プロジェクトレポート
2024年11月15日 Fri
言うまでもないが当事務所では「木組の家」を実践している。
「無垢の木」を伝統的な構法で組み地震や台風に強い家づくりを目指している。
もちろん職人による「手刻み」の仕事による一本一本の材料を丁寧に仕上げ、そのまま見せる「真壁」構法だ。
日本の気候風土に最も適したつくり方だと思うからである。
現在も新築はもちろん古い建物の改修も伝統の「継手・仕口」を駆使している。
こういう仕事がしたいという「職人」は自然と集まってくる。
「木組の家」に住みたいという「施主」も必ずいる。
年間数棟の仕事を楽しんでいるが、仕事が重なると「職人」が不足するので、木組みの勉強会「木組のデザインゼミナール」を21年続けている。
「プレカット」全盛の時代になって「手刻み」を知らない世代が増えたから、いまや大工や設計者の育成は急務だと思う。
新築は「プレカット」でもできるが、「古民家」は解体する時から接合部を壊さないように気をつけなければならないので、「継手・仕口」の仕組みを知らないと「再生」が出来ない。
最近まで国土交通省が「大工育成塾」を主催してくれたが、今は自主的な塾になった。
大工になりたい若者も20年で半減した。3Kと呼ばれる職場環境も悪く仕事に魅力がないのだ。
やりがいのある仕事を作ることが必要だと考えている。出来上がった時の「達成感」は何者にも代えがたいからだ。
無垢の木が織りなす「木組」の水平垂直の美と「真壁」の美しさを知ってほしい。