プロジェクトレポート
2022年10月07日 Fri
みなさんこんにちは、いつか古民家になるような丈夫で美しい木組みの家をつくりたいと想い続けている松井郁夫です。
このコラム欄では、日々の設計から考える家づくりのことや環境問題のことなどを綴っています。
今日は「都市の緑化」について書きました。
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すでに日本の人口は減少し始めています。
内閣府の統計によれば2021年10月に1億2550万2000人であった人口は、11年連続の減少となり2045年には1億人を割ると言われています。
そのため人口減に伴う都市部の「空き家」や「空き地」が増えています。
「空き家」の利活用は、耐震補強により耐用年数を伸ばし再び住宅や施設として使うことが考えられます。
一方「空き地」の利活用は、公共が買い上げて公園や農園に利用することが考えられます。
最近読んでいる本で「まちを変える 都市型農園」新保奈穂美著 学芸出版社刊があります。
身近なまちなかに増えた「空き家」や「空き地」を見て読み始めました。
この本には、世界中の都市の隙間を利活用するゲリラ的なガーデンの事例が出ています。日本の事例もあり住民の緑地に対する思いが伝わってきます。
現在世間を騒がせている「神宮外苑」に再開発に伴う樹木の伐採問題は、陳情運動に友人が関わっていることもあり、都市の緑について更に深く考えるようになりました。
人間には緑が必要です。人工的な空間で豊かさを感じることには限界があります。前々から都市には緑が足りないと思っていて、殺伐としたコンクリートジャングルに緑あふれる森をつくれないかと漠然と考えていました。
そこで増え続ける「空き地」を集約して森に出来ないか、と考えるようになったのです。
今では開発行為にばかり名前の出てくる「都市計画」には、本来都市の人間を豊かにする夢があったはずです。都市の空き地を森に変える仕組みも都市計画によって可能ではないかと考えます。
少なくとも「アーバンデザイン」が横浜で始まった50年前には緑と都市は共存していました。
街なかを15分も歩けば森があるという都市生活って素敵だと思いませんか。