高円寺の家 〈東京都〉

高円寺の家

「燃え代設計」準耐火建築物

最近都市部では、新防火地域という場所が増えました。木造住宅が建てられない地域です。

しかし、準耐火建築物という建物は木造でも建てることができます。

それには、骨組みを太くして燃えにくくすることです。

木は1分で1ミリ燃えることが実験でわかっています。

そこで45分で燃え抜けなければ「準耐火建築」として認められますので、柱や梁の構造材の周囲をを45ミリ太くすればいいのです。

これを「燃え代設計」といいます。

「高円寺の家」は、さらに外壁を15ミリの桧板張りにしました。板の下に20ミリのモルタルを塗り、躯体が燃えないようにしたのです。

オーナーは、この家をとても気に入ってくれて「エッセイ」を書いてくれました。

HPの「木組の家に住んで」という連載は高円寺のオーナーの文章です。

こちらからご覧ください。

https://matsui-ikuo.jp/blog/serialization

オーナーのご要望は「庭を見て暮らしたい」ということだけで後はお任せでした。

そこで各部屋から庭が見えるように計画し、二階には屋上庭園をつくりました。

また「床下エアコン」一台で家中を快適な温度にコントロールしています。

オーナーは「この家のために生きる!」と宣言されて、木組の普及のためにいつでも見学させてくださいます。

どうぞいつでも、お申し込みください。

小さな家ですが、みどり豊かな外部とつながる吹き抜けのある快適な木組がご覧になれます。

所在 東京都杉並区
構造規模 木造2階建(準耐火建築物)
敷地面積 81.82㎡(24.75坪)
建築面積 40.50㎡(12.25坪)
延床面積 63.22㎡(19.12坪)
建築費 3,000万円(外構含む)
設計監理 松井郁夫建築設計事務所
施工 キューブワン・ハウジング
竣工 2012年12月
建ぺい率 60%
容積率 150%
地域地区 第1種低層住居専用地域
防火地域 準防火地区(都条例による新防火地区)
構造材 海山桧・天竜杉(葉枯し乾燥)
床板 天竜桧 厚15mm
外壁仕上 土壁風藁入りモルタル、一部桧板張り
温熱環境 太陽光発電 床下冷暖房
内壁仕上 漆喰塗 断熱材:ウールブレス
開口部 木製サッシ、アルミサッシ(ペアガラス)