プロジェクトレポート
2014年06月30日 Mon
昨日、埼玉県所沢市で、古民家を見せていただきました。江戸時代の初め(寛文12年、西暦1672年)342年前の建物です。
文化財として保存されている建物には、さらに古い古民家もありますが、現存する民家で今もお住まいになっている事が驚きです。ご当主のお話しでは、そのまたお爺さんのころは、茅葺の兜造りだったようです。いわゆる養蚕農家の造り方です。その後お茶の栽培を始めて、広い敷地には工場もあったそうです。今はお一人暮らしで、広い座敷を自由に使っていらっしゃいました。
昨日は、温熱耐震改修が可能かどうかの予備調査でした。柱梁はケヤキです。全く壁のない開放的な造りで、建具はすべて手の込んだ優れモノでした。台所はすっかり改修され、座敷は天井が貼り直してあったり、多少手を入れた形跡はありましたが、良く342年前の形をとどめていると感心しました。
ご当主の話では「あまり造り込んでない建物だったから、どういう時代の生活にも対応できたのではないか」とおっしゃっていました。これはいい話ですね。造り込まない方が、長く使えるということは、これからの住まいをつくる条件と思っていいでしょう。架構の痕跡も調べて当初の家の大きさも分かりました。今後の調査が待たれます。
2014年06月28日 Sat
奈良岡忠さんは、カメラマンです。 僕の建物を撮っていただいて、20年になります。建築写真のカメラマンではありませんが、縁があって撮影をお願いしています。 先日、我孫子の家2の撮影に行ってきました。時折晴れ間の覗く曇り空でしたが、いい写真がとれました。 やはり室内は、家具が入っているといいですね。タケワキ住建さんの用意してくれたテーブルと椅子、緑の小物で、生活感のある空間になりました。 明日は、いよいよお引き渡しです。いつものことですが引き渡しのときには、嬉しいようなさびしいような感覚になります。娘を嫁に出すような感じです・・・。末長く建て主さんに喜んでもらえる家であることを願っています。皆さんありがとうございました。とりあえず、松井の撮影した写真をお楽しみください。
2014年06月24日 Tue
住宅の最新トレンドや専門家による正しい住宅情報を発信しているWEB誌【HOME’S PRESS】から、取材を受けました。
木組みの家について、詳しく記事にしていただいています。
ライターさんに文章にしていただくと、わかりやすくてまとまっていて、新鮮ですね。
3回連載ですので、当サイトで随時お知らせいたします。 どうぞご覧ください。〈匠〉
【HOME’S PRESS】 【木組みの家①】通常の木造住宅とは似て非なる、本来の日本の伝統技術を生かした家
2014年06月24日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 我孫子の家II
「我孫子の家2」の完成内覧会は、気温28度の夏日の中で行われ、たくさんの方にご来場いただきました。 家に入った途端に涼しくなることに皆さん驚かれていました。漆喰の調湿作用と、越屋根を利用した風通しの良さですね。 とうもろこしとジャガイモの葉の上を渡った風が、家に通り抜けていきます。 内覧会で朝から一日過ごしましたが、クーラーをつけていなくても、汗が引いていくのがわかりました。
床板も、含浸性のワックスで艶が出ましたね。お子さんが素足で走りまわる楽しい内覧会になりました。
心地の良い高さで設計しているので、ご来場の皆さんからは「面積よりも広く感じる」と仰っていただきました。
やっぱり体感していただくのが一番ですね。
開催させていただいた建主さんのご厚意に感謝いたします。<匠>
2014年06月23日 Mon
ブログ | プロジェクトレポート | 八王子の家
「八王子の家」は左官も終わり建具も入りました。
完成間近です。 南に背の高いアパートがあるため、日照計算して吹抜を開けた小さな家です。
きめ細やかで、完成度の高い仕上がりとなりました。若くて真面目な村井大工の仕事です。
陽当りの良い東の大きなベランダが特徴です。
完成内覧会も予定していますのでご期待ください。
2014年06月23日 Mon
フジテレビのクイズ番組「それマジ?ニッポン」6月22日19時放映で、松井事務所の木組の家が紹介されました。
写真を使いたいとのオファがあってから、時間をおかずにすぐの放映だったので、うっかりお知らせすることを忘れていましたが、どなたかご覧になりましたか?
金剛組という、1400年続く社寺建築の会社紹介の続きで、いまでも木組みの工法は造られているという流れで、松井事務所の木組の家が数枚写し出されました。
ぼんやりしていると、見逃してしまいそうな映像でしたが、放映されたのは次の映像です。お知らせできなかったので、この場でアップします。
検見川の家は、木組ならではの二階がせり出した「せがい造り」です。
大和の家は、貫の様子が良くかりますが、貫は大地震にも建物が倒壊しない優れた構法です。
井土ヶ谷に家では木と木を組む様子がわかります。骨組みが丈夫で、長い時間を生きる家になります。
高円寺の家は、準耐火建築という燃え代設計で火にも強い構造です。
木組みの家は、長い歴史をいまにつなぐ技術ですが、その優れた構法は、新しい現代住宅にも使い続けることが大切だと思います。木組は、現代住宅にもデザイン性の高い家を造ります。
今度は、木組みの家の特集番組を造ってほしいですね。
2014年06月21日 Sat
ブログ | 未分類 | プロジェクトレポート
どの部屋からもお城が見える。
そんな、眺めの良い木組みの家が、長野県松本市の丘のうえで始まります。
各部屋からはもちろん、お風呂や台所、ピアノ室からも松本城が見えます。
これから生まれてくる赤ちゃんのための部屋も用意しました。
毎日お城を眺めて、気持ちの大きな子供に育ってほしいですね。
2014年06月17日 Tue
先日、新宿のOZONEに行ってきました。建築家の造った、建築模型の展示会が開かれているので見に行ってきたのです。松井事務所からも「せがい造りの家」を出品しています。
見ていて興味があったのは、最近の家づくりの傾向についてでした。何か新しい視点が見つかるかなと期待して見ましたが、特に目につく傾向も、視点もなかったかなァ・・という印象です。
よくいえば、家づくりの世界は、ある面で成熟しているのかもしれません。今回の展示のタイトル「What’s 家?」もそれを物語っているように思いました。
今は、デザイン性の高い家が当たり前になって、奇抜さを求めるのは、もう限界に来ているのではないでしょうか?むしろ、みなさん敷地や暮らしに素直につくっている感じで好感が持てました。
松井事務所は、しっかりとした骨組みの模型を展示させていただいております。本来、目新しいものを追いかけるような仕事をしていませんので、まあ、いつものように木組みの家をアピールさせていただいております。
木と木を組むことで、美しい骨を造り、冬暖かく夏涼しい腰屋根や、壁や開口部の工夫を加えて、丈夫で心地よい空間をつくる。むしろ伝統的な木組の家づくりを再発見してほしいという思いで展示に参加しました。
やはり、家づくりは、土地の気候に沿って、住まい手にとって気持ちのいい生活を造り出すことが大切だと思います。それには、まず安全な骨組みを造り、風の流れや太陽の動きを読んで、自然に逆らわずに家づくりを進めることかな、という思いを再確認した展示会です。8月5日まで開催されているので、お時間のある方は是非お立ち寄りください。
2014年06月12日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 日記 | 佐倉の平屋
「佐倉の平屋」の材木は、奈良県吉野の山の木です。 実際に家に使われる材木を検査するために、タケワキ住建のみなさんと一緒に、吉野に行ってきました。
天然乾燥の無垢の木を扱う材木屋さんで、含水率を調べたり、節の様子を確認しました。 原田棟梁と篠塚大工にも同行してもらい、じっくりと材料を見極めて良い材料を選びました。
見学させていただいた吉野の山は深く美しい山でした。 これから刻みがはじまり、上棟は8月中を目指しています。 この材料で「佐倉の平屋」の木組みを美しく建ちあげます。こうご期待!
2014年06月04日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 住まいの相談会・見学会 | 我孫子の家II
千葉県我孫子市に木組の家が完成しました。
手賀沼の緑に囲まれ、南にはトウモロコシ畑が広がります。(今年はジャガイモでした)
建物を真っ直ぐ南に向け、最高の陽当たりと風通しで、自然をいっぱいに感じる家です。
国産無垢の木を大工の手で刻んだ金物に頼らない、貫と足固めの丈夫な木組の家です。
温熱性能に配慮した、夏涼しく冬温かい、燃費の良い家です。
広い庭に樹を植えや菜園をつくり、住む人も訪れる人も、健やかになる木組の家です。
建て主さまのご厚意で内覧会を行います。
皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。
心地よい空間を、ぜひご体験ください。
開催日時:
2014年6月15日(日)
10:00~17:00
対象:家づくりをご検討の方
※一般向け見学会ですので建設業関係の方のお申込みはご遠慮ください。
お申込み先:
松井郁夫建築設計事務所
電話:03-3951-0703 メール:ok@matsui-ikuo.jp
松井郁夫建築設計事務所お問い合わせフォーム
また、今回の内覧会にご来場の方には、
近日発行の「松井郁夫建築設計事務所の小冊子」無料プレゼントにご登録いただけます。
完成作品の解説スケッチ、書き下ろしエッセイ、写真集、65ページ以上の楽しい本になりました。
ぜひ奮ってご参加ください。
2014年06月01日 Sun
先日、南雄三さんとの対談は、かなり深く掘り下がった面白い議論になったと思います。
南雄三さんの指摘は、最近木造住宅の議論が、はっきりしない。そもそも日本の木の家づくりとは何か?ということでした。そこでわたしが最近5年間に行われた、伝統構法の実大実験を通して感じた所見をお話ししました。
大切なのは、伝統構法の構造の整理と定義。やってはいけないことと、自由な工夫。そして未来への展開です。話した骨子は「建築とまちづくり」に掲載いたしました。
少し専門的な内容ですが、プリントアウトして、大勢の方に読んでいただきたいと思います。掲載誌の許可を取り、ここに掲載させていただきました。どうぞお読みください。
2014年 / 6月-->