プロジェクトレポート
2015年03月31日 Tue
現在募集中の「木組のデザインゼミナール」には、入門コースに美術の時間があります。木組みの設計を学ぶ前になぜ美術なのか?少し書いてみました。
美術は、デザインを実践する上で欠かすことのできない要素です。よくセンスの問題と言われますから、本来持っている感性であって訓練できないものと思われがちです。
しかし、美術も技術です。技術を身に付けることで、美しい感性を磨くことができます。
美術は色彩感覚や立体感覚を身に付ける技術であったり、プロポーションやバランスを計る技術です。それは、訓練によって身につけることができます。デッサンや、色面構成や立体構成は、そのためのエクササイズです。
さらに、重要なことは自分の作業に対して「全体感」や「観察眼」を持てることです。
例えば、デッサンでは対象物を見つめながら、光と陰をつかまえます。描き進める上で、常に陰の暗さや光の明るさを画用紙に落としながら、鉛筆を走らせますが、いつ止めてもいいように、画面全体の進め方を気に留めながら完成に至ります。
そのことは取りも直さず、作業の全体を俯瞰する訓練になります。全体の完成をイメージしながら、部分を書き進めることは設計の仕事を進める上でも大切です。
なぜならば、部分を集めても全体にはならないからです。よく勘違いしがちなのですが、詳細な部分の描き込みが絵をつくると思われがちですが、部分を集めても美しい全体にはならないのです。デッサンでは、描きながら画面全体を俯瞰する能力が必要なことを学びます。
また、対象物を長い時間観察することで、見慣れた静物にも新しい発見があります。発見は新鮮です。絵が生き生きとしてくるのは、発見の連続があるからです。
実はこの「全体感」と「観察眼」が感性を磨く秘訣なのです。感性は、美しさを見つける観察眼であり、全体感を身に付けることなのです。
どうぞ、美しいを技術身につけたいと思われる方は、木組ゼミの入門コースから始めてください。美術は、絵を描くことで、思いがけない方向から、感性を身に付ける訓練にもなります。