プロジェクトレポート
2023年01月30日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
松井事務所では、日頃から「木組の家」や「古民家再生」の耐震性、温熱性の向上に力を入れています。今回は「室内の温熱環境の向上」について測定器を使って見える化していることについて書きました。
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松井事務所では、新築の「木組の家」を「いつか古民家になる」ことを目標につくり続けています。それには耐震性が必須ですが、室内の温熱性能についても気配りしています。
二年前に竣工した「小金井の家」では先日、測定器を屋外と屋内に置かせていただき、リアルタイムで測定値を見える化しました。
随時スマートフォンから、建主さんにも見えるように設定しています。
「木組の家」といえども、断熱性能と気密性能を向上させることで、外気温1℃の時に「無暖房」でも屋内温度は一階17℃、二階18℃になります。
これからのエネルギー消費量の削減や地球温暖化の抑止につながる試みです。
松井事務所では「断熱気密」は「設備仕様」の一貫としてすべての建物に実践しています。
2023年01月28日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
「小金井の木組の家」は2年前に竣工した、延坪で20坪の小さな木組の家です。
松井事務所のことなら何でも知っているという大ファンの奥様ご夫婦が住んでいます。
昨日は、お住まいの様子を動画で撮影させていただき、取材もさせていただきました。
シンプルに整理された木組みの家に、センスよく綺麗にお住まいで、とても良い映像が取れました。
その様子は、近いうちにHPにアップさせていただきます。
あらためて、設計した木組の家の良さを実感できた一日でした。ちょっと、自画自賛…(笑)
最初からお持ちだった照明器具(アルテック)と丸テーブル(オーローズ)が木組の家によく似合います。
奥様は、とてもセンスのいい版画家です。二階吹き抜けに面した作業場の様子を撮影させていただきました。
寝室はロフト付きの和室です。
二年目の夕景。木の色がまだまだ新鮮です。
2021年10月30日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
この度、夫婦2人住まいの小さな木組の家が竣工いたしました。
1階のリビングと2階のワークスペースをつなぐ吹抜けからたっぷりと日射を取込み、
小さくも暖かく広がりのある木組の家となりました。
建主様のご厚意で内覧会を開催させていただく運びとなりました。
力強い架構と自然素材に囲まれた心地の良い豊かな暮らしを体験しませんか?
※ご希望の方には、案内図をお送り致しますので、下記までお申し込みください。
内覧会 開催日時
2021年11月27日(土)13:00〜17:00
お申込先
株式会社 松井郁夫建築設計事務所
MAIL : info@kigumi.jp
FAX : 03-5996-1370
2021年06月18日 Fri
木と木を直角に組むときには「仕口」という接合部をつくります。
接合部が外れないように扇状に作る仕口を「蟻」といます。
昆虫の蟻の頭の形に似ているからでしょうか?
先端を太らせて外れないようにエラをつけるのを「鎌」といいます。
カマキリの首に似ています。
どちらもオスメスの関係です。
2021年06月16日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
木と木を接合するときに木の栓を入れてつなぎます。
棒状の木がめり込んで部材をつなぐのです。
金物を使わない方法です。
金物は強すぎて母材である木を壊すので、
むかしから大工は「豆腐を針金で釣ってはいけない」といいました。
「木は対等に組む」ともいい同じ強さの木を組み、
硬い木には硬い木で組み、柔らかい木には柔らかい木で組むように。
継手や仕口の材も種類を使い分けたようです。
2021年06月16日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
太い柱に梁が掛かるときに、柱が梁からこぼれた分をビンタといいます。
人の顔でいうと耳にかかる髪の毛の部分です。
木と木が組まれていることがよく分かるように、ビンタを少し残すのですが、
ここを壊さないように組むのが一仕事です。
美しいディテールなので、完成後の姿は、また掲載します。
2021年06月16日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
一本の柱に梁と桁の二本の材を組むときに柱のホゾを二重にします。
「重ホゾ」という仕口です。
主に小屋下の地回りで組む「折置組」の時の仕口です。
柱と梁が一本の木で結合するので、丈夫な一体化した門型の架構ができます。
梁の下に必ず柱が建つので、構造に制約が生まれ開口部が自由に開けられませんが、
内部を開放的にできるので、むかしは納屋によく使われました。
松井事務所では室内を開放的にして造り込まない標準仕様にしています。
何世代もの生活の変化に耐えるガランドウの家ができるからです。
常に、「古民家」のように長寿命の家を目指しています。
「いつか古民家になる」家です。
2021年06月16日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
映像は、「追っかけ継ぎ」という継ぎ手です。
梁を長く継ぐときには、継手という加工を施して、木と木を握手するように組みます。
継手の面はよく削って、上から滑り勾配を付けて、滑らせるように繋いで、木と木を一本にします。
長い木が一本では取れないので、一軒の建物に何箇所か継手がでます。
木と木を直角に組む場合は「仕口」といいます。
金物を使わない仕口には、蟻や鎌をという加工をします。
2021年06月16日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
通し貫を入れます。
貫は厚さ30ミリの構造材です。
地震で建物が変形しても崩壊しない粘り強さと復元力があります。
「貫」は明治以来、壁の中で「筋違」や「間柱」と競合して後退しましたが、
地震国日本では、やめてはいけない部材です。
繰り返す地震にも「木のめり込み」で柱同士をつなぎとめます。
見直されても良い、大切な耐震部材です。
2021年06月16日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
最初にヒノキ5寸の通し柱を建てます。
通し柱は基礎まで落とす柱勝ち工法です。
土台に蟻を仕掛けて、輪内で通し柱を落とします。
これで、土台に差すよりも強い柱になります。
通し柱以外でも要になる構造柱は土台に差すよりも基礎に落として柱を勝たせます。
そのほうが丈夫な骨組みができるからです。
写真は細い柱ですが、建物の荷重を受ける要の柱です。
2021年06月12日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 小金井の家
6月15日午前9時より「小金井の家」の建て方をライブ配信します。
一本一本手刻で加工された木組の組み立ての様子をリアルタイムでご覧になれます。
柱や梁の木と木が軋みながら組み上がってゆく様子は圧巻です。
お時間のある方はこちらのHPから当日ご覧ください。
(写真は参考です。「安達屋豆腐店」建方の様子)
2021年04月17日 Sat
小平で始まるご夫婦のちいさな終の棲家。20坪の二階建「木組の家」。奥様は「松井事務所のクイズがあれば全問正解します」というファン!地鎮祭も終えて、木材が入りました。
吉野の杉、桧の天然乾燥は含水率15%の非常に良い材料です。
無駄なく使いきるように製材所が番付を打ってきてくれます。