福井の家 〈福井県〉

福井の家

地震に強い木組の家

「阪神大震災」の後で建た家です。

福井に住む従姉妹の家で、南北に奥行きの浅い東西に長い土地に建てました。

南側の前面が道路で日当たりは抜群です。

昭和23年に福井大震災があって大きな被害のでた土地柄ですから「地震に強い家」がテーマでした。

細長い建物では、梁間方向の耐力は出しやすいのですが、桁行方向の壁耐力が取りにくい欠点があります。

そこで梁間方向に「門型のフレーム」を6本建て、梁間方向を「中引き」材と「桁」で「折置組」にして一体化することで、地震の揺れを吸収します。

そのために梁には「貫」で力を伝達し、縦揺れの引き抜き力には「足固め」を入れてアンカーボルトで抵抗させます。

この家で試みた「折置組」「貫」「足固め」は「木組の家」のしなやかに耐震する「三要素」になりました。

「木組の家」は地震の力に逆らうことなく揺れながら力をいなす「減衰設計」でできています。

大きく傾いても粘り強く壊れにくい家です。日本古来からの伝統的な耐震の知恵でできています。

所在 福井県福祉円山
構造規模 木造2階建
敷地面積 183.90㎡(55.64坪)
建築面積 105.57㎡(31.77坪)
延床面積 183.64㎡(55.56坪)
建築費 3380万円(参考価格)
設計監理 松井郁夫建築設計事務所/住まい工房
施工 おだ住建
竣工 2001年5月
建坪率 60%
容積率 200%
地域地区 第一種中高層住居専用地域
防火地域 準防火地区
構造材
床板 杉 厚30mm
外壁仕上 土壁風藁入りモルタル
断熱材
内壁仕上 漆喰塗
開口部 アルミサッシ(シングルガラス)