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2023年01月06日 Fri

コラム「自然素材の家づくり」

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いつか古民家になる「美しい木組の家」をつくりたいと願ってる松井郁夫です。

今回のコラムは、当事務所が取り組んでいる「自然素材の家づくり」をお届けします。

快適な体感温度につて書きました。

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自然素材を使うわけ

わたしたちのつくる家は、無垢の木と漆喰の家です。柱や梁には、無垢の木を使います。木は杉や桧です。壁には漆喰や土壁を使います。漆喰は無垢の木との相性がよく、白い土壁との美しいコントラストをつくり出します。

自然素材の体感温度の良い家です。いわゆる石油から作り出した化学物質ではないので、シックハウスはありません。

快適な体感温度は、室内の温度では決まりません。室温と周壁の温度の平均値が体感温度となります。例えば、室温が15度で壁の温度が25度ならば、体感温度は20度となり快適に感じます。エアコンなどの強制的な室内空気温度の設定は、むしろ不快な室温になってしまいます。

無垢の木や土壁などの自然素材は、内部に熱を蓄熱して輻射熱として放熱します。この輻射熱が多孔性の壁を持つ室内の人にとって心地よいのです。

これはビニールクロスを貼った室内では体験できません。壁の素材が呼吸しないからです。

木も土も多孔性の素材です。表面は滑らかですが、目に見えない小さな孔がたくさん空いていて、室内の湿度の高いときには、孔の中に湿気を呼び込み、乾燥していると孔から湿気を放出します。「吸放出性能」と言います。

どちらも湿気や温度を調節する「調温湿機能」も持っているのです。

つまり、人の皮膚と同じような働きをするのです。床に無垢の木を使い、壁に漆喰を塗り、天井に無垢の木を貼れば、中で暮らす人は快適な気持ちになるはずです。

人は昔から地球上の生物や鉱物などの自然の素材を利用してきました。

人も自然の一部と考えれば、土や木は最も親和性のある素材です。その素材を使って家をつくるのであれば、その家の居心地はきっと良くなります。

無垢の木や土壁の家は、地球資源として持続可能な素材であり、素材の美しさや、使い勝手は快適な空間を約束してくれます。まさに真の豊かな空間をつくるのです。