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2008年09月30日 Tue

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千倉「大工塾」盛況のうち終了

セルフビルドを目指している猛者たちが大勢集まりました。講義会場は旧町役場の会議室。朝早くから受講者の行列ができて受付がおおわらわでした。集まった方達の目は真剣!最初は睨みつけられながらの講演も、最後は笑いのうちに終わり、午後はいよいよ刻みの現場作業です。

千倉で伝統構法を実践する高木棟梁の出番です。墨付けまでは既にできていましたが、参加者が持参した工具はさまざま。切れないのこぎり持参で一生懸命の人もいましたが・・。
一日目でありながら、夕方にはそれぞれの持ち場を心得てどんどん進みます。しかしそこは素人の悲しさ、継手や仕口のかみ合わせは、微妙にあわなくて調整が必要。二日目の課題となりました。それでもあまりの熱心さに主催の川名さん(今回の企画の張本人)は大喜び。懇親会では千倉のわるだくみ仲間は、みんな同級生だということもわかりました。

二日目は朝から一気に刻みを終えて、地回りを仮組み。これまた微調整をして、建設地の「おんだら山」へ!海の見える山頂の敷地は、今回荷揚げの都合で変更。基礎担当の川原さんはがっかりでしたが、山の下の広場で気を取り直して建て方開始。みなさん熱心に小屋の組みあがる様子を見学。「木組み」の醍醐味はまさに継手・仕口の加工にあります。かけやで次々と組みあがっていく様子に全員うっとり。参加者の自らが刻んだ材料が組みあがる瞬間は、感激もひとしお。上棟は五色の布と紅白のお餅で祝いました。参加者のみなさんお疲れ様でした。千倉の仲間達も、また来年も続けよう!

千倉・「大工塾」盛況のうち終了

2008年09月29日 Mon

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『月刊左官』に掲載されました

名著『左官礼讃』を書いた小林澄夫さんが編集長を務める『月刊さかん』に「宮原の家」が掲載されました。
いつも松井事務所とワークショップ「き」組で左官をお願いしている芳賀さんの見事な仕事が、巻頭に見開きで載っています。

『月刊左官』に掲載されました

2008年09月26日 Fri

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京都・「作事組」の活動

京都の「作事組」という京町家再生に取り組む人たちに、会うことができました。ご存知のように京都の町も古い日本家屋が激変しています。京都らしい町家が京の市中からなくなりそうな勢いです。
そんな中で京町家を丁寧に直している活動グループが「作事組」です。歴史は古く、「京町家再生研究会」という活動母体が始まりです。多くの町家の改修した実績を持ち、建て主さんを中心とした「京町家友の会」もあり、オーナーがオーナーを呼ぶという市民的な広がりとなっています。

見学会にも参加しましたが、設計者や工務店ばかりでなく、オーナー自身が京町家をよく理解していて、次の世代に引き継ぐ覚悟をもっている姿に感動しました。いわく「自分達の世代のわがままな改修ではなく、いつの時代にも誰にも使えるスタンダードな改修を目指す。」元気な女性の活動家もいて、なんだか元気の出る会でした。

京都・「作事組」の活動

2008年09月22日 Mon

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全国町並み保存連盟「卯之町大会」

30年前から全国の歴史的な町並みを守ろうという市民の運動が展開されてきました。ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、今年で31回目になります。10月11日から13日まで、愛媛県宇和町で開催されます。伝統的な家々がつくる町並みの保存を訴える大会です。
建築家の吉田桂二先生が中心で進めている大平宿は7回目の開催地でした。もう23年前になります。
今年は住まいの再生で京都の「作事組」のお話しが聞けます。皆さんご参加の上、卯之町の街づくりにご意見をください。

詳細な案内はコチラ>
全国町並み保存連盟「卯之町大会」

2008年09月20日 Sat

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住む。

出版社=泰文館 / 1,200円

豊田の家(ワークショップ「き」組)」の建主さんが、自身のブログに家ができていく過程を丹念に綴っていたことがきっかけで取材をうけました。 都下とは思えないほど緑に恵まれた敷地に建った木組みの家。自分の家に使われる徳島杉の伐採ツアーにも参加した、熱心な建主さんの声を中心にワークショップ「き」組のしくみも詳しく取り上げています。伐採ツアーの様子や、職人さんたちの声、工事価格の明細など12ページにわたって掲載された特集です。

2008年09月18日 Thu

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千倉「大工塾」のお知らせ

いつも海水浴に行っている千葉県の千倉で、今年は「木組みの家」の話しをすることになりました。セルフビルドを目指す人たちを集めて、本格的な伝統の木組みで、山小屋を建てようという企画です。いつも何か企んでいる?千倉の地元の仲間達から生まれた楽しい企画です。
興味のある方はどうぞご参加ください。
お問い合わせお申し込みは、
南房総市観光協会千倉支部:
TEL 0470-44-3581
Fax 0470-44-2317

2008年09月13日 Sat

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「上田の家」サッシも入り工事は順調です

外壁の下地が塗られると建物にボリュームが出てきます。サッシも入って完成の雰囲気が見えてきました。

十字の軸組み、構造的にもデザイン的にも「上田の家」の要になっています。

 

のびのびとした平屋の家だから実現した遠くまで抜けていく空間です。
家に入ってくる光と影をコントロールする、ゆったりとした軒は日本家屋の特徴です。

2008年09月11日 Thu

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NPO木の建築フォラム「木組の家づくり」講座受講生、まだまだ募集中です

「私家版」仕様書メンバー(宮越、小林、松井、渡邊)による「木組みの家づくり」講座の受講生を募集しています。締切を過ぎましたが、まだまだ募集中です。1回毎の受講も可能です。随時募集します。
「木組みの家」に挑戦したいと思いながらもなかなか踏み出せない設計者や工務店の皆さんに、スライドを交えながらわかりやすく「木組みの家づくり」を解説します。私家版メンバーによる伝統構法の入門講座です。

なお、本講座は(社)東京建築士会CPD制度の単位認定講座ですので、1講座につきCPDを2単位取得することができます。

ぜひお誘い合わせの上、奮ってお申込み下さい。

(上の写真はイメージ写真です)

2008年09月08日 Mon

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会津・喜多方「長床」

3月の雪景色のスケッチです。建物は長床(ながとこ)という鎌倉時代の拝殿です。
正式には新宮熊野神社の拝殿です。社伝によれば源頼義、義家親子が「前九年の役」天喜3年(1055)陸奥征討に赴いたとき、武運を祈って紀州熊野から熊野堂村(現在の河沼郡河東町)に勧請鎮座したのが始まりで、後に「後三年の役」で再びこの地を訪れた義家が、新宮の地に移すよう命じ、寛治3年(1089)完成といわれています。
この建物の魅力は、パルテノン神殿を思わせるような、丸柱の列柱によるシンプルで力強い架構にあります。この架構を見ていると、構造の純粋さと単純につくること大切さが伝わってきます。印象深い構造体は、どなたにも一度は見に行ってもらいたいと思える感動があります。(画・文 郁夫)

会津・喜多方「長床」

2008年09月03日 Wed

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本の紹介「工匠たちの技と智恵」太田邦夫・著

最近続けて興味深い本が出版されました。
今日ご紹介する本は「工匠たちの技と智恵」太田邦夫・著(学芸出版)です。この本は建築士会の機関紙に連載されていた、世界中の木造建築の、伝統的な技術と智恵の紹介です。
面白いのは没頭のイランの「床が横に動く家」です。なぜ横に動くのかは、読んでのお楽しみですが、イランが地震国だといえばもうお分かりでしょう。
太田先生は一昨年まで「ものつくり大学」で教鞭を執ってらっしゃいました。木造を志す学生達と、行田の町に残る古い建物の実測調査や作図を指導されていました。
退職後に、これまで撮りためた写真を整理されて、今回の出版の運びとなったようです。日本の伝統構法の見直しが進む今の時期に、世界の伝統的な建物を知るのも面白いと思います。(文・松井郁夫)