2008年10月21日 Tue
卯之町の目抜き通りには、平入りに町家と妻入りの町家が交互に並んで建っています。狭い通りの屋根が切り取るスカイラインの家並みが変化に富んでリズミカルに見えます。
妻入りの町家は比較的新しい年代の建物で、概ね袖壁が付いています。防火のための袖壁ですが、卯立つになっている壁もあります。重厚な瓦の黒々とした屋根と塗りこめた外壁と相まって、美しい白壁の町並みを造っています。秋空のうろこ雲が似合う町です。(画・文 郁夫)
「卯之町」中ノ町・妻入りの町家
2008年10月16日 Thu
四国の宇和島で行われた全国町並みゼミ「卯之町」大会が終了しました。スケッチは会場となった中ノ町の目抜き通りです。
3日間で全国から約600人の方が集まり、各地の歴史的な町並みの保存について、現状と問題点を熱く語り合いました。
第7分科会では「住まいの再生と町並み」のコーディネーターの役割を無事果たしました。「民家再生の意義は、伝統技術の継承。そのためには職人をサポートすることや、地元の林業の活性化を促す仕組みをつくること。再生・利活用のマネジメントを確立すること。」として、林業から民家再生まで、一体的な流れの中に保存活動を位置づける必要があると思います。
「卯之町」町並みゼミ
2008年10月13日 Mon
建具の詳細を検討するため、原寸図を描きました。居間・食堂の雰囲気を決める大事なポイントです。
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2008年10月13日 Mon
東京都清瀬市の静かで緑の多い住宅地に、せがい造りの二世帯住宅が建ちます。
せがい部分にはガラスが入り、夜は灯りがもれます。居間・食堂のカウンターには飾棚をつけました。
和室の天井と梁の間は透けています。壁を垂らさずに軽妙にみせる工夫です。
玄関からまっすぐに行くと、植物を置くことのできるサンルームもあります。
玄関から東西に分かれる、親子二世帯の家です。2階は子供たちの部屋があります。
ブログ | プロジェクトレポート | 清瀬の家
2008年10月08日 Wed
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船のような平面図
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外部デッキ
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寝室
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韓国式の外部デッキ
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対面式キッチン
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書庫
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懸け造りの外観
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高床式の外観
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黒が基調の浴室
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長良川に漕ぎ出す
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長良川を望む
懸け造りの外観
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広いロビー
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玄関の「泰山刻字」
木組みの家作品集「越美文化研究所」外観西
後ろから見た外観
岐阜県白鳥は山深いところですが、白山山系の「長良川」の支流があります。
「白山」は白い山と書きますが、お隣の韓国の「白頭山」も同じ意味だといいます。
白は光を表し、「神々の山」ということだといいます。
「越前」という地名も韓国の「越国」の前にあるからついた地名だそうです。
オーナーは「古代史」の研究家で「知られざる古代」を著したNHKの元プロデユーサー水谷慶一氏で、義父の親友です。
日本で始めて北朝鮮から映像を撮に来ても良いと言われた韓国文化に精通した人です。
この建物の趣意書は親交のあった「梅原猛」氏が書いてくれました。
「越美文化研究所」は、越の国と美濃国を結ぶ文化交流の場です。
この建物の木材は、取材に来た水谷さんと結ばれた奥様の実家の山の木を伐って使いました。
杉に混じってサワラが一本あったので、外壁はすべてサワラです。
崖の途中に建っているので、「懸け造り」になりました。
雪が深い冬には床下が雪に埋まらないように高床式になっています。
長良川に漕ぎ出すような船をイメージした建物です。
所在 | 岐阜県郡上市白鳥町 |
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構造規模 | 木造平屋建(懸造り) |
敷地面積 | – |
建築面積 | – |
延床面積 | 203.21㎡(61.47坪) |
建築費 | – |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
施工 | 澤崎建設 |
竣工 | 2008年10月 |
建ぺい率 | -% |
容積率 | -% |
地域地区 | 市街化区域外 |
防火地域 | 無指定 |
構造材 | 松丸太、白鳥椹、白鳥桧 |
床板 | 桧厚30mm |
外壁仕上 | 白鳥産椹(サワラ) |
断熱材 | フォレストボード |
内壁仕上 | 漆喰塗 |
開口部 | アルミ、一部木製サッシ |
設立趣旨文 | 「言い出しべえ」の弁(PDF) |
推薦文 | 梅原猛氏による推薦文(PDF) |
作品 | 美しい木組の家 | 価格帯 | 3,000-4,000万円未満
2008年10月04日 Sat
秋晴れの季節になりました。いかがお過ごしでしょうか。
このたび「越美文化研究所」が竣工となり、建主さんのご厚意で
10月26日(日)に完成内覧会を開催することになりました。
「越美文化研究所」は元NHKプロデューサーの水谷慶一さんによる財団設立の拠点として岐阜県郡上市白鳥町に建ちました。
日本海側からの大陸文化流入の接点であった奥美濃地方の歴史と文化を掘り起こし、広く地域の人たちと地元の知的財産を共有するための公共施設兼住居です。
建物は16間の長さを持つ、清水の舞台のような懸造りの上に建っています。丸窓のあるデッキは韓国の大庁(テーチョン)がモデルです。
材木は地元白鳥の木を使いました。施工は地元の澤崎建設。迅速な対応と高い施工精度で見事に木組みの家を完成させてくれました。
どうぞ皆さんお誘い合わせの上ご高覧下さい。大勢の皆様のお越しをお待ちしております。
「越美文化研究所」完成内覧会のご案内
プロジェクトレポート