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2008年09月29日 Mon

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『月刊左官』に掲載されました

名著『左官礼讃』を書いた小林澄夫さんが編集長を務める『月刊さかん』に「宮原の家」が掲載されました。
いつも松井事務所とワークショップ「き」組で左官をお願いしている芳賀さんの見事な仕事が、巻頭に見開きで載っています。

『月刊左官』に掲載されました

2008年09月26日 Fri

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京都・「作事組」の活動

京都の「作事組」という京町家再生に取り組む人たちに、会うことができました。ご存知のように京都の町も古い日本家屋が激変しています。京都らしい町家が京の市中からなくなりそうな勢いです。
そんな中で京町家を丁寧に直している活動グループが「作事組」です。歴史は古く、「京町家再生研究会」という活動母体が始まりです。多くの町家の改修した実績を持ち、建て主さんを中心とした「京町家友の会」もあり、オーナーがオーナーを呼ぶという市民的な広がりとなっています。

見学会にも参加しましたが、設計者や工務店ばかりでなく、オーナー自身が京町家をよく理解していて、次の世代に引き継ぐ覚悟をもっている姿に感動しました。いわく「自分達の世代のわがままな改修ではなく、いつの時代にも誰にも使えるスタンダードな改修を目指す。」元気な女性の活動家もいて、なんだか元気の出る会でした。

京都・「作事組」の活動

2008年09月22日 Mon

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全国町並み保存連盟「卯之町大会」

30年前から全国の歴史的な町並みを守ろうという市民の運動が展開されてきました。ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、今年で31回目になります。10月11日から13日まで、愛媛県宇和町で開催されます。伝統的な家々がつくる町並みの保存を訴える大会です。
建築家の吉田桂二先生が中心で進めている大平宿は7回目の開催地でした。もう23年前になります。
今年は住まいの再生で京都の「作事組」のお話しが聞けます。皆さんご参加の上、卯之町の街づくりにご意見をください。

詳細な案内はコチラ>
全国町並み保存連盟「卯之町大会」

2008年09月20日 Sat

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住む。

出版社=泰文館 / 1,200円

豊田の家(ワークショップ「き」組)」の建主さんが、自身のブログに家ができていく過程を丹念に綴っていたことがきっかけで取材をうけました。 都下とは思えないほど緑に恵まれた敷地に建った木組みの家。自分の家に使われる徳島杉の伐採ツアーにも参加した、熱心な建主さんの声を中心にワークショップ「き」組のしくみも詳しく取り上げています。伐採ツアーの様子や、職人さんたちの声、工事価格の明細など12ページにわたって掲載された特集です。

2008年09月18日 Thu

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千倉「大工塾」のお知らせ

いつも海水浴に行っている千葉県の千倉で、今年は「木組みの家」の話しをすることになりました。セルフビルドを目指す人たちを集めて、本格的な伝統の木組みで、山小屋を建てようという企画です。いつも何か企んでいる?千倉の地元の仲間達から生まれた楽しい企画です。
興味のある方はどうぞご参加ください。
お問い合わせお申し込みは、
南房総市観光協会千倉支部:
TEL 0470-44-3581
Fax 0470-44-2317

2008年09月13日 Sat

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「上田の家」サッシも入り工事は順調です

外壁の下地が塗られると建物にボリュームが出てきます。サッシも入って完成の雰囲気が見えてきました。

十字の軸組み、構造的にもデザイン的にも「上田の家」の要になっています。

 

のびのびとした平屋の家だから実現した遠くまで抜けていく空間です。
家に入ってくる光と影をコントロールする、ゆったりとした軒は日本家屋の特徴です。

2008年09月11日 Thu

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NPO木の建築フォラム「木組の家づくり」講座受講生、まだまだ募集中です

「私家版」仕様書メンバー(宮越、小林、松井、渡邊)による「木組みの家づくり」講座の受講生を募集しています。締切を過ぎましたが、まだまだ募集中です。1回毎の受講も可能です。随時募集します。
「木組みの家」に挑戦したいと思いながらもなかなか踏み出せない設計者や工務店の皆さんに、スライドを交えながらわかりやすく「木組みの家づくり」を解説します。私家版メンバーによる伝統構法の入門講座です。

なお、本講座は(社)東京建築士会CPD制度の単位認定講座ですので、1講座につきCPDを2単位取得することができます。

ぜひお誘い合わせの上、奮ってお申込み下さい。

(上の写真はイメージ写真です)

2008年09月08日 Mon

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会津・喜多方「長床」

3月の雪景色のスケッチです。建物は長床(ながとこ)という鎌倉時代の拝殿です。
正式には新宮熊野神社の拝殿です。社伝によれば源頼義、義家親子が「前九年の役」天喜3年(1055)陸奥征討に赴いたとき、武運を祈って紀州熊野から熊野堂村(現在の河沼郡河東町)に勧請鎮座したのが始まりで、後に「後三年の役」で再びこの地を訪れた義家が、新宮の地に移すよう命じ、寛治3年(1089)完成といわれています。
この建物の魅力は、パルテノン神殿を思わせるような、丸柱の列柱によるシンプルで力強い架構にあります。この架構を見ていると、構造の純粋さと単純につくること大切さが伝わってきます。印象深い構造体は、どなたにも一度は見に行ってもらいたいと思える感動があります。(画・文 郁夫)

会津・喜多方「長床」

2008年09月03日 Wed

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本の紹介「工匠たちの技と智恵」太田邦夫・著

最近続けて興味深い本が出版されました。
今日ご紹介する本は「工匠たちの技と智恵」太田邦夫・著(学芸出版)です。この本は建築士会の機関紙に連載されていた、世界中の木造建築の、伝統的な技術と智恵の紹介です。
面白いのは没頭のイランの「床が横に動く家」です。なぜ横に動くのかは、読んでのお楽しみですが、イランが地震国だといえばもうお分かりでしょう。
太田先生は一昨年まで「ものつくり大学」で教鞭を執ってらっしゃいました。木造を志す学生達と、行田の町に残る古い建物の実測調査や作図を指導されていました。
退職後に、これまで撮りためた写真を整理されて、今回の出版の運びとなったようです。日本の伝統構法の見直しが進む今の時期に、世界の伝統的な建物を知るのも面白いと思います。(文・松井郁夫)

2008年08月29日 Fri

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上田・蛍舞う丸子の家

夏も終わりに近づき、外は大粒の雨が降っています。みなさん夏は楽しまれたでしょうか?
先日、このブログのタイトルのお宅から手紙が届きました。うれしい蛍のお便りです。
「前略 暑い夏ですが、お元気でお過ごしのことと存じます。
今年は、蛍の時期にお目にかかれず残念でした。今年の我が家の蛍は良かったですよ。いつも多くて10匹ばかり、大体数匹程度でしたが、今年は15匹以上出ていました。
光の大きな源氏蛍のようで、約2週間ほど、浴室の窓を開放して幻想的な光の舞を楽しみました。お湯をぬるくして、一時間以上お風呂に入っていました!最高の贅沢!
まさに「蛍舞う、丸子の家」でした。お見せできず、本当に残念でした。来年はぜひ見物にお出かけください。後略」
この家の境界の脇に、小さなせせらぎがあります。設計の折に、そのせせらぎに向かってお風呂をつくりました。蛍の舞う風景を想像していましたので、本当にうれしいお便りです。(画・文 郁夫)

上田・蛍舞う丸子の家

2008年08月28日 Thu

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NPO木の建築フォラム講習会【私家版】木組の家づくり講座受講生募集

「私家版」仕様書の執筆メンバーと伝統構法による「木組みの家づくり」を目指す専門化向けの講座を開催します。「木組みの家」を建てたいと思いながら、なかなか踏み込めないと考えている設計者や工務店の皆さんに向けて、ワークショップ「き」組の実践事例や木造住宅の歴史や基礎的な木材や架構の知識をお話します。
伝統構法による木組みの家づくりのへの入門コースです。最終回には皆さんとともに質疑方式でワークショップを実施し、お悩みにお答えします。 
みなさんも木組みの家づくりを実践しませんか?

詳しくは松井事務所HPへ。

2008年08月27日 Wed

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「善福寺の家・Ⅱ」構造見学会のお知らせ

残暑の厳しい折ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
この度「善福寺の家・Ⅱ」が上棟の運びとなり、
建主さんのご厚意で2008年9/6(土)11:00~15:00に
構造見学会を開催することとなりました。
公園にほど近い住宅地にパティオのある木組みの家が建ちます。
建主さんはWS「き」組の環境への取り組みに賛同してくださる方で
天竜の植林ツアーにも参加しました。
構造材は天竜TSドライです。
施工はベテランの渡辺棟梁、設計は松井事務所。
骨組みの見える構造見学会は、
伝統構法による木組みの醍醐味を味わえる、またとない機会です。
どうぞ皆さんお誘い合わせの上ご高覧下さい。
大勢の皆様のお越しをお待ちしております。

※見学をご希望の方は事前に事務局までご連絡下さい。
詳しい地図をお送りします。

>内覧会案内のPDF版はこちら

「善福寺の家・Ⅱ」構造見学会のお知らせ

2008年08月13日 Wed

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「上田の家」屋根が葺かれました

ガルバリウムの屋根が葺かれ、建物の全体感が見えてきました。

内観です。間取りがスッキリしているので、本当に広々として爽快な家になりそうです。

 

この家を支える立派な大黒柱です。
玄関からまっすぐ抜ける廊下。子供たちが走り回る姿が目に浮かびます

2008年08月13日 Wed

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大分・七島藺

畳表の原料「藺草」の産地をたずねて、大分県の国東半島に出かけました。「豊後表」と呼ばれる「藺草」は、「七島藺」と呼ばれる琉球原産の草です。柔道畳や農家の囲炉裏端で使われる田舎畳を「琉球畳」というのは原産地の名前です。火気にも強い耐久性のよさが「七島藺」の特徴です。草の断面が三角なので三角藺ともいいます。国東半島の城下町「杵築」には青筵神社という藺草の神様を祭る神社までありました。
スケッチは、藺草の畑に茅葺の民家が残っていたので、つい嬉しくなって描きました。茅葺の葺きかたは櫛を針目覆いで覆う南方の形式です。真夏の日差しが刺すような一日でした。

大分・七島藺

2008年08月04日 Mon

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本の紹介「民家のしくみ」

きょうは最近読んだ本の紹介をしたいと思います。
「民家のしくみ」環境と共生する技術と知恵・坊垣和明著(学芸出版)
伝統構法の見直しとともに、脚光を浴びる古民家ですが、この本には民家が、気候風土に対応し、美しい日本の風景をつくってきた「しくみ」を解き明かしています。
全国73個所の地域の民家を訪問し、気候風土に対応した形や伝統技術を具体的に紹介しています。民家には、これからの環境問題を解決する知恵が、すでにあると考えさせる一冊です。
著者の坊垣さんは前独立法人建築研究所・首席研究員、現在は武蔵工業大学教授です。
バウギオロギー研究者で、コンペ「大地に還る家」「真の日本のすまい」審査委員でした。

本の紹介「民家のしくみ」

2008年07月13日 Sun

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「上田の家」屋根の工事中です

屋根を施工しています。この大きな屋根が家全体のプロポーションを決める要です。

 

化粧野地板。室内は小屋組みが見えます。木組みの醍醐味です。
 フォレストボードという杉皮の断熱材。100mm入れて冷気と熱気をしっかり防ぎます。

2008年06月30日 Mon

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淡路島・だるま窯

取材で淡路島に行ってきました。淡路島は日本でも有数の瓦の産地です。良い土が取れるところから、瓦を焼く技術が根付いたものと思われます。
カメラマンから転身して瓦を焼いている「カワラマン」山田脩二さんを訪ねました。むかしながらの瓦を焼くために「だるま窯」の製作の真っ最中でした。「今の銀黒瓦は均一で面白くない。風化してなお美しい焼きムラのある瓦が焼きたい。」
土の織りなす詩情あふれる甍の波。実現したい屋並みの風景です。

淡路島・だるま窯

2008年06月28日 Sat

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「宮原の家」完成しました

 

松丸太のダイナミックさと茶室の繊細さの調和です。軒下の犬走りが建物を引き立てます。

 

きれいな材を使った式台。カウンターもちょうどいい高さになりました。
十和田石を張った浴室。木は桧を使っています。

  

たくさんの蔵書を管理する書斎です。木製サッシと階段に趣向を凝らしました。
 せまい場所でスムーズに上がる工夫をしました。段板ごとに左右の幅が違います。

 

水屋です。細かなところまでつくりこみました。お茶会にはたくさんの人が招かれることでしょう。

 

2008年06月28日 Sat

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「宮原の家」完成しました

数寄屋の趣と民家の力強さを兼ね備えた純和風の平屋建て

 

周りを生産緑地に囲まれた、空の広い宮原の敷地に、平屋建ての木組みが建ちました。

埼玉県宮原の地に純和風の家が建ちました。
「終の棲家を」という建主さん。豪快な松梁のある居間、お茶室と水屋、
たくさんの蔵書に埋まる書斎、数奇屋と民家の融合する住まいです。
熟練の技とコンビネーションで数寄屋の趣と民家の開放感を紡ぎ合わせました。

構造材はTSウッドの徳島杉。
施工は渡辺工務店。松井事務所と22年のコンビを組む渡辺正司棟梁の仕事です。

竣工おめでとうございます!

 

施工  渡邊工務店
設計  ㈱松井郁夫建築設計事務所
撮影  奈良岡忠 松井事務所

 

 

2008年06月17日 Tue

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「宮原の家」完成内覧会を終了しました

「宮原の家」完成内覧会が14日に行われ、好評のうちに閉会しました。

当日はよく晴れて、絶好の内覧会日和でした。建主さんから訪れた方皆にお抹茶とお菓子が振る舞われ、お茶室やデッキでくつろぎながら、ゆっくりと建物を感じていただくことができました。

遠くから足をお運びいただいた方々、誠にありがとうございました。