プロジェクトレポート
2024年10月19日 Sat
木造建築の「架構」のつくり方にはふたとおりの種類があります。
「真壁づくり」と「大壁づくり」です。
「真壁」というのは柱や梁などの骨組みを全て見せるつくり方です。柱と柱の間に壁をつくります。
一方「大壁」というのは柱や梁を全て壁に中に入れて骨組みを見せなくする工法です。
対象的なつくり方ですが、見かけの違い以上に重要なことは「真壁」にはつくる場合は逃げやごまかしが効かないので仕事が難しくなることです。
「大壁」の場合は「構造材」を壁の中に入れてしまうので、どこに柱が入っているのかは気になりません。
他方「真壁」では構造材がすべて見えるので、柱や梁の配置が室内のデザイン「展開図」の決め手になってきます。
また「構造材」は力の流れに沿ってバランスよく耐震的に配置しなければなりません。「耐震構造」は住んでいる人の命に関わるからです。
わたくしの事務所では開設当初から「真壁づくり」と決めております。「大壁づくり」では力の流れがわかりにくいので「耐震的」な住まいをつくれないと考えているからです。
常に壁の中までレントゲンのように透けて見えるくらいに分かりやすいほうが住んでいて安心だからです。
また室内から全ての柱・梁を「木組」で組み「継手・仕口」を見せていることが特徴です。
「真壁」の壁は漆喰塗りで仕上げることにしていますが、壁も木も多孔性の自然素材で調湿調温作用を発揮できることが特徴です。
つまり人間の肌と同じように「呼吸」するので「体感」に優れています。