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2022年11月03日 Thu

コラム「古き民の声」

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みなさんこんにちは、いつか古民家になるような丈夫で美しい木組みの家をつくりたいと想い続けている松井郁夫です。
このコラム欄では、日々の設計から考える家づくりのことや環境問題のことなどを綴っています。今回は現代古民家について書きました。

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古き民の声
僕は、もしかすると物欲が薄いのかもしれない。モノとしての物欲より、モノに宿る精神に魅力を感じる事が多い。モノに宿る声をいまに伝え、みらいにつなげたいと思う。それと同時に過去ともつながりたいと思う。つまり建物をつくったときの精神を永続したいという気持ちだろう。だから、流行りの物には興味がない。
物に欲がなく、流行に興味を感じないのは、建築にたずさわるにデザイナーとしては、欠陥であり向いてないのかも知れない。(笑)
古い城下町に育ったせいか、古びた民家の自然素材に永続性を感じる。だから古い建物の前に立つと先人たちの精神を感じ、むかしの声が聴こえてくる気がする。
名もない職人たちの声と自然の素材。それらの融合とみらいへのつながりを求めて、現代に古民家を再生したい。新しい建物も「いつか古民家になる」ようにつくりたい。それを現代古民家と呼びたい。