プロジェクトレポート
2014年11月23日 Sun
2014年11月23日 Sun
2014年11月18日 Tue
今月8日から「古民家再生ゼミ」が始まりました。
すでに、木組みの家づくり講座「木組のデザインゼミナール」を11年間開催してきましたが、伝統の木組みの長所をお話しするときに常に原点となる民家に戻ることが必要なことに気付きました。
さらに最近、家づくりの現場から、本来の日本の家のルーツを見つけることが難しくなったような気がしていたので、むかしの民家を知ることで、いまの住まいづくりを見直そうと今回のゼミを思い立ちました。
木組みの講座の中で、なぜ、貫が大切なのか。なぜ、継手・仕口が大切なのか。言葉と図版を尽くして解説していますが、実際に古民家を観て、実測すれば、たちどころにその理由が分かります。
一回目は、座学で基本的な部位や名称を解説しました。二回目は、日本民家園で町家の実測を行います。3回目は、実例をもとにみなさんに再生設計をしてもらいます。
受講すれば、今まで気がつかなかった住まいの原理・原則が見えてきます。
毎回、これまで知らなかった、民家の再発見があり、必ず実務ににつながる実力の付く「目から鱗」の講座だと自負しています。
古民家は、日本の住まいの原点です。
古民家の架構は、木組みの基本です。
古民家は、究極のエコハウスです。
今年度は3回の講座を用意しましたが、来年4月からは5回に増やして、直に古民家に触れていただくつもりです。
新築の設計の基本をぶことはもちろん、リフォームやリノベーションの技術も身に着きます。どうぞ、ご期待ください!
2014年11月14日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 登戸の家
今年5月に完成した「登戸の家」の竣工写真撮影に行ってきました。
冬の光に無垢の木が輝いています。
楽しく住まわれているご様子で安心しました。
これからもずっと楽しく暮してください。
どうもありがとうございました。
2014年11月12日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 住まいの相談会・見学会 | 高円寺の家
「高円寺の家」が完成から2年になります。
季節ごとに見学会をさせていただいている「高円寺の家」。
秋も深まりお庭の木々が色づきはじめました。
紅葉を見に来ませんか?
「お風呂から庭を眺めたい」という、
たった一つのご要望から始まったこの家は、
知恵と工夫にあふれた「木組のパッシブハウス」になりました。
狭小地でも西窓で採光し、日射熱は「浄土寺格子」で遮蔽。
部屋の湿度を安定させて、体調を整える「漆喰壁」。
エアコン1台で全室を暖房し、夏はクーラーがいらない「省エネの工夫」。
規制の厳しい新防火地区でも、
無垢の木をあらわしで使える「木組の準耐火建築」。
国産無垢材と漆喰による、
いつまでも飽きの来ないデザインの木組の家です。
お住まいの様子をご覧になれる今回の見学会は、
建主さんから直接お話をお聞きいただけます。
完成から2年経ち、色よく馴染んできた無垢の木を
ご覧いただける貴重な機会です。
お誘い合わせの上ぜひお越しください。
みなさまのご来場をお待ちています。
また、建主さんは現在、木組みの家での暮らしを、
連載エッセイで綴っておられます。こちらもどうぞ御覧ください。
開催日時:
2014年11月22日(土)
13:00~16:00
対象:家づくりをご検討の方
※一般向け見学会ですので建設業関係の方のお申込みはご遠慮ください。
お申込み先:
松井郁夫建築設計事務所
電話:03-3951-0703 メール:ok@matsui-ikuo.jp
また、今回の内覧会にご来場の方には、
近日発行の「松井郁夫建築設計事務所の小冊子」プレゼントにご登録いただけます。
完成作品の解説スケッチ、書き下ろしエッセイ、写真集、65ページ以上の楽しい本になりました。
ぜひ奮ってご参加ください。
2014年11月12日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 松本城のみえる家
空気の澄んだ秋晴れの日に「松本城のみえる家」の地鎮祭が執り行われました。
建物の配置も決まり、いよいよ着工です。寒冷地仕様で高断熱な木組みの家。
住んでいて、いつも楽しくなる家をつくります。
2014年11月02日 Sun
昨晩の朝日テレビで、伝統構法についてかなり深く取り上げていただいた。もともと日本の建物は、中国から渡ってきた構法が、この島国の素材や気候風土によって独自の発達を遂げたものだ。
台風や地震に耐えるために、木と木を組むことによって、木の特性である「めり込み」の強さを発揮し、継手・仕口と呼ばれる接合部の加工を「摩擦」によって大きな力に対して減衰するという複雑な仕組みでできている。
ここで大切な部材は「貫」である。「貫」はどんなに大きな力が掛っても、柱にめり込んで建物を倒壊させない。変形はするが、「復元力」をもって元の形に戻る特性がある。こんな大切な部材が、今では使われていないか、薄い下地材になって力を負担できなくなってしまっていることが残念でならない。
伝統構法の良いところは、簡単にいえば、本来やわらかい木同士を組むことによって、ゆらゆらと揺れながら力を逃がす「柳に風」の理屈である。これは金物ではできない技であり、金物は木より強いので、母材を折ってしまう。むかしから「針金で豆腐を吊ってはいけない」の例えがあるように。
昨晩の番組を見た方は、伝統構法の優れた点を改めて認識していただいたと思うが、現実は「貫」を使った建物にめぐり合うのはごくまれだろう。「貫」は、やめてはいけない部材であり、地震国日本の世界に誇る架構の知恵であるとあらためて思う。
2014年10月31日 Fri
最近、古いお宅をお持ちの方からのご相談を受けることが多くなりました。
いわゆる古民家と呼ばれる100年を超える立派なお住まいです。古い家は以前から、寒い、暗いということで、不便で使いにくいといわれて壊されてきましたが、最近少し事情が違ってきています。古民家再生がまたブームになってきたこともあり、古い家の良さは、みなさんの認めるところになってきました。
さらに、全国的に空き家が増えていますが、新築住宅を求めつことができない若者を中心に、空き家を買ってリノベーションをすることが増えてきました。その中に、古民家も含まれているようです。社会事情の変化でしょうか、これまでのような悲痛さはなく、古民家の雰囲気を求めることがブームのようです。どうやら古民家スタイルが良いようです。
一方で、大きな古民家を持て余している方もいらっしゃいます。二度と建てられないくらい立派な材料と大工技術を駆使した名家です。主に相続税がその原因ですが、先代が亡くなった後の維持管理に困っているのです。
手をこまねいていると、そのまま空き家になって、朽ちてゆくしかありません。文化財級の建物ですから、自治体が守ることができればいいのですが、昨今の地方自治体はお金がありません。町並み保存の運動も長年活動していますが、市民の活動にも限界があります。
世代交代のたびに相続の問題が、古民家を破壊します。この問題を乗り越えた仕組みはないものか?悩み多いこの頃です。
2014年10月29日 Wed
テレビ番組で、松井事務所設計の木組の家の施工写真が使われることになりました。
伝統的な技術を用いた日本家屋の紹介をする際に、
古材をつかった建方の写真が放映されます。
番組名:新番組『世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団』
放送局:テレビ朝日系列 全国ネット
放送予定日: 11 月1 日(土)18:56~20:54
2014年10月22日 Wed
丸谷博男さん主催のエコハウス研究会で、松井が講演します。
快適な温熱環境の家づくりをライフワークにしてきた丸谷さんが「土」、
木組の家の松井が「木」をテーマに語ります。
お時間のある方はぜひご来場下さい。
2014年10月20日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 佐倉の平屋
「佐倉の平屋」は次世代省エネ基準クリアし「フラット35S」を取得した木組の家です。
冬の寒さを取り除くために、壁や屋根に充填された断熱材施工状況の検査を行いました。
木組の家では、木の繊維で出来た自然素材の断熱材を採用しています。
現場では、隙間なくしっかりと施工されていました。
サッシも入り、工事は着々と進んでいます。
2014年10月15日 Wed
いま日本の住宅は、リフォーム・リノベーション時代となり、
改修設計は設計者・工務店にとって必修の技術となっています。
そこで、「古民家再生」の基本を学び、
本来の日本の家づくりを根本から問い直す講座をはじめたいと思います。
講師は、木の家づくりのバイブル「木造住宅私家版仕様書」を共著し、
古民家に学んだ木組の家を実践する、松井郁夫です。
講義は、文化庁監修「民家のみかた調べかた」(絶版)を手引きに、
古民家を理解し実測の方法を学ぶ【座学】からはじまり、
実際の古民家の【実測】を通して、
何を残し何を変えるのか、
「古民家の耐震省エネ改修」の実例もまじえ
再生と【設計】のコツを公開します。
古民家は、日本の木造住宅の基本です。
再生だけでなく、戦後の住宅のリフォーム・リノベーション、
新築住宅の設計・施工にも、すぐに役立ちます。
「古民家再生ゼミ」は観て測って手を練る、きわめて実践的な講座です。
実測・再生設計歴30年の松井郁夫が、実際の古民家で、
実測の方法から民家の構造・改修手法まで解説します。
日本の木造住宅の基本がしっかりと理解でき、
実習を通して、きちんと実力がつく講座です。
定員は先着30名です。
全国のみなさまのご参加をお待ちしております。
松井郁夫
「基本は古民家にある」
2014年11月8日(土)13:00~17:00
会場:AGCスタジオ(東京都中央区京橋)
「民家のみかた調べかた」
調査手引書を読み解く
どんな民家が古いか
どのように調査をするか
調査の実例
「先人の知恵と工夫を測る」
2015年2月18日(水)10:00~16:30
会場:日本民家園(神奈川県川崎市)
日本民家園(川崎)実測研修
野帳の描き方
寸法の採り方
解体現場の研修
「むかしといまをみらいにつなぐ」
2015年3月7日(土)13:00~17:00
会場:AGCスタジオ(東京都中央区京橋)
可変と不変の架構
架構を生かす
不易と流行を知る
現代性の表現
耐震補強の方法
省エネ改修の方法
全講座講師・松井郁夫
定員先着30名
2014年10月14日 Tue
山口県の宇部市に、木の建築賞の公開審査に行ってきました。
木の建築賞は、NPO法人木の建築フォラムが木造建築物の普及と顕彰のために行っているコンクールです。今年で10周年を迎えました。
わたくしは2回目と7回目に入賞したことから、審査委員を務めさせていただけることになりました。
一次審査はパネル審査、二次審査は応募者のプレゼンテーションを公開の場で審査、最後は現場審査と進みます。
全国を4地域に分けて、4年で全国を回ります。毎回時間と手間をかけて事務局はじめ多くの人がボランティアで働くことになりますが、今年は宇部の山口大学にお世話になりました。
審査される方々ばかりでなく、審査するわたしたちも大変勉強になります。地域の建物に触れることができるからです。
宇部には何回か行きましたが、やはり渡辺翁記念会館が最高です。とても昭和12年に建てられたとは思えないモダンな感性が今なお輝いています。設計は、村野籐吾。宇部の文化活動の拠点としていまも活用されています。重要文化財に指定されています。
さらに審査会場は、同じく村野さん設計の宇部ヒストリアル。こちらも昭和14年竣工とは思えない建物でした。
スケッチは、2006年に描いた渡辺翁記念会館。本物をまじか見ながら、感動しながら描いたのを覚えています。
2014年10月14日 Tue
会津・山都の沼の平へは、喜多方に入る街道筋から山に入ります。山道をもうこれで家がなくなるというところまで行って、さらに胸突き八兆の坂道を登った先の集落が沼の平です。
20数件の家が残っていますが、高齢者ばかりです。冬は豪雪で悩まされますが、春にはフクジュソウが自生して観光客が大勢見に来るといいます。その集落の中の古民家を見てきました。おばあさんが亡くなったので、残された古民家の活用を相談されたので、出かけてきました。
昭和47年に大改造していますから、座敷廻りは白木の柱です。元土間であった境には100年以上も前のケヤキの大黒柱が建っています。黒光りした柱の伸びた先を見たくて、天井に潜りました。
屋根は茅葺のままトタンをかけてあるので、むかしの構造が良く見えます。と言っても、一歩踏み込むと埃で前が見えないくらいです。すすけた叉首(サス)は縄でなってありますから屋根屋さんの仕事です。
小屋組は、素晴らしく太い梁組に大きな木栓が打ってあります。木と木を組むのは大工仕事です。いつでも組み手を外して移築も可能ですが、この家をどう生かすのかは、その晩の家族会議では答えが出ませんでした。
50代の息子さんたちはこの集落の村おこしに努力しています。棚田をやめた山の斜面に3000本の桜を植えたり、鯉を飼ったり。この集落をあきらめるつもりはありません。夕食には、山の幸のてんぷらのゼンマイでお酒を飲みながら、古民家の活用が成功している丹波篠山の取り組みや九州八女のまちづくりの話で盛り上がりました。
今のわたしにできることは限られていますが、古民家の活用を考えることは、日本の将来を考えることにつながると思える一夜でした。
2014年10月14日 Tue
東京新聞に、時折、梅原猛さんのコラムが載ります。学生時代から歴史や哲学が好きで、梅原ファンでしたので、いつも楽しみにしています。
今回10月6日のコラムにも、梅原氏の東洋的思想に大いに共感しましたので、ブログに掲載しました。
よろしかったら、読んでみてください。
2014年10月13日 Mon
網走と聞くとつい刑務所を思い出してしまいますが、実はとても風光明美なところでした。
先週の9日に、北海道の高断熱高気密の家づくりを実践する「アース21」というグループに呼ばれて、伝統構法の話をしてきました。
高断熱高気密の会で伝統構法を話すのも、なんだか場違いな気もしますが、木組みの家は地震や台風から命を守ることが使命で、北海道の高断熱高気密の家は、寒さから命を守ることが使命ですから、人の命を守るという方向は同じと言えます。
ところが、北海道では2×4が主流で、軸組工法は稀です。ましてや、伝統的な木組みの家はほとんどないといってもよいでしょう。
そんな中、北海道で雑誌の編集をしている友人から、伝統構法のことを知りたいとオファーがありました。木の家づくりの基本は軸組にあると気づいたとか?民族の血が騒ぐとか?
とにかく行ってみると、驚いたことに外壁に400ミリの断熱材を壁に施工していました。室内は、気密を採るためにポリエチレンフィルム。それも継ぎ手のないシームレス施工です。
徹底した施工管理をして、実績を上げている工務店の社長が、以前私の話を東京で聞いて、これは家づくりの基本だと気づいて、みんなに聞かせたかったとか?それで今回の講演会になったようです。うれしいですね。
わたくしも伝統構法で省エネは実践しているほうですから、お互いの構法の違いを超えて交流してきました。それにしても網走は美しい。ホテルに着いて周りの景色に見とれてしましました。
スケッチブックを置いてきたことを反省! 出がけに絵を描いている暇もないかとバックから出してしまいました。残念!
とりあえず写真で景色をお楽しみください。今度は網走に、絵を描きに行きたいですね。
編集者のブログはこちら。http://blog.goo.ne.jp/replankeigo/e/5a9d35a932960951e756d64dacfc8709
2014年10月07日 Tue
ここはギリシャのパルテノン神殿かと見まがうような建物が、会津喜多方にあります。
長床という拝殿です。もとは熊野神社の新宮の一部ですが、まるで木造のパルテノン神殿のような、丸い柱の列柱の美しい建物です。
平安時代の源頼義が造営した建物と言われていますが、1611年(慶長19年)の会津地震で倒壊した後、一回り小さく再建されたといいます。
それでも美しいプロポーションを見せてくれています。茅葺の屋根も重厚で、古くて厳かな姿です。
ここにいると、なぜか哲学的になるのはどうしてでしょう。ここには建物の本質がある気がします。うまく言えませんが、魂がゆすぶられるのです。
だから神殿に見えるのかもしれません。
以前雪の中で見た時も驚きましたが、今回も何度も何度もシャッターを押してしまいました。
2014年10月03日 Fri
友人の丸谷芳正さんから「さまのこアートinよっさ2014」の案内が届きましたので、お知らせいたします。
お近くの方はぜひご参加ください。ご案内チラシのPDFはこちらからどうぞ。
2014年10月01日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 佐倉の平屋
「佐倉の平屋」は、省エネ等級4の認定を受け「フラット35S」「贈与税の非課税措置」を取得した、省エネタイプの木組みの家です。エアコン1台で全室を暖めることができます。さらに自然素材の断熱材、無垢の木、漆喰による調湿作用で、快適で健康な住空間となっています。
CO2削減に向けた、これからの時代の木の家です。
現場では順調に大工工事が進んでいます。梁は、吉野の杉です。無節の野地板に、梁の赤みが映えています。
2014年09月24日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 住まいの相談会・見学会 | 吉祥寺の家III
少しづつ庭づくりを進めている「吉祥寺の家3」ですが、先週の日曜日に、撮影会とお住まい見学会を開催させていただきました。
お引き渡しから4カ月がたっていますが、綺麗にお住まいで、家具の入った室内はモデルルームのようでした。
天候にも恵まれて、わたくしの設計した家を撮り続けてくれている、カメラマンの奈良岡忠さんも快調に撮影を進めてくれました。
7月に完成した八王子の建て主さんも、子供連れで見にきてくれました。吉祥寺3の建て主さんとは、一緒に天竜の山まで木を見に行った仲です。お互いに家ができてからも交流があるのは、設計者としてはうれしい限りです。
室内に人がいる写真もイイかもという話になって、みんなでモデルをやりました。お住まい見学会+撮影会も楽しいですね。
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