プロジェクトレポート
2018年04月10日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | お知らせ | 浜田山の家III
建設を進めておりました「浜田山の家Ⅲ」が完成いたしました。
建主様のご厚意で、内覧会を開催することになりました。
「せがい造り」という二階が一階よりせり出した建物です。
和船から学んだ、伝統構法の家です。
金物に頼らない「木組」の醍醐味をどうぞ、ご堪能ください。
所員一同、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
2018年04月03日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 八王子の古民家再生
東京都内では、めったに残っていない茅葺き民家の再生ですが、このたび茅をおろしました。
大量の茅に、解体を担当した職人は真っ黒くろすけです。
いよいよ骨組みが現れます。ワクワクしますね。
2018年03月31日 Sat
義叔父の家「西荻窪の家」が壊されることになりました。
わたしが木組の家を目指すきっかけになった、建築家:小川行夫先生の作品です。
妻と結婚してすぐの宴会の後に、義叔父に連れて行かれた家の衝撃は、今でも忘れません。
低い塀の向こうにたたずむ真壁の平屋。和風なのにどこかバタ臭い外観。
玄関に入ると正面には、ドウダンツツジ。美しい床板の厚みと感覚を確かめたくて、思わず靴下を脱ぎました。
庭に生えていた桐の木を床柱にした茶室。入り口の切目縁。月見台の頭上に掛けられた、弓なりの丸太梁。
スキップした床の階段は、元の家の無垢の梁材。床から浮いた食堂の家具。
廊下の突き当りはガラスの壁。そこに突き止めの戸が当たるディテール。
深い思考の末に、練り上げられ、造られた「木組のモダニズム」だと思います。
数年前に義叔父は一人になってしまって、このたび敷地ごと売ることになりました。
この家に出会わなければ、今の自分はいなかったと思います。
わたくしの人生を変えてくれた家とのお別れは、本当に悲しくて、残念です。
いましばらく、壊される前のひとときを、じっくり味わいたいと思います。
義叔父の厚意で、見学会を開催させていただくことになりました。
追ってご案内いたしますが、参加ご希望の方はメールにてお知らせください。
4月22日を予定しております。
2018年03月27日 Tue
270年もの間、徐々に傾いてきた北国街道の町家「漢方の本陣」。
何度かの補修の跡が見られますが、貫の入った壁のおかげで、倒壊を免れてきたようです。
これまでの改修で外された足固めを入れ直し、柱を根接ぎし土壁を落として傾きを直します。
昭和56年の豪雪のあとに入れられたと思える、鉄骨の架構も今回は外します。
創建当時の架構に戻し、本来の骨組みに現代の生活を反映します。
一年をかけて、再生する様子を逐次報告したします。
もう200年生きる民家に生まれ変わります。
2018年03月26日 Mon
木組の醍醐味が味わえる「せがい造り」の家が、完成いたしました。
建主様のご厚意で完成内覧会を開催いたします。
金物に頼らない、無垢の木と木を組み上げたダイナミックな構造です。
二階が一階よりのせり出して、まるで船のように見えます。
この機会にぜひお運びください。
2018年03月19日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 八王子の古民家再生
古民家というと、暗くて寒いイメージですが、八王子の古民家再生工事は、床下の断熱改修を行うために防湿コンクリートを打ちました。
この後、柱の石場置き部分や足固めの補修をして、温かい古民家再生を実践します。
古民家の再生は耐震補強ばかりでなく、温熱向上や省エネも実践できます。
完成までに時間がかかりますが、壁や窓にも熱を逃さない工夫をして快適空間を実現します。
2018年03月05日 Mon
珍しい組み合わせの三人です(笑)インテグラルセミナーにて
木組のメンバーがたくさん来てくれました、なんとこの中に8人!
敬愛する岩崎夫妻と益子先生 ありがとうございました!
2月から続いた講演会ラッシュが、好評のうちに終わりました。
横浜での「ラーニングモア」では、伝統の木組と現代建築へのつながりをお話いたしました。
若い設計者に好評で、何名かが「木組のデザインゼミナール」に参加してくれるそうです。
鶴岡の講演会では、建設関係者や、行政の方たちと交流を深めることができました。
歴史的な建物の残る鶴岡の町に、木組の理解者が増えたことは喜ばしいことです。
インテグラルのセミナーには、他の建築家とともに170名の聴衆の前でお話させていただきましたが、わたしの敬愛する建築家・岩崎駿介さんの講演が、地球規模から哲学の世界までを網羅するスケールの大きな内容と迫力で圧倒されてしまいました。
伊礼さんの沖縄からの原体験の話ときれいなスライドで現実に戻されてホッとしました。
松井は、古民家の持っている可能性と現代住宅のとの歴史的な分断をつなぐ話をさせていただき、多くの方から「目からウロコの話」だと評価されました。
会場には、「ワークショップき組」のメンバーも遠くから駆けつけてくれて、インテグラルの社長柳澤さんや企画者の藤間さんと交流を深めました。
みなさんから元気をもらうセミナーが続き、大きな収穫となった講演会ラッシュでした。
楽しい企画をありがとうございました。
2018年02月21日 Wed
本日より3月1まで、松井郁夫の講演会が目白押しです。
まずは、今晩の会は神奈川建築士会の「けんちくラーニング・モア」という若手の建築士向けの講演会です。
「あなたは30年後、生き残れますか?」という過激な呼びかけで始まります。
わたしたちのつくる住まいは、どこから来て、どこへ行くのか?
日本の民家からみらいを見つめる講座にしたいと思います。
2月24日は山形県鶴岡市の「つるおか住宅活性化ネットワーク」による講演会とシンポジュウムです。
歴史的な古民家から学んだ、木組の住まいのいまをお話します。
地元で活躍している剱持棟梁からお声がけいただきました。
尊敬する神田順先ととのコラボが楽しみです。
お近くの方のご参加をお待ちします!
3月1日は、東京両国の国際ファッションセンターで3人の講演のトリを努めます。
こちらも敬愛する都市計画家で建築家の岩崎駿介さんと人気の建築家の伊礼智さんとの合同講演会です。
「美しさ」がテーマですが、わたくしは社会的な仕組みのワークショップ「き」組のお話をします。
目からウロコの面白い内容ですよ!
【ホームズ君】で有名なインテグラルの主催です。どんな講演会になるのか楽しみです。
乞うご期待!
2018年02月16日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 中落合の家II
「中落合の家2」に太陽熱集熱パネル「びおソーラー」が載りました。
詳しくはこちらから
2018年02月16日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 漢方の本陣
滋賀県長浜市の木之本で始まった築270年の古民家再生は、4年目に入りました。
室内の荷物の片付けも終わって、ようやく内部の解体が始まりました。
大きく傾いた柱と、30年も前に傾きを止めるために入れた鉄骨が姿を表しました。
これから、大直しのために土壁を一旦崩します。土は採っておいてまた使います。
むかしの土のほうが性能がいいからです。
この日は、滋賀の工務店さんで、パッシブハウスを実践されている工務店の夏見さんにお越しいただき、温熱改修の打ち合わせも行いました。
この規模の古民家の温熱改修は、全国でもまだ例がないかもしれません。
夏見さんの「空気の流れをコントロール」をするという考えに目からウロコです。
工事には一年を要しますが、完成が楽しみです。乞うご期待。
2018年02月16日 Fri
全国の歴史的な町が壊されていった高度成長時代に、立ち上がった市民運動「町並み保存運動」
OBの方には、文化庁の刈谷さんと益田さん、東大の西村幸夫先生や法政大の陣内先生、千葉大の福川先生と赤坂先生、谷根千の森まゆみさん、歌舞伎町を取材している稲葉さん、鹿島出版の森田さん、小諸の荻原さん、雑司が谷の多児さんなどなど、多くの旧友がいます。
発足から40年になりました。20代で参加して、全国の町並みを回り、実に多くのことを学びました。
都市化の流れの中で失った原風景の大切さ、
人と町や建物の関わりが希薄になってきた画一化の波、
人格形成の場であった、歴史的な町並みが失われることによる喪失感、などなど。
そして何よりも、古民家をつくった先人達の知恵と工夫。
その優れた日本固有の木組の技術体系。
ちょっと大げさですが、当事務所では木組の家づくりを通して、明治の西欧化によって断絶され翻弄された日本文化の150年を埋める作業をしている気がします。
このメンバーで、これからの日本の町並みや古民家再生・利活用に提言できることがないか模索したいと企んでいます。
2018年02月03日 Sat
山形県鶴岡市に於いて、つるおか住宅活性化ネットワークの企画で講演会とパネルディスカッションを行うことになりました。
テーマ:「歴史的建築物、民家の良さを【つるおか住宅】へ」(仮題)
日時:2月24日(土)13:30~15:30
場所:東北公益文科大学 鶴岡キャンパス 大学院ホール
記念講演:松井郁夫 株式会社松井郁夫建築事務所 所長
一般社団法人 ワークショップ「き」組 理事長
一般社団法人 住宅医協会理事
一般社団法人 地域素材利用協会理事
パネルディスァッション:司会 高谷時彦 東北公益文科大学 大学院特任教授
パネリスト: 松井 郁夫 株式会社松井郁夫建築事務所 所長
神田 順 東京大学名誉教授
菊間 満 山形大学名誉教授
剱持 猛雄 「番匠 剱持工務店」棟梁
2018年01月26日 Fri
外断熱、木組みの家「東馬込の家」は温熱性のを高め、データーを計測しています。
スマホに飛ばした数値を公開します。
詳しくはこちらから。
2018年01月17日 Wed
1995年1月17日の未明に巨大地震が阪神淡路を襲いました。
それまでに体験したことのない地震の大きさに、当時40歳のわたくしは大きな衝撃を受けました。
高速道路が倒れたり、木造建築ばかりか大きなビルが倒壊し、密集地が火災に見舞われました。
まるで地獄を見るような、ニュース映像は今も鮮明に蘇ってきます。
6434人の人命が失われ、うち8割の5000人近くが建物や家具の下敷きになり亡くなりました。
わたしの設計人生は、23年前の今日から始まったと言っても過言ではありません。
昔から地震に強いと聞かされてきた日本家屋の耐震性が疑問視され、わたし自身の作っている建築に再度向き合うようになった日です。
しばらくしてから現地を訪れ、被害の概要を見て回り、心に決めたことが有ります。
それは、大きな地震に見舞われたとしても、「生存空間を確保する」建物をつくることです。
行き着いたのは「貫」の入った民家のつくりかたでした。
倒壊家屋の中で「貫」が効いて粘り強く残った民家を見たときの感動が、そのままわたしの設計方針となりました。
古来から先人たちの実践してきた、柱に「めり込み」大きな変形をしても、倒壊を回避する「貫の効果」を実感したからです。
その後の国の実大実験、2007年から2011年のEディフェンスでも「貫の粘り強さ」は実証されました。
2016年4月に起きた熊本の地震のように、繰り返し揺らされる地震も「貫の復元力特性」は効果的です。
わたしが「貫はやめてはいけない」をモットーに、民家に学びながら現代住宅を作り続けているゆえんです。
古民家をノスタルジーとして語るばかりでなく、災害に対する知恵と工夫の答えを内包している建物として考えてゆきたいと思います。
伝統的な日本の家は、本来の安心安全で豊かな暮らしを送ることの出来る建築であると考えています。
2018年01月11日 Thu
古民家は、民泊法施行の今年、さらに注目を集めます。
古民家を活かし、日本の伝統技術をみらいにつなぎましょう。
詳しくはこちら!
2018年