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2024年11月25日 Mon

建築の話をしよう㉑家族と家

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建築の役目とは何であろう?と考える時、ひとつには安全安心の「シェルター」を提供することであろうと思う。

もちろん災害に強く長く使えるように丈夫で美しい「風景」となる「家」を創る必要もある。

さらにさまざまな社会の問題を解決するために建物を建てることも大切な役目であろう。

人々の「心」の拠り所となる差別や分断のない「場」の提供である。

モダニズム以降における建築は「幾何形体」の組み合わせによる「空間」の連続を指すようになった。

「空間」は単なる箱ではなくて、人と人の「心」に密接に関係していて「コミュニケーション」の場を提供し「快適性」や「癒やし」を創り出す。

そういう意味で「家」は人が帰るべきところであり、社会の一単位を形づくる「家族」の大切な容れ物と言える。

さらに「人格」を形成するには欠くことが出来ない「団欒」の器である。

だから「家づくり」は「住まい手」の言葉に耳を傾け「つくり手」の技に信頼をおいて、「家族」のために丁寧に進めなければいけないと、想うこの頃…。

 

八郷の秋2006年