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2018年02月16日 Fri

町並み保存運動40年、OB新年会

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全国の歴史的な町が壊されていった高度成長時代に、立ち上がった市民運動「町並み保存運動」

OBの方には、文化庁の刈谷さんと益田さん、東大の西村幸夫先生や法政大の陣内先生、千葉大の福川先生と赤坂先生、谷根千の森まゆみさん、歌舞伎町を取材している稲葉さん、鹿島出版の森田さん、小諸の荻原さん、雑司が谷の多児さんなどなど、多くの旧友がいます。

発足から40年になりました。20代で参加して、全国の町並みを回り、実に多くのことを学びました。

都市化の流れの中で失った原風景の大切さ、

人と町や建物の関わりが希薄になってきた画一化の波、

人格形成の場であった、歴史的な町並みが失われることによる喪失感、などなど。

そして何よりも、古民家をつくった先人達の知恵と工夫。

その優れた日本固有の木組の技術体系。

ちょっと大げさですが、当事務所では木組の家づくりを通して、明治の西欧化によって断絶され翻弄された日本文化の150年を埋める作業をしている気がします。

このメンバーで、これからの日本の町並みや古民家再生・利活用に提言できることがないか模索したいと企んでいます。

 

 

 

2018年02月03日 Sat

講演会のお知らせ

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山形県鶴岡市に於いて、つるおか住宅活性化ネットワークの企画で講演会とパネルディスカッションを行うことになりました。

テーマ:「歴史的建築物、民家の良さを【つるおか住宅】へ」(仮題)

日時:2月24日(土)13:30~15:30

場所:東北公益文科大学 鶴岡キャンパス 大学院ホール

記念講演:松井郁夫 株式会社松井郁夫建築事務所 所長

          一般社団法人 ワークショップ「き」組 理事長

          一般社団法人 住宅医協会理事

          一般社団法人 地域素材利用協会理事

パネルディスァッション:司会 高谷時彦 東北公益文科大学 大学院特任教授

      パネリスト: 松井 郁夫 株式会社松井郁夫建築事務所 所長

             神田 順  東京大学名誉教授

             菊間 満  山形大学名誉教授

             剱持 猛雄 「番匠 剱持工務店」棟梁

 

 

          

2018年01月26日 Fri

寒波到来!木組の家の温熱データを公開します。

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外断熱、木組みの家「東馬込の家」は温熱性のを高め、データーを計測しています。

スマホに飛ばした数値を公開します。

詳しくはこちらから。

「東馬込の家」断熱性能の公開

2018年01月17日 Wed

【合掌】今日を忘れない -阪神淡路大震災から23年-

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1995年1月17日の未明に巨大地震が阪神淡路を襲いました。

それまでに体験したことのない地震の大きさに、当時40歳のわたくしは大きな衝撃を受けました。

高速道路が倒れたり、木造建築ばかりか大きなビルが倒壊し、密集地が火災に見舞われました。

まるで地獄を見るような、ニュース映像は今も鮮明に蘇ってきます。

6434人の人命が失われ、うち8割の5000人近くが建物や家具の下敷きになり亡くなりました。

わたしの設計人生は、23年前の今日から始まったと言っても過言ではありません。

昔から地震に強いと聞かされてきた日本家屋の耐震性が疑問視され、わたし自身の作っている建築に再度向き合うようになった日です。

しばらくしてから現地を訪れ、被害の概要を見て回り、心に決めたことが有ります。

それは、大きな地震に見舞われたとしても、「生存空間を確保する」建物をつくることです。

行き着いたのは「貫」の入った民家のつくりかたでした。

倒壊家屋の中で「貫」が効いて粘り強く残った民家を見たときの感動が、そのままわたしの設計方針となりました。

古来から先人たちの実践してきた、柱に「めり込み」大きな変形をしても、倒壊を回避する「貫の効果」を実感したからです。

その後の国の実大実験、2007年から2011年のEディフェンスでも「貫の粘り強さ」は実証されました。

2016年4月に起きた熊本の地震のように、繰り返し揺らされる地震も「貫の復元力特性」は効果的です。

わたしが「貫はやめてはいけない」をモットーに、民家に学びながら現代住宅を作り続けているゆえんです。

古民家をノスタルジーとして語るばかりでなく、災害に対する知恵と工夫の答えを内包している建物として考えてゆきたいと思います。

伝統的な日本の家は、本来の安心安全で豊かな暮らしを送ることの出来る建築であると考えています。

阪神大震災で倒壊しない納屋

阪神大震災で倒壊しかった貫で粘る納屋 生存空間が確保されている

伝統木造 実大実験 2007年筑波

伝統木造 実大実験 2007年筑波 初期剛性24トンに耐える

18㎝まで傾社しても10トンの余力あり これ以上倒壊しない

18㎝まで傾斜しても10トンの余力あり これ以上倒壊しない 変形能力が高く復元力特性が大きい

 

 

2018年01月11日 Thu

「2018古民家再生ゼミ」始動

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古民家は、民泊法施行の今年、さらに注目を集めます。

古民家を活かし、日本の伝統技術をみらいにつなぎましょう。

詳しくはこちら!

2018古民家再生ゼミ始まります!

2017年12月27日 Wed

HPリニューアルしました。

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松井事務所のHPをリニューアルしました。

「古民家再生」のページを独立させて、充実させました。

従来の「木組みの家」も健在です。

こちらからご覧ください。

HPリニューアルしました。

なお、レイアウトが混乱している場合は、ウエブの履歴を削除して見てください。

よろしくお願いいたします。

2017年12月27日 Wed

お正月休暇をいただきます

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松井郁夫建築設計事務所は、2017年12月29日より2018年1月4日までお正月休暇をいただきます。

メールは随時見ることが出来ますので、お急ぎの方はok@matsui-ikuo.jpまでご連絡ください。

みなさま、今年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

2017年12月26日 Tue

思い出のテーブル

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このテーブルを造ってくれた大工さんが亡くなりました…。
事務所を始めた時に、7枚のタモの板を衝動買いして、板と板を組むテーブルを考えました。もちろん金物は使っていません。
元家具職人だった下山大工さんに頼むと、丁寧に丁寧に組んでくれました。

寡黙な人で、一度だけ大きな声を上げたことがありましたが、いつもは穏やかな人でした。
階段を造ると、どこから釘を打ったのかわからないので、不思議に思い覗き込んでいると、ニヤニヤして僕を見てました。

このテーブルの上で、多くの建て主さんや職人さんと打ち合わせを行いました。おかげさまで、長く事務所の顔の役目を担ってくれていました。
今は自宅の食卓になっています。今夜は、このテーブルで孫たちと一緒に過ごします。

ありがとう!下山さん、むこうでも僕を見ていてくれるかな?
合掌…

2017年12月21日 Thu

古民家考②「京町家の小屋裏 ①」

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京町家は、繊細な千本格子の家並みで有名ですが、架構にはさまざまな工夫があります。
写真の斜め材は何か分かりますか?
軒先を支える材ですが、建築材ではありません。答えは、川舟の櫂です。
薄い軒先が、下がらないように桔木になっています。丈夫な櫂の再利用とは、京都らしいと思いませんか?
京町家作事組の祇園の町家の改修現場で見せていただきました。

2017年12月15日 Fri

「中落合の家2」直会

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先日上棟した「中落合の家2」のお祝いをしていただきました。

これで職人さんたちも頑張るでしょう。笑

7人の大世帯。来春の竣工です。

「中落合の家2」お祝い

2017年12月09日 Sat

「中落合の家2」上棟

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中落合の家が上棟しました。

事務所の近所なので、毎日現場に通っております。

詳しくはこちらから。

http://kigumi.jp/blog/

 

2017年12月09日 Sat

セミナーのお知らせ

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セミナーのお知らせです。2018年3月1日。わたくしの敬愛するお二人とご一緒できる機会が生まれました。
岩崎駿介さんは、都市計画家として憧れた人です。わたくしが若いころアーバンデザイナーを目指し、歴史的町並み保存運動に参加して、今があるのは、岩崎さんのおかげです!
伊礼智さんは、住宅作家として万人に好かれる設計が素晴らしいと、日頃から憧れています。作品を見てそのエッセンスを学びたいと、わたくしの主催する木組ゼミの講師をお願いしております。
今回は、インテグラルの藤間さんの企画で、「美しさ」をテーマに参加することになりました。
わたくしは、日本の住まいのルーツである民家と家づくりの仕組みについてお話しさせていただきます。歴史に埋もれた構法と社会的な取り組みが今こそ重要だと思っております。
お時間のある方は、是非お運びください。
わたくしも、お二人の素晴らしい講演を楽しみにしております。

2017年12月08日 Fri

古民家考 連載始めました。

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知っているようで知らないかもしれない、古民家の面白い話を連載します。
FBですでにアップされていますが、WEBにも転載します。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1526277344119241&set=a.114435651970091.23617.100002109705152&type=3&theater

2017年11月23日 Thu

「東馬込の家」日経ホームビルダーに掲載されました

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「民家の知恵に温熱性能を付加」というタイトルで専門誌「日経ホームビルダー」に取り上げていただきました。

木組でも温熱を実現した例として、細かな数値が専門的でわかりにくいですが、省エネ基準をクリアしている様子が掲載されております。

外皮性能は、G2レベルを超えています。日射取得率は、夏少なく冬に多く採り入れています。

一次エネルギー消費も抑えられています。基準を下回っている様子がわかります。

数値で現れるので、性能がよく見えますよね。

 

 

 

2017年11月23日 Thu

「東馬込の家」温熱の計測を始めました

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「東馬込の家」の家は、温熱向上をめざして、外断熱で付加断熱を実施しました。

10月より始めた計測結果をご覧ください。

 

  

「東馬込の家」温熱の計測を始めました

2017年11月02日 Thu

「漢方の本陣」由来

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遅ればせながら、「漢方の本陣」の由来を公開致します。

この建物は、270年前にあった大火のあとの建築と言われています。

江戸時代には、参勤交代の大名が木之本宿で宿泊する時に、この家にお姫様が泊まったとという正真正銘の「本陣」です。

それが証拠に某藩が連れていた「ウミガメ」が途中で死んだので、本陣で預かったという話があり、その剥製が飾ってあります。

また代々、漢方薬を商っていましたので、そのことと合わせて「漢方の本陣」と呼ばれるようになったようです。

明治時代には、薬剤師第一号の免状を取得しています。

ご紹介が遅くなりましたが、これが「漢方の本陣」の由来です。

調査、設計から3年。従前の温湿度を計測しながら、いよいよ再生工事が始まります。

   

 

2017年11月01日 Wed

「中落合の家2」木材検査に行ってきました

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「中落合の家2」は、少し大きな三世代住宅です。

木材は、履歴のわかる天竜TSウッドから入りました。雨の中、棟梁と一緒に番付を打ってきました。

詳しくはこちらから。

「中落合の家2」材料検査

2017年11月01日 Wed

「漢方の本陣」温熱計測をはじめました

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270年前の古民家「漢方の本陣」の改修前の温熱の計測が始まりました。

古民家の再生には、耐震はもちろんですが、暑さ寒さを感じない断熱計画が大切です。もちろん省エネにもつながります。

今回の計測は従前、従後の計測を実施して計算値ばかりでなく、実際の数値を知ることが必要と判断し実施しました。

建物の座敷の床下と室内、小屋裏と外気に計測器を取り付けました。手元のスマホで随時数値がWi-Fiから確認できるようになっています。

写真は、外気と小屋裏の設定が逆ですが、温度と湿度がライブでわかります。

完成後の測定が楽しみです。

  

 

2017年10月14日 Sat

「浜田山の家3」建前見学会大盛況でした

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一日延期させていただき、快晴のなか建て方が始まりました。

多くの見学者の中に、富山から来た大工さんがいましたが、この日の建て方に飛び入り参加!

貫のある建て方は初めてと言いながら、ベテラン大工に混じって最後まで手伝ってくれました。

ちゃんと着替の服を持ってきたところが立派。次回の「中落合の家」の建て方も手伝いたいとか?

木組みを好きになってくれる仲間が増えて、嬉しい限りです。

マスコミの取材の方や教え始めたばかりの日大の学生さんも来てくれました。

木組みの家を建てようと考えていらっしゃる建主さん候補の方も2組。熱心に見学されていました。

「金物を使わずに組み上がる木組はいいですね。」と嬉しいコメントをいただきました。

建主さんも、一日で組み上がる速さと一致団結した職人のチームワークに感激されていました。

美しい架構の堂々とした「せがいの家」。完成が楽しみです。

 

2017年10月06日 Fri

保育園+マンション 木のフレームが入りました

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基本設計を終えて概算中ですが、保育園の内部に木製のフレームで年齢の違う子たちの仕切り扉をつけることを考えました。

床も天井も無垢の木を貼りますが、柱や梁を木で作るのもいいかもしれない。

子どもたちには、少しでも自然の素材に触れて育ってほしいですね。

ちなみに外のルーバーも木製です。こちらは日射遮蔽のために考えました。

RCの建物ですが、木の香りのする保育園を目指しています。

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