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2022年11月04日 Fri

コラム「超高層ビルも古民家も柔構造」

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霞ヶ関ビルの解体が始まっています。日本で最初の超高層ビルで36階建て。設計は池田武邦、構造設計は武藤清、工事は鹿島建設1968年竣工。武藤清はこの工事を請け負うために鹿島建設社長に就任、超高層ビルに適した柔構造を採用しました。柔構造は五重の塔からヒントを得たと言われています。
1923年(大正12年)には日本建築の耐震化について「柔剛論争」が起こり。武藤清の師匠、東京帝国大学の佐野利器は「剛構造」を唱え「柔構造」論を主張した海軍省技師の真島健三郎と対峙しました。第二大戦が始まり決着を見なかったと言われていますが、佐野利器の愛弟子武藤清による霞ヶ関ビルの柔構造採用で結論は出たのだと思います。
古民家の構造設計も、柔構造の考え方を採用した「減衰計算」という力をいなす考え方「限界耐力計算」で考えるべきだと思います。
松井事務所の古民家は全て「限界耐力計算」を採用しております。「木組ゼミ」という勉強会では「古民家再生講座」で「限界耐力計算」を講習しております。