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2013年02月05日 Tue

日本の民家-1955 展

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1955年 全国いたる所に民家と呼ばれる人々の暮らしがあったころ。

日本の風景が美しく、高速道路もない頃に、一人の若者が、日本中の民家を撮って回りました。

写真家二川幸夫さん(80歳)です。その写真展「日本の民家ー1955」が3月まで汐留ミュージアムで開かれています。

わたしも20代の頃、二川幸夫さんの写真に触発されて、全国の民家を訪ね歩いたことがあります。

35年前、大学を卒業し町並み保存運動に参加しはじめた頃です。

わたしのふるさとも美しい城下町でしたが、その頃は日本中の歴史的な町並みが開発の名の下に

伝統の民家が壊されてゆく高度成長時代でもありました。

1955年といえば、さらに20年前に、民家と呼ばれる庶民の家が、時代遅れで誰も見向きもしなかったころ、

二川幸夫さんは、日本の民家の美しさを再発見し、世界に発信した人です。

今回の展覧会では、58年前の日本の風景と民家の素晴らしさに改めて驚かされます。

展覧会に使われた、日本の民家全10冊は、一冊にまとめられて写真集として発売されています。

唐突かもしれませんが、3.11以来、日本の伝統的な暮らしを見直し民家を見直すことが大切に思えるのです。

伝統構法の見直しが、国土交通省でも始められたこの時期に、民家の展覧会はよい機会だと思います。

むかしながらの民家が日本の家の原点だと思うからです。