プロジェクトレポート
2023年04月25日 Tue
美しくて暖かい家をつくりたいと考えている松井郁夫です。
今回は「設計者」と「職人」との協働について考えてみました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古くて新しい問題ですが、設計者と職人の協働はなかなかうまくいきません。
「口は出すけれどお金は出さない」という「設計者」は「職人」に嫌われています。
現場で何度も変更して平気な「設計者」はもっと嫌われます。
だいたい「職人仕事」に理解がないように思われています。
それもそのはず「職人言葉」の分からない「設計者」が多いのです。
なぜなら学校では建築設計を習っていても大工職人の仕事は習いません。
明治以来、西洋の建築学の教育を受けてきているので、日本の家づくりに縁が浅いのです。本来は日本建築の源流である「民家」から学んでいなければならないのですが。
文明開化当時の日本は「西欧化」を急ぐあまり海外の技術を取り込む教育に舵を切りました。あまりにも身近で普通であったために、それまでの大工職人の技術を積極的に評価しようとしてこなかったのです。
日本の大学の建築教育では大工に教えを乞うことはしないで外国から建築家をまねいて市庁舎や学校を建てました。
それでも大工職人は古くからの技術を「徒弟」の社会で口伝により最近まで手仕事の技術として生きてきました。いまではその「徒弟制度」もなくなり「プレカット」という機械が木材を刻む時代になりました。
ますます「設計者と職人の協働」の機会は減りました。いずれは「設計者」も「職人」もいなくなるかもしれません。
すでに「2001年宇宙への旅」に描かれたコンピュータの「ハル」が生活を支配する時代が来ているのでしょう。AIが人の質問に答える「チャットGTP」の時代ですから…。
「設計者と職人の協働」によって「豊かな住まいをつくろう!」という話をしようとしていましたが何やらあらぬ方に矛先が向かいました……(汗) 続きは後ほど…