プロジェクトレポート
2025年05月01日 Thu
木の家をつくり続けて本日、5月1日で40年になります。
出身は東京芸術大学の工業デザイン専攻修了です。実家が城下町の町家であったこともあり、古い町を訪ねて歩いているうちに「古民家」の優れた大工技術や社会的意義に気づき自然の成り行きで「伝統構法による家づくり」を目指すようになりました。
雪深い故郷の実家は太い梁や柱でつくられた古民家でした。黒々とした梁が小屋裏に見え豪雪に耐えていたことを子供心に覚えています。
故郷の町並みは「織田信長」の武将であった「金森長近」の戦国時代につくられた「越前大野」です。碁盤の目にような街区なので、奥越の「小京都」と呼ばれていました。そんな原体験から大学時代に「都市計画」に興味を持ち就職後は歴史的な町並みの保存を目指して、「古民家の再生」を実践してきました。
「まちづくり」の計画を仕事にしてきましたが、結婚を機に妻の家を造った大工棟梁であり建築家の「小川行夫」さんのところで修行をすることになり、はからずも「木組の家」を叩き込まれました。
30歳で独立した後も「古民家再生」と「木組の家づくり」の仕事を続けております。
昨今は職人不足もあり、実践が厳しい時代になってきましたが、「伝統構法」による家づくりを継続しております。
2003年に立ち上げた「ワークショップき組」の仲間も健在で「木組の家」に住みたいという建て主さんも増えて建設後も喜んでいただいております。
「古民家」に学んだ木と木を組むことに生きがいを感じて、地震にも耐える丈夫かつ温熱向上を目指した暖かい家づくりを実践しております。
これからも引き続きよろしくお願い申し上げます。40周年のご挨拶でした。
2025年 5月1日 松井郁夫・拝