プロジェクトレポート
2024年12月25日 Wed
「民芸調」という言葉をよく耳にした時代がありました。
「家具」や「室内装飾」に使われた言葉で「民藝運動」の盛んだった頃の流行りでした。
「民藝運動」は大正末期から昭和初期までに柳宗悦、河合寛次郎、濱田庄司らによって始められた工芸品の再評価運動です。
それまで見過ごされてきた日常の生活器具類に美的価値を認めようと「用の美」を唱え、「雑器」と呼ばれる名も無い工芸品に光を当て、イギリスの「アーツ・アンド・クラフト運動」と比較されました。
あまり意識されていませんでしたが「民芸」「民具」「民家」の3つの「民」の運動を先導したのは「民家」です。
「民家」はあまりにも身近にあったので話題にされなかったのです。
しかし、いま「民家」は日本建築の源流として見直されてきています。
現代の「古民家ブーム」が正にそのことを証明しています。
「民藝運動と建築」(2010年12月6日・淡交社初版発行)