プロジェクトレポート
2016年01月17日 Sun
1月17日です。6434人の死者を出した阪神大震災から21年になりました。そのうち8割が圧死です。約5000人の人が、建物もしくは家具の下敷きになって亡くなりました。
建築に携わる人間とって、今日は忘れられない日です。
地震に強いと言われた、10万4906棟の家屋が全壊しました。一部損壊までを入れると、63万9686棟にも登ります。
その後、木造住宅の耐震性能が大きな課題となったことはもちろんです。
当時の仲間たちと「私家版仕様書」を書いたのは、地震被害からいかに命を守る家づくりができるかを知りたかったからです。
今日が、わたくしの家づくりの方向性を決めました。美術学部出身にもかかわらず、心から日本家屋の構造の本質を学びたいと思いました。
伝統構法と呼ばれる日本古来の家づくりには、先人たちの多くの知恵があると思ったのです。
2007年から国土交通省による、振動台実大実験にも実務者として参加させていただきました。5年間の実験で、分かったことはたくさんあります。木造住宅の特性は、めり込みと粘りと復元力です。
そこで学んだ命を守る貫や足固めは、毎回の実務に生かしています。建物が人の命を奪わない家づくりが、わたくしの使命だと考えています。
今日は忘れられない日です。阪神大震災の教訓はしっかり引き継いでいきたいと考えます。
合掌。