プロジェクトレポート
2017年05月03日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 浜田山の家III
浜田山の家Ⅲは、民家のような佇まいをテーマに設計しました。
南側の表通りから見える「せがい造り」の姿を、建主さんに見ていただきたくて、模型を納品しました。
内部も作り込み、図面ではわからない空間の様子をご説明いたしました。
模型を覗き込むと、架構の模型ではつかめない、暮らしの様子が見えてきます。
本物の建物が完成するまで、楽しみに待ったいただけるとありがたいですね。
2017年04月29日 Sat
滋賀県長浜市木之本に建つ江戸中期の町家が蘇ります。北国街道に面した、由緒ある旧家です。
ご相談を受けてから足掛け3年の歳月を経て調査と設計が完了しました。
いよいよ270年前に建てられたという町家(商家)の再生工事の始まりです。
約75坪もの大きさの平屋です。元の屋根は板葺きでした。その上に勾配を変えた屋根を掛けて瓦を葺いています。
長い年月の間に、町家は隣のビルにより掛かるように傾いています。昭和の時期の鉄骨の補強もはずし、まずは垂直に立て起こす事から始めます。工期は2年を見込んでいます。
調査では、床下や屋根裏を調べました。石場建てに壁の少ない架構です。限界耐力計算を川端設計にお願いして、耐力要素をバランスよく配置しました。
展示場を併設した住宅になります。むかしの柱梁のままに、現代的な暮らしに沿った間取りを持ち、吹き抜けやロフトを支える古材の丸太組が醍醐味です。
古民家再生で、温熱環境の向上を図ります。断熱・気密を図り、計算によって省エネルギー基準をクリアしました。冬は床下に温風を吹き込みます。
施工は、地元で社寺を中心に活躍する橋本工務店が担当します。
北国街道・木ノ本宿の町家として町並みに溶け込み、伝統の技と現代の技術でいまの暮らしをつくり、懐かしい未来を実現する古民家再生にご期待ください。
2017年04月25日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
「東馬込の家」のお引渡前の一手間です。こちらからご覧ください。
2017年04月19日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 浜田山の家III
民家のような丈夫な架構と深い軒。
浜田山の家Ⅲは、日当たりの良い敷地に、南を大きく空けて伸びやかに建ちます。
山歩きがご趣味のご夫婦は、麓に建つ古民家の佇まいに惹かれると言います。
そこで終の棲家は、心地よい民家暮らしがいいのではと考えました。
とはいっても、快適な現代生活を送る住まいをつくることに変わりはありません。
伝統的な木組でかつ温熱性能向上を目指し、冬暖かく夏涼しい家をつくります。
せがい造りという二階が一階よりせり出した、木組でなくては造れない架構です。
懐かしくてあたらしい民家のような住まいです。
2017年04月05日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
「東馬込の家」がいよいよ終盤に入りました。左官工事の始まりです。
内部に漆喰を塗っています。白い漆喰に光が反射して室内が明るくなります。
少ない日射でも光が回ることによって落ち着いた室内となりました。あと少しで完成です。
建主様のご厚意で、5月の連休明けには、内覧会を予定しております。
乞うご期待!
2017年04月02日 Sun
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
「東馬込の家」の足場が取れて、外観が見えるようになりました。この家は木組の「プロトタイプ」であり、燃え代設計による「準耐火建築」です。
さらに、温熱等級を向上させるために、工事途中に気密測定を行いました。
C値=0.5という成績でした。
これは1m2あたり0.5m2センチの漏気状態にあることを物語っています。この数値は良い数値だと思います。つまり気密が良いということです。
木組の家のような柱や梁を表した真壁構造で、内部にフィルムを使わず外断熱によって気密を確保できたのです。これからの完成に向けて、温熱性能確保に期待が持てる家となりました。建主さんのご理解に感謝いたします。
わたしたちは、日本の伝統的な木組の家の耐震・防火性能はもちろん温熱性能の向上を図ります。
5月の連休に完成いたします。内覧会を開催させていただけることになりました。追ってご案内いたします。
2017年03月25日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | おもてなしの古民家再生
最新の古民家再生の仕事をアップしました。タイトルは「おもてなしの古民家再生」です。いくつかの古民家の再生と新たに再現をしてお客様のおもてなし空間を創る計画のお手伝いです。
原風景を壊すことなく、よみがえらせることで、その土地の記憶をつなぐことを試みました。懐かしくて新しい日本の原風景がよみがえります。
2017年03月14日 Tue
作品 | 美しい木組の家 | 価格帯 | 阿佐ヶ谷の家 | 2,000-3,000万円未満
ロシア文学研究者の奥様と出版社にお勤めの旦那様の家です。
おふたりとも本をたくさんお持ちなので、西壁を一面の本棚にすることになりました。
本棚には、階段を隣接して、どこからでも手が届いて本が取り出しやすいようにしました。
育ち盛りの小さなお子さんもいらして、踊り場は「読み聞かせコーナー」です。
狭い空間を生かすために、リビングの真ん中に階段を配置して浮かせて、踊り場下は書斎にしました。
二階の部屋はとりあえず「ガランドウ」にして、お子さんの成長に合わせて部屋を区切ることにしています。
奥様が「熊本城のような外観」をご希望されたので、黒い焼杉板と漆喰の白のツートンカラーでコーディネイトしました。
完成した後に前の道を通りかかった親子連れが「こんな家に住みたいな!」と言ってくれました。
バルコニーと吹き抜けもある、広く使える小さな木組の家です。
所在 | 東京都杉並区阿佐ヶ谷 |
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構造規模 | 木造2階建 |
敷地面積 | 77.22㎡ |
建築面積 | 41.45㎡ |
延床面積 | 74.10㎡(22.41坪) |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
設計協力 | 悟工房 山中信悟 |
施工 | キューブワン・ハウジング |
竣工 | 2016年6月 |
建ぺい率 | 60% |
容積率 | 100% |
地域地区 | 第一種低層住居専用地域 |
防火地域 | 準防火地区 |
構造材 | 天竜桧・天竜杉(葉枯し乾燥) |
床板 | 天竜杉 厚15mm |
外壁仕上 | 焼杉板・藁入モルタル |
断熱材 | 高性能グラスウール |
内壁仕上 | 漆喰塗 |
開口部 | 防火サッシ |
2017年03月01日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 吉祥寺の家Ⅳ
「吉祥寺の家4」内覧会は、ご家族連れや設計中の建主さん、木組ゼミの受講生のプロの方も大勢見えて、盛況のうちに終了いたしました。
会場を提供いただいた建主様やキューブワンハウジングの工事関係者、家具を展示していただいた青山のオーローズのスタッフ、2日間の間に、お運び頂いたみなさま、大変ありがとうございました。
これを励みに、民家のような架構に居心地の良い木組みの家を作り続けます。これからもよろしくお願いいたします。
友人の住宅評論家・南雄三さんの感想を掲載させていただきました。
詳しくはこちらから、http://kigumi.jp/blog/
2017年02月24日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 住まいの相談会・見学会 | 吉祥寺の家Ⅳ
「吉祥寺の家4」が完成し、内覧会を開催させていただけることになりました。
詳細は「き」組サイトで掲載中!
お申込みは下記からもどうぞ。
http://matsui-ikuo.jp/contact/
みなさまのお越しをお待ちしております。
2017年02月17日 Fri
ブログ | プロジェクトレポート | 八王子の古民家再生
東京都内に茅葺の家が残っていることは、大変珍しいことです。
八王子の小高い敷地に立つこの家は、明治40年代に建てられたといいます。
およそ百年を生きた家です。
大事に使われてきたこの家を、終の棲家にすることが今回の目標です。
そこで、耐震改修はもちろんですが、
古民家といえども暖かい家にしたいと考えました。
古民家の耐震エコ改修です。
屋根は茅葺きの形状を活かして、勾配屋根にします。
茅は今では手に入りにくいので、ガルバニュウム鋼板に葺き替えます。
小屋裏にも光と風を呼ぶために、ハッポウという明かり窓を開けました。
ハッポウは、山形県の田麦俣地方の見られる兜造りの屋根の中腹に作られる明かり窓のことです。
この窓から、リビングやダイニングにも光と風が届けられます。
日本の家は、高い床下が特徴ですが、
ここでは床下を密閉してエアコンの暖気を入れます。
窓際のガラリから吹き出すことで、
ガラス窓の冷えた重い空気を暖めながら室内を回ります。
断熱材の入れ方を工夫して、床下から屋根上まで外断熱を施しています。
エネルギー効率の良い断熱材を選んで温熱性能を向上させています。
むかしの姿を彷彿とする外観に比べ、
室内は現代的なインテリアを目指しています。
食通のご夫婦の台所はオリジナルキッチン。
魚料理中心のグリルを備えた本格厨房です。
すべてに自然素材を使いながら、暖かく心地よい家を目指しています。
「なつかしくてあたらしい」古民家再生です。
松井郁夫
2017年02月16日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 井之頭の家
吉祥寺の井之頭に建つコンパクトな家です。
12坪の小さな建坪ですが、地下駐車場を持つ3層36坪の木組の家です。
ワンルームの部屋を積み上げることで、コンパクトながら広がりのある空間を創りました。
丈夫な柱梁に支えられた民家のような架構が特徴です。
各部屋は造り込まないほうが、広く使えて生活の変化にも対応できます。
子育て世代には、間仕切りを自由に移動できることが大切です。
たっぷりの収納にガランドウの部屋。
水廻りの動きやすい動線も確保しました。
畳敷きの小上がりも、空間に変化を創ります。
吹き抜けを通して光や風が室内を回ります。
温熱環境を考慮して、床下にエアコンを工夫しました。
外断熱を十分に施し、夏涼しく冬暖かい家を目指します。
きれいな空気が家中に行き渡る心地よい家になることでしょう。
3Dによる日射や影の検討も加え、天空率計算で最大限まで床面積を使い切りました。
庭のデッキの緑は、手に触れることが出来て、リビングが外までつながっているようです。
子育てに最適なコンパクトな木組みの家です。
松井郁夫
2017年02月04日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
「東馬込の家」は、新防火地区に建っているため、燃えしろ設計で太い木材を使って準耐火建築となっています。
その木材はJAS認定品でなければならず、入手に苦労すると思われましたが、以前からお付き合いしている「吉野中央木材」さんで用意していただけました。
おかげさまで、規格外の大きさにもかかわらず、美しい吉野材を使うことが出来ました。
昔から吉野といえば日本一のブランド材で有名ですが、石橋さんの対応の良さに感謝しております。
色艶といい杢目といいやっぱり日本一ですね。ありがとうございました。
2017年01月21日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 日記 | 阿佐ヶ谷の家
本棚の家というコンセプトでつくりました。
ワークショップ「き」組のブログからどうぞ。
2017年01月19日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 吉祥寺の家Ⅳ
「吉祥寺の家4」もうすぐ完成です。
木製窓の気密を工夫しました。
2017年01月19日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
東馬込の家は順調に進んでいます。
http://kigumi.jp/blog/higashimagome-dannnetsu
2016年12月10日 Sat
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
ワークショップ「き」組の家の集大成とも言える「東馬込の家」構造見学会は盛況でした。
伝統構法による耐震性能、準耐火建築、高断熱高気密と、3つを兼ね揃えた、これからの木の家です。
ワークショップ「き」組HPからどうぞ。
2016年11月02日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
東京都大田区の住宅街に木組の家が上棟します。
最もシンプルで、最も合理的な木組みの家。
無垢の木と漆喰でつくるワークショップ「き」組の家づくりの基本形が、
火事に強い準耐火建築物として新防火区域対応になり、
同時に高い温熱・省エネ性能を備えました。
何世代にも住み継ぐことのできる「本物の木の家」を見に来ませんか?
上棟したばかりの構造見学会は、地震に粘り強く、丈夫な木組の骨組みを じっくりとご覧いただけます。
日本古来の耐震の工夫である「貫」「足固め」「折置組」「フラットベット型基礎」など、
木組の醍醐味のすべてを体感していただけます。
ぜひお誘い合わせの上、お申込みください。
みなさまのお越しをお待ちいたしております。
2016年10月11日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 吉祥寺の家Ⅳ
日本の民家には「破風板」という屋根の部材があります。
木組で小屋組みをつくると、梁が外部に出てくるので、そこから水が入らないようにするための板なのですが、これが結構大きな幅の板になります。
「吉祥寺の家4」は180㎜の桧の無節を使っています。
180㎜というと、少し重く感じるサイズです。
昔の大工さんは、その辺もよく心得ているもので、板に一本、筋を入れて、軽く見せる工夫をしました。これは、水切りを良くするためでもありますので、切り口が斜めになるように欠き込んでいきます。
簡単なようで、これには眉かき用の刃物が必要で、なかなか高級な仕事なのです。
佐々木棟梁、いつもありがとうございます!
10月になり、晴れの日が多くなったので、現場もペースを上げて、工事は順調です。
断熱材もしっかり充填され、サッシも入りました。
ここからじっくりと内部造作が進んでいきます。
完成までは、こちらもずっと緊張しますね。(匠)
2016年09月20日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 東馬込の家
「東馬込の家」の地鎮祭と材料検査を行いました。
地鎮祭で工事の安全を祈願したあとは、お施主さんも一緒にキューブワンハウジングさんの下小屋へ。材料検査です。
今回は燃えしろ設計なので、150幅のJAS材を使います。いつもきめ細かく美しい吉野材ですが、今回も素晴らしい材料です。まるでヒノキのような杉材です。
1本1本、すべての材の面をみて見て、どの木をどこの部屋にどう使うかを決めます。その場で番付を打って、大工さんとの齟齬がないようにしていきます。
特に吹抜や階段周りに気を使います。これが、毎回行う「木づかい」です。
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