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2024年01月05日 Fri

輪島の震災について

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暖かくて丈夫な家をつくりたいと願っている松井郁夫です。

2024年の元旦に起きた能登半島を襲った地震についてお送りします。

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能登半島の地震は先頃まで頻繁に起きていましたが、ついに震度7の大震災を引き起こしました。

今回の地震で地殻が西に最大1.3M移動し0.8m隆起したと言われております。

火山性の地震ではなく地下水の圧迫による地殻の変動が原因だということです。

能登には志賀原発があります。幸い休止中で大きな被害はなかったということですが冷却水のプールが溢れたりオイルが漏れたり少なからず異常は認められました。

このあたりは断層が幾筋も認められる地震の巣です。もし稼働中であったら?被害の大きかった珠洲に原発が作られていたら?

思わず福島の原発事故が脳裏をよぎりました。

輪島市内の朝市の立つ繁華街は火災が街を襲い壊滅的な崩壊となりました。

被害に合われた市民のみなさんと街の一刻も早い復旧を望みます。

それにしても地震災害の多発する日本の緊急支援措置はお粗末です。

避難所になっている寒い体育館に身を寄せる人たちのプライバシーは確保できていないし仮設トイレや非常用の水・食料もすぐに底をつく有様です。

市内の日本家屋はことごとく倒壊しています。老朽化した家屋の屋根は重い瓦で壁は土壁です。

高齢者が多くて耐震化率も低かったと聞いております。

建築に関係する身としてはニュースで映像が流れるたびに歯がゆい思いがします。

日本の家はこんなにも地震に弱いのか?自分の造っている建物は震度7にも耐えるか?自問自答が続きます。

大地震の度に建築従事者に与えられた責任の大きさを痛感しないわけにはいきません。

阪神大震災のときの惨状を見かねて丈夫な木の家のつくり方を「木造住宅【私家版】仕様書」に執筆したのも28年前の40歳でした。

設計者の使命として第一に「命の守る家つくり」を社会的責任と心がけて設計を進めていきたいと思います。