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2022年10月12日 Wed

コラム「都市設計=アーバンデザインにあこがれて」

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みなさんこんにちは、いつか古民家になるような丈夫で美しい木組みの家をつくりたいと想い続けている松井郁夫です。
このコラム欄では、日々の設計から考える家づくりのことや環境問題のことなどを綴っています。
今日は「都市設計=アーバンデザイン」について書きました。
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人は集まって暮らすことで、豊かな社会をつくるのだと思います。都市はまさに、多くの人々の集住の現れです。しかし、人口が集中することで、さまざまな問題も起こります。
そこで「都市計画」が必要になります。快適な空間をつくるために道路や上下水道のインフラストラクチャーの整備や人口が密集して不具合が起きないように土地の用途を決めて建物に制限をかけたり、緑地や公園を配置したりすることです。
さらに、それらの多様性を維持しつつ調和を整えるために、デザインする「都市設計」が必須となるのです。
そのための「ルール」づくりを「アーバンデザイン」と呼び美しい街をつくる仕組みとなります。
日本の各地に残る「伝統的建造物群保存地区」は昔からまちづくりの決まり事がありました。そこには大工職人たちの口伝による「美しさ」の基準もあります。「相場崩しはするな」という近隣関係の調和を図る自主的な規制もありました。
ところが日本では、敗戦後に「建築基準法」が施行されましたが、そこには「美しさの基準」がなかったために周辺の景観に無関係な建物が建ち、各地で現在のような混乱した町並みを生んだのだと思います。
いまこそ「都市設計=アーバンデザイン」による秩序と調和が必要なのではないでしょうか?
かつて岩崎駿介さんが「横浜都市デザイン室」で実施した美しい街のように…。