を学びたい方、

スキルアップを目指している方(修了式、修了証・有)

 

皆様のご参加をお待ちいたしております!

 

申込用紙・募集要項PDFはこちら

各コースの説明など、詳細はこちらの募集記事も御覧ください。

2016年04月03日 Sun

金物に頼らないわけ

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木と木を組むことで、丈夫な家ができると考えています。

木組みとは、継手や仕口と言われる木を加工した接合部から出来ています。プレカットのように金物に頼ることはありません。木のめり込みと摩擦で力を減衰するのが木組みの耐震の基本です。

木の最大の特性は、繊維に直交した方向のめり込みに強いということです。貫が柱を貫通しているのは、そのめり込みの強さを活かして建物の倒壊を防ぐためです。

貫の入った建物は大きく変形しても倒壊しないことは、阪神大震災でも実証されています。むしろ、貫の入った建物は、揺れ戻しと言われる元に戻る復元力があります。貫はやめてはいけないのです。

逆に金物に頼った建物の金物が木材を破壊して倒壊した例があります。2008年10月のEディフェンスの3階建ての建物が倒壊した実験がその例です。

昔から「針金で豆腐を釣ってはいけない」という言い方がありました。つまり木材という柔らかい母材を、鉄などの硬い金物が壊してしまうという言い方です。

木と木を組むことで、復元力を持った粘り強い建物を建ててきたのが日本の古民家です。

わたしたちは、古民家に学び、木の特性を活かした現代の家づくりを実践しています。

木組みの家の貫

木組みの家の貫

阪神大震災の時に貫で倒壊しなかっっ建物

想定外の揺れがあっても、貫ははずれない

2016年03月29日 Tue

越屋根をつくるわけ

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わたしたちのつくる家には越屋根が付いている事があります。

越屋根は、大屋根の上についた小さな屋根です。昔から古民家にはよく見かける屋根です。かまどや囲炉裏の上にあり、煙を出すためであったり、窓が開いていたりします。

この越屋根があるおかげで、室内の熱を排出したり、光をとり込んだりする役目を果たしてくれます。

風がなくても一階の床に近い窓を開けると吹き抜けを通して、室内の空気が動きます。

温度差換気でわずかな風が産まれることを「ゆらぎ」といいます。夏の風のない熱帯夜でも、風を体感出来ます。1/f「ゆらぎ」という、やんわりとした風を選ぶことができる扇風機のダイヤルもありますよね。

わたしたちは、エアコン等の機械に頼る前に、自然を利用した工夫や知恵を取り込んだ家づくりを進めています。

大屋根の上に小さな越屋根があります

越屋根

 

2016年03月21日 Mon

なぜ木を使うのか ④

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木材は、天然乾燥材にこだわっています。

わたしたちがつくる家は、木と木を組み上げる木組みの家です。組手と呼ばれる接合部は、一本の木から造り出した継手や仕口と言われる加工部から成り立っています。

一本の木の芯を削りだして造りますから、芯の部分が丈夫でなければいけません。

ところが、最近の木材の人工乾燥技術は進んでいますが、KD材と呼ばれる木材は、表面は割れていないのですが、強制的に乾燥するので芯の部分が割れてしまいます。

そんな人工乾燥材で木を組むと、地震や台風など大きな力がかかった時にポッキリ折れてしまいます。

一方、天然乾燥材は木材の芯が丈夫なので木組みの加工に向いています。ただし自然乾燥の際に、表面が割れることがあります。構造的な問題はないのですが、気になるところでもあります。

でも、安心してください。木の表面が割れても家が壊れることはありません。天然乾燥の木の繊維は絡み合ったままなので、二つに割れることはないのです。

なによりも天然乾燥の木は、色艶と香りが違います。年月が経てば、飴色に輝いてその違いが分かります。そこが、いつまでも木の家が愛される所以です。

わたしたちは、天然乾燥材の良さを活かして、家づくりを実践しています。

木組みの仕口

木組みの仕口 柱からホゾといわれる差口が二枚のびて梁を組みます

2016年03月13日 Sun

気密でも結露しない床下

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床下構造

床下構造

日本の伝統的な家の床下は、風通しを良くすることが常識です。床下を解放することで、湿気の多い梅雨時にも木材を乾燥させていました。

ところが現在の家のように、ベタ基礎が一般的になってその常識が覆りそうです。場合によっては、床下のコンクリートや断熱材の裏面が結露するかもしれないというのです。

床下の断熱には二通りの施工方法があります。基礎コンクリートに通気を取り、一階の床下に断熱材を入れる「床断熱」と、基礎コンクリートと土台を密閉して基礎コンクリートを断熱する「基礎断熱」です。

計測の結果、「床断熱」の結露の危険性が指摘されました。周辺環境の違いもありますが、風通しが悪いはずの「基礎断熱」のほうが危険性の少ないことが報告されました。

床下を密閉するということは、結露には不利なような方法ですが、床下が解放されている場合、湿度の高い空気が床下の冷やされた空間を通るときに露点温度に達するのです。

むしろ、床下も室内と同じように空気が通うようにして一体化すれば、床下の湿度環境はよくなるということです。さらに床下にエアコンで暖房を施せば、温熱環境も向上します。

今回、工学院大学中島研究室の石川さんが、一年を通して「高円寺の家」を計測していただいた結果です。

わたしたちは、伝統的な家づくりを実践しながら、科学的な検証もおこなって家づくりを進めています。

高円寺の家の床下は結露しません

高円寺の家の床下は結露しません

2016年03月07日 Mon

なぜ木を使うのか ③

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生まれも育ちもわかる木を使っています。履歴のはっきりした木材のトレーサビリティの実践です。

木材は、市場で他の木と混ざると産地がわからなくなってしまいますので、直接、山に注文することにしています。そのことによって、木の植林費用が還る適正な価格を山に支払うことができます。

木材の値段は、山に植える一本の苗木の植林費用から間伐、伐採費用までを逆算して決めています。直接林業家に費用を還すのが目的ですが、木材の管理もしっかりしなければなりません。

天竜(TSドライシステム協同組合)では、伐った木にその場で、バーコードを付けて伐採から出荷まで日程を追えるようにしています。一軒の家のすべての木材に育った場所と伐った時から出荷までの流れが分かる仕組みです。毎回すべての木の履歴と出荷証明書が付いてきます。

何代にもわたって大事に育てられた山の木が、市場で買いたたかれて、山に植林費用が戻らない現実を変えたいと思います。

わたしたちのつくる家は、どこで育ったのかわかる木を使い、植林することによって次世代に資源を担保し、山の保全を目指しています。

トレイサビリテイ

トレイサビリテイ

2016年02月29日 Mon

なぜ木を使うのか ②

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無垢の木は「強い」と言われていますが、「強い」という意味は2通りあります。

「強度」があるという意味と「腐りにくい」という意味の2つです。一本の木の中で、それぞれに受け持つ部位が違います。

無垢の木には、赤身という心材と白太という辺材がありますが、心の部分は腐りにくさを受け持ち、辺材は強度を受け持つのです。

木が成長するときは、土中の水分を根から吸い上げ、水分は幹の外輪の導管を通り、枝や葉に供給されますが、木が成長するのはこの外輪の辺材部分で、成長とともに年輪が形成されてゆきます。

年輪は柔らかい春目と固い秋目からできています。一年に一本造られますが、年輪の詰まった辺材が強度を担当するといわれています。

心の赤身の部分は、成長が止まった細胞の集まりです。木は、成長が止まるとタンニンという成分を出して役目を終えます。タンニンは、腐りにくく虫も付きにくい成分で、樹木の心を守ります。

木を輪切りにすると、年輪に表れた樹齢だけでなく、木の強さがわかります。赤い心の部分と白い辺材がその両方を分担しているのです。

わたしたちは、木の持っている強さを生かした家をつくり続けています。

2016年02月25日 Thu

作品集を更新しました

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佐倉の平屋

佐倉の平屋

深大寺の家

深大寺の家

松本城のみえる家

松本城のみえる家

 

 

 

 

 

2015年に竣工した家を、3件作品集に追加しました。

http://matsui-ikuo.jp/works/

 

2015年は平屋、省エネ、寒冷地と、違った空気感の家を設計しました。

木組の伝統構法を守りながら、温熱環境に力を入れ

暑さ寒さを取り除いた木造建築を目指しました。

構造協力に木組みのメンバーを迎え、より一層スッキリと整理された骨組みで

住み継ぎながら、長く快適に過ごしていただけます。

 

住む場所、住む人によって、家は形を変えるものだなと、改めて感じた2015年でした。

 

(木村)

 

 

2016年02月22日 Mon

なぜ木を使うのか ①

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木は無垢の木が一番だと考えています。

私たちの周りに身近に生えている木は、丈夫で長持ちする優れた素材です。

木は、人の肌に馴染みやすく、触れると温かい感覚があります。また、加工しやすいので、さまざまな形をつくることができます。

私達の先人たちも、木の使いやすさに着目して木の家をつくってきたのでしょう。

建物の骨組みとなる強い木に育つためには、杉の木で60年必要と言われています。

よく知られたことですが、木は土の中から水分を吸収し、太陽のエネルギーをいただいて成長してゆきます。

その際に太陽の光を浴びて、空気中の二酸化炭素を取り込んで、酸素に変える作用があります。「光合成」という地球上の生物にとっては、大切な植物の仕事です。

木の中に閉じ込められた炭素は、製材して家に使われても、廃棄して燃やすことがなければ、ずっと固定化されて空気中に二酸化炭素を放出しません。

つまり、木の家が建っている間は、ずっと温暖化対策の役に立っているのです。

だから、家をつくる時には最低でも60年の間、次の木が育つまで使えることが、地球環境にとっても大事なことだと思います。

そこで、できるだけ長い時間を生きる家をつくりたい考えています。古民家再生などをリノベーションして長く使うことも大切です。

わたしたちは、丈夫で長持ちをする家づくりと古民家再生などのリノベーションを実現しています。

mini-木の循環の仕組み

出典:有馬孝礼

 

 

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