プロジェクトレポート
2015年07月28日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 深大寺の家
毎日暑い日が続き、夏らしくなってきました。
猛暑の中、精密な仕事してくださる大工さんたちのお陰で「深大寺の家」も着々と進んでいます。
居間には錆丸太を採用しました。
錆丸太とは、杉の木をカビさせて模様を付けている柱のことです。
趣ある柱になっていると思いませんか?
そして、床板貼りも始まりました。
床板が貼られると、やはり家らしさが増すように思います。
生活が始まると艶が増し、しっとりと落ち着いてくるのも無垢の床板の魅力です。
外壁工事も進み、そろそろ左官がはじまります。
どんな顔になるか、たのしみですね。
2015年07月23日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 高円寺の家
「高円寺の家」は基礎と土台を密閉して、地下室のような床下になっています。
床下エアコン暖房を採用しているのですが、この度、工学院大学の中島先生に床下の温湿度を計測していただけることになりました。
床下、外部、1階室内に温湿度センサーを数個設置し「結露」の心配がないかを判定してもらいます。
そして設置から一ヶ月。計測されたグラフがこちらです。(グラフをクリックすると拡大します)
このグラフからわかることは以下です。
この一ヶ月の間「高円寺の家」は、
1、床下の温度、湿度共に、外気温に影響されにくかった。
2、床下湿度の変化が穏やかで安定していた。
3、露点温度と床下スラブ温度に4.6度の差があり、結露の心配のない床下になっている。
無垢の木と漆喰は、湿気を吸ったり吐いたりしてくれる「調湿効果」があるので、床下もかなり安定した結果になったのだと思います。「極めて優秀な数値です」と言っていただきました。
このまま一年を通して測っていただけるので、冬の数値が楽しみですね。<匠>
2015年06月23日 Tue
住宅建築での連載が掲載されました。
第二回は「貫はやめてはいけない」です。
貫が民家を守ってきたという話をしています。
どうぞ書店でお手にとってご覧ください。
2015年06月17日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 松本城のみえる家
「松本城のみえる家」の外壁は長野県産の唐松です。
杉と見まごうほどの綺麗な板が張られました。
「目板張り」といって、板と板の継ぎ目の上から、
細い木(目板)を釘打ちすることで、反り返らずに丈夫な外壁になります。
窓の両側で目板が左右対称になるようにあらかじめ計画しています。足場が取れるのが楽しみですね。
破風板に「眉欠き」という丁寧な仕事がしてありました。斉藤棟梁の技術が冴えます。
「松本城のみえる家」は、外壁の一番端の板、吹抜に面した障子の敷居、巾木、寝室の壁に、
ちょっと工夫が施されるのですが、それは完成してからのお楽しみです。 <匠>
2015年06月12日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 松本城のみえる家
わたしたちの設計する家の建て主さんは、みなさんブログを書いてらっしゃいます。
毎回のブログからは、首を長くして完成を待っている様子が伝わってきます。
ありがたいですね。がんばります!
よろしければ、是非こちらを覗いてください。
http://blog.goo.ne.jp/mtk-house
2015年06月11日 Thu
よく松井の設計は簡単そうに見えると言われます。
特に職人さんから言われることが多いのですが、初めて図面を見ると、とてもシンプルな間取りで、造りやすいと思うそうです。 30年も付き合ってくれている棟梁もそういいます。「はじめは簡単に見えるんだよなぁ」「でもやり始めると素直じゃないんだよなぁ」 簡単で素直な家は望むところですが、そこで金額もシンプルに納まればいいのですが・・・そうもいかないようです。(泣)
以前にニューヨークに住むキャビンアテンダントの姉妹から設計を頼まれたことがあります。事務所に来るたびにニューヨークで買ったデザイン誌を何冊も持ってきてくれるのですが、コロニアルスタイルからモダンまで様々な種類のデザインスタイルについて、面白い意見を持っていました。
「わたしたちはモダンが好きですが、シンプルなデザインはお金が掛ることを知っています。」「デザインを素直に見せるために手が掛っているんですよね。」というのです。
まるで、設計者の気持ちを知っているかのようなコメントに、思わず「そうなんですよ!」と言ってしまいました。かといって工事費や設計料が増えたためしはありませんが(笑)
口の悪い設計仲間も「つまんないほど整理してるなぁ」「もっとデザインすればぁ」とずけずけというのですが、わたしの気持ちはいつも骨組みの整理に整理を重ねて、シンプルで素直な空間をつくりたいという欲求に負けます。
柱が壁の中にあっても見せないとか・・・梁はそろえて見せるために必要な構造以上の大きさにするとか・・・図面を書きながら、何度も構造にもっどって書きなおします。
これは「真壁づくり」という柱や梁を見せることにこだわっているからです。日本の気候風土から骨組みを壁の中に入れない方が、蒸れないだろうという配慮です。
うちの事務所の特徴である「貫」や「足固め」もシンプルに無駄の無いように配置するために、毎日のたうちまわるほど苦しみますが、仕上がると全部見えなくなります。
内覧会に見えたお客さんに、「ここに貫が入っていて、この下に足固めが、がっちり組まれていて、この家を守ってます」なんて言っても、見えませんから・・・。(涙)
みなさん、是非、見学会には構造が見えるときに来てください。整理されて丈夫な架構は美しいですよ!!
2015年06月09日 Tue
開催中の「木組のデザインゼミナール」入門編に、新進の建築家を迎えて設計のお話しをお聞きしました。リオタデザインを主宰する関本竜太さんは42歳。彼の設計のとっかかりは、敷地を読むところから始まります。敷地から建物の間取りが決まってゆく様子や、構造に苦労しながらも、実に楽しく進めている様子がお話から伝わってきました。同じ設計者として、どれも共感できる気持ちのいい設計です。
フィンランドに留学経験のある彼のデザインは、てっきり北欧系と思っていましたが、ご本人はそうでもないと言っています。むしろスタンダードで飽きのこないデザインを目指しているということです。でも、そこが北欧のデザインの特徴なのだと思いますが・・。
関本さん設計の住宅には、何度か内覧会に参加させていただきましたが、さまざまな生活のシーンを織り込みながら、丁寧なデザインに感心しました。見せていただいた細かな細かな図面にも脱帽です。密度がすごい。かゆい所に手の届く設計です。それでも出来上がりがすんなりと見えるのが不思議です。
講座の後半は、設計者としての心構えをQ&Aで解説してくれました。建築漫談とも言える話術が最高です。オープンで気さくな人柄が、引きも切らない人気の秘密でしょう。同時代の設計者にはいないタイプかも知れないと感心した楽しい時間でした。おかげさまで、学生のようにためになりました!(笑)
関本さんどうもありがとう! 次回もよろしくお願いします!
2015年06月02日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 深大寺の家
先日行われた「深大寺の家」構造見学会は、
真夏のような暑さの中で行われましたが、
木組ゼミ生や一般の方でたいへん賑わいました。
皆さん「木のいい香りがする」「安心感のある造り」と
楽しんで見学してくださいました。
構造見学会は、木組みの家の特徴である
貫と足固めでつくる、丈夫で美しい架構を見ていただけます。
大工さんの叡智である「継手仕口」は、いつも壁の中に隠れてしまうのです。
もったいないけど「粋」ですね。
今のうちにじっくり見ていただきました。
見学会に来てくださった皆様に改めて御礼申し上げます。
<匠>
2015年06月01日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 松本城のみえる家
「松本城のみえる家」着々と大工工事が進行しています。
南から爽やかな光が差し込み、室内に凛とした空気が感じられます。
一本力桁階段の段板が仕上がりました。
このきれいな板!
「松本城のみえる家」は、間仕切りが殆ど無い、一体空間ですので、
スケルトンの力桁階段は、空間を広く感じさせます。
もちろん、手摺のデザインにも気を使います。
面積以上に広い空間で、100年飽きない、すっきりと落ち着いた住まいを目指しています。
2015年05月26日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 松本城のみえる家
「松本城のみえる家」の階段工事が始まりました。
一本力桁(ちからげた)階段を使用しています。
目線の通るスケルトン階段です。
力桁は、軽やかでいながら力強いフォルムで、木材の美しさを感じることができます。手摺がつくのが楽しみです。
2015年05月19日 Tue
20年前に、福島で「茅葺き屋根の古民家再生」をしました。
お住まいの境野さんご夫婦は自然と暮らす家づくりを目指し、畑で作物なども作っておられます。
今回は建主さん主催のオープンハウスです。いただいたご案内を紹介します。
ご興味のある方は、この機会にぜひお出かけください。
飯野町の茅葺きの古民家での暮らしも20年がたちました。
原発事故による放射能物質の問題で、自然暮らしはすべて終わったと、
あきらめた時期もありましたが、敷地内の作物がシイタケとタケノコ以外は「検出せず」で
昨年から畑を再開しています。
しかし、除染が終わった畑や山際の線量は驚くほど高く、
孫たちを遊ばせるわけにはいかないと、がっかりしています。
「こんなことで負けてはいられない」という元気な友人たちに背中を押され、
我が家でオープンハウスを行うことになりました。
どうぞ友人、知人をお誘いいただきお出かけいただければ幸いです。
境野 健兒・米子
http://komekosk.blog55.fc2.com/
2015年05月18日 Mon
ブログ | 未分類 | プロジェクトレポート | 深大寺の家
東京都深大寺に、木組の家が上棟しました。
コンパクトな造りながら、のびのびとした明るい家です。
伝統工法の「骨」と優れた温熱性能の「外皮」で、
地震に強く、省エネルギーの住まいを実現します。
吉野の自然乾燥材を使った「本物の家」を見に来ませんか?
骨組みの美しさが「き」組の家の特徴です。
構造見学会は、架構をじっくりご覧いただける機会です。
みなさまお誘い合わせの上、ぜひお越しください。
開催日時:
2015年5月30日(土)
10:00~16:00
対象:家づくりをご検討の方・本年度「木組ゼミ」受講生
「深大寺の家」データ
省エネルギーの小さな木組の家
1F 40.39㎡ 2F 38.74㎡
延床面積 79.13㎡(23.04坪)
構造材 吉野杉・桧(手刻み)
外壁 土壁風藁入モルタル
内壁 漆喰塗り
開口部 アルミ樹脂複合サッシ
断熱材 ウッドファイバー、GW
設計:松井郁夫建築設計事務所
構造計算:小林一元建築設計室
施工:キューブワン・ハウジング
山:吉野中央木材
2015年05月08日 Fri
平成27年4月15日発行の日本住宅新聞に、松井郁夫の記事が掲載されました。
「みらいをめざす伝統構法」第一回は伝統構法の家づくりについて書いています。
ぜひご覧ください。
2015年05月01日 Fri
「新建ハウジング」2015年4月30日号付録、「新建ハウジングプラスワン」に掲載されました。
『なぜ「普通の家」なのか。工務店の普通デザイン』特集の中で、長く住まう家づくりを書いてます。
ぜひご覧ください。
2015年04月27日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 松本城のみえる家
今月はじめ「松本城のみえる家」構造見学会を行いました。
当日は天気にも恵まれ、たくさんの方にお越しいただきました。
片流れの屋根に板金と通気が施行され、大工工事が進んでいます。
寒冷地のため、断熱材としてセルロースファイバーを120㎜吹込み、基礎断熱と薪ストーブで、冬の寒さを取り除けるようにしています。
今は、これから壁の中に隠れてしまう構造が見えます。
架構をきれいに整理することを、いつも考えています。
高台という立地を活かし、南側には大きな窓を作りどの窓からも松本城が見えるようにしました。 足場に登って、屋根の上からパシャリ。
松本城、わかりますでしょうか。
2015年04月21日 Tue
画像は、木組ゼミ入門コースの生徒さんの作品です。
美術も技術です。プロポーションや素材感覚は、身につけることができます。
才能ではなく訓練で、美しいものをつくりだすスキルを習得できます。
木組ゼミ入門コースで、美術の基礎を学びませんか?
ご応募お待ちしております。
2015年04月20日 Mon
住宅建築で新連載がはじまります。
「古民家-その用と美に学ぶ-」と題して、
日本の民家から、美しさと知恵を再発見し、
未来につなげていきたいと思います。
第一回は「足固めの効果」です。
どうぞ書店でお手にとってご覧ください。
2015年04月17日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 深大寺の家
東京都調布市で「深大寺の家」がはじまります。
小さなお子さんのいるご家族のための、コンパクトでものびのびと暮らせる明るい家です。
吉野の天然乾燥材を使った無駄のない木組の架構と、優れた温熱性能を備えた、これからの木の家です。
設計は松井郁夫建築設計事務所、施工はキューブワン・ハウジングです。
下小屋では刻みがはじまっています。
構造見学会は5月30日を予定していますので、
ぜひ木組の家の醍醐味をご高覧ください。
詳細は追って当ページでお知らいたします。
2015年04月14日 Tue
入門コース第2講義からのお申し込みで「受講料割引キャンペーン」実施中!
ぜひこの機会にお申込みください!
申込用紙・募集要項はこちら
※実践コースの会場はAGCスタジオに変更となりました。
また実践コース第四回講義は8月29日(土)に変更となりました。
いま、日本の家づくりは大きな節目を迎えています。
住まいは、丈夫で長寿命の架構を持つ省エネルギー住宅へ変わろうとしています。
そこで見直されてくるのが、日本の気候風土に合った伝統の木組です。
本講座では、伝統構法による日本の家づくりを、職人がこれまで培ってきた木を組む技術に学び、さらに美しい日本の風景を取り戻すために美術の習得を目指します。
大好評の岐阜森林文化アカデミー講師・辻充孝先生による、木組の家の温熱環境と改正省エネ法への対応が身につく講座に加え、
伝統構法の耐震設計を適切に行うための「限界耐力設計法」講座を用意しました。
架構を知りつくした「き」組による、丈夫で、快適で、燃費の良い木組の家づくりを身につけませんか?
対象は、木組の家づくりを学びたい設計者および施工者です。
本講座の特色は、美しいデザインと耐震的な構造のバランスの取れた木組を学べる点にあります。
美術大学出身のメンバーが「美術講座」を、国土交通省による伝統構法の見直し委員会に参画する「木造住宅【私家版】仕様書」執筆メンバーが「木組講座」を指導します。
美術と技術の二方向から美しい木組の架構と温熱環境の構築の手法を学びます。
知識だけでなく、実際に手を動かしてデッサンや軸組模型をつくることで、しっかりと実践力を身に着けることができます。
ワークショップ「き」組の家づくりが「平成20年度 長期優良住宅先導的モデル事業」の採択を受けたことを契機に、
全コースとも「長期優良住宅」に対応するプログラム構成となっています。
講座は「入門コース」と「上級コース」と「実践コース」の3講座制です。
実際の建物の架構を実践するコースも、サポート体制として用意しました。
受講生による実践事例も増えています。
わたしたちは、伝統的な大工技術と国土保全につながる木材の循環の仕組みから、
省エネルギーにつながる日本の家づくりを考えます。
日本の優れた木組の仕組みを、みなさんと共に未来へつなげていきたいと思います。
全国の皆様のご参加をお待ちしております。
ワークショップ「き」組 代表理事 松井郁夫
◆2015年度 「木組のデザイン」ゼミナール受講生募集要項
※実践コースの会場はAGCスタジオに変更となりました。
また実践コース第四回講義は8月29日(土)に変更となりました。
■ 入門コース: 美術講座と木組の理念
■ 上級コース: 私家版メンバーによる木組講座
■ 実践コース: 温熱講座、限界耐力設計法講座
■ 開講日:4月~8月、9月~1月 基本的に月1回 (入門・上級コースは日曜日、実践コースは土曜日)
■ 時間:10:00~17:00 全5回(詳細は別紙スケジュールを参照)
■ 費用:入門コース・上級コース 受講料8万円(1講座1万6千円×5回)+入学金1万5千円(お申込み時) 実践コース 受講料5万円
入門コース第2講義からのお申し込みで16,000円を割引するキャンペーンを実施中です
■ 場所:入門・上級コース 一般社団法人ワークショップ「き」組事務局内(東京都中野区江原町1-46-12-102)
実践コース AGCスタジオ(東京都中央区京橋2-5-18 京橋創生館1・2階)
■ 講師:
美術講座 松井郁夫、松井奈穂、松井匠
関本竜太(リオタデザイン)、若原一貴(若原アトリエ)
泉幸甫(泉幸甫建築研究所)
木組講座 松井郁夫、宮越喜彦、小林一元
温熱講座 辻充孝(岐阜森林文化アカデミー准教授)
限界耐力計算講座 山中信悟(悟工房)
■ 講座内容
美術講座
「美術を身につける」 家づくりにかかわる基礎的な美術の実技を行い、プロポーションや色彩感覚を養う。 デザインの基本となるスケッチや色面構成、立体造形を学ぶ。
木組講座
「木組を学ぶ」 初めて木の家を学ぶ人や改めて木組の家を学びたい人のための、実習。 木組の家づくりにかかわる、実施構造図から模型までの木組を学ぶ。 私家版研究会メンバーによる課題と講評。
実践講座
「温熱講座」 省エネルギー法改正に基づく温熱対応の手法を学ぶ。
「限界耐力設計法講座」 木の特性を活かした構造解析で、木組の家を適切に設計する。
実際に計画中の建物を私家版メンバーが添削する「スペシャルプログラム」(別途料金)も用意しました。 今すぐ建てる家を、木組でつくりたいとお考えの実務者にオススメです。
12年目を迎え、大好評の温熱講座と、限界耐力設計法講座で、ますます充実した内容となっています。
全国から奮ってのご参加をお待ちしております。
■ 申し込み: 所定の申し込み用紙に必要事項を 手書きで 記入の上、下記に郵送する。
〒165-0023 東京都中野区江原町1-46-12-203 一般社団法人ワークショップ「き」組事務局
「木組のデザイン」ゼミナール 係
■ 問い合わせ: 一般社団法人ワークショップ「き」組事務局(松井郁夫建築設計事務所内)
TEL 03-3951-0703 FAX 03-5996-1370 E-MAIL info@kigumi.jp
2015年03月31日 Tue
現在募集中の「木組のデザインゼミナール」には、入門コースに美術の時間があります。木組みの設計を学ぶ前になぜ美術なのか?少し書いてみました。
美術は、デザインを実践する上で欠かすことのできない要素です。よくセンスの問題と言われますから、本来持っている感性であって訓練できないものと思われがちです。
しかし、美術も技術です。技術を身に付けることで、美しい感性を磨くことができます。
美術は色彩感覚や立体感覚を身に付ける技術であったり、プロポーションやバランスを計る技術です。それは、訓練によって身につけることができます。デッサンや、色面構成や立体構成は、そのためのエクササイズです。
さらに、重要なことは自分の作業に対して「全体感」や「観察眼」を持てることです。
例えば、デッサンでは対象物を見つめながら、光と陰をつかまえます。描き進める上で、常に陰の暗さや光の明るさを画用紙に落としながら、鉛筆を走らせますが、いつ止めてもいいように、画面全体の進め方を気に留めながら完成に至ります。
そのことは取りも直さず、作業の全体を俯瞰する訓練になります。全体の完成をイメージしながら、部分を書き進めることは設計の仕事を進める上でも大切です。
なぜならば、部分を集めても全体にはならないからです。よく勘違いしがちなのですが、詳細な部分の描き込みが絵をつくると思われがちですが、部分を集めても美しい全体にはならないのです。デッサンでは、描きながら画面全体を俯瞰する能力が必要なことを学びます。
また、対象物を長い時間観察することで、見慣れた静物にも新しい発見があります。発見は新鮮です。絵が生き生きとしてくるのは、発見の連続があるからです。
実はこの「全体感」と「観察眼」が感性を磨く秘訣なのです。感性は、美しさを見つける観察眼であり、全体感を身に付けることなのです。
どうぞ、美しいを技術身につけたいと思われる方は、木組ゼミの入門コースから始めてください。美術は、絵を描くことで、思いがけない方向から、感性を身に付ける訓練にもなります。
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