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2023年06月26日 Mon

コラム「職人新世の住宅論」

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昨日NPO木の建築フォラムと建築士会連合会の主催する第17回「木の建築賞」の受賞式がありました。
17年を数える木造建築の顕彰を行っている団体ですが、今回は職人さんで施工も設計も実践している「望月茂高」さんが「大賞」と「木の建築賞」のダブル受賞をされました。詳しくはこのコラムでもすでに前回紹介いたしました。
受賞された望月茂高さんは、伝統構法で社寺や住宅を施工している工務店さんで、親父さん望月昭さんの代からのお付き合いです。
設計者や建築事務所の受賞者が多い木の建築賞の中で職人さんが「大賞」に輝くのは大変嬉しいことです。

むしろ設計のうまい職人さんが現れたことが新しいニュースです。
考えてみると、これまで「木の建築賞」に入賞した広島佐々岡さんも設計のうまい施工もできる職人さんです。

当事務所の主催する「木組のデザインゼミナール」出身の北海道の木村さんや長野の菱田さんも同じく職人さんで設計しています。
通称「木組ゼミ」は職人さんと協働できる設計者を育成することが目的でしたが、どうやら設計できる職人さんを育成していたようです。今からどんどん新しい職人種が増えてくるかもしれません。
この傾向を「人新世」になぞらえて「職人新世」と呼ぼうと思います。

家づくりのニューウエーブ「職人新世」の住まいづくりに期待します。これからの木造住宅は、これまでの設計者は大変かもしれませんね。

写真は授賞式の様子。松井が受賞者の望月茂高さんにコメントしているところです。