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1998 | 松井郁夫建築設計事務所「木組の家づくり」

1998年07月20日 Mon

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西糀谷の家

西糀谷の家

茶室のある木組の三世代住宅

しっかり者の御母様は茶室のある三世代住宅をご要望されました。

玄関先には元あった藤の棚を残しました。

一階は本格的な琵琶棚付きの床の間のある茶室と水屋。

二階の息子夫婦には趣味の部屋と子ども室。

架構は、徳島の葉枯らし材を初めて使いました。

当時は、葉枯らし材が東京でも珍しくて、木場の旦那衆が現場を見に来ました。

梁や柱を現しで見せることを試行し始めた頃の家です。

軒裏に無垢の木が貼れることが、実験によって可能になったばかりでした。

この家の少し贅沢なのは、襖の紙をオリジナルの泥染で好みの色がつくれたことと、金糸を蒔いたりできたことです。

だるまに目玉を入れた時のように、建具がいいと建物のグレードが上がります。

1998年秋季ディテール138号「門型軸組架構の家」掲載

所在 東京都大田区西糀谷
構造規模 木造2階建
敷地面積 204.03㎡(61.83坪)
建築面積 97.34㎡(29.40坪)
延床面積 171.32㎡(51.74坪)
建築費
設計監理 松井郁夫建築設計事務所
施工 渡辺工務店
竣工 1998年7月
建坪率 60%
容積率 200%
地域地区 第一種低層住居専用地域
第一種高度地区
防火地域 準防火地区
構造材 徳島杉(葉枯らし乾燥)
床板
外壁仕上
断熱材
内壁仕上 漆喰塗・土壁藁入り
開口部 アルミサッシ(シングルガラス)

1998年07月08日 Wed

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善福寺の家

善福寺の家

木組のコートハウス

子どもが同じ幼稚園に通っていた関係で、奥様がわが家に遊びに見えた折にマンションリのフォームをご覧になって住宅を依頼されました。

育ち盛りの4人のお子さんのために4部屋つくるのではなく、広い「ガランドウ」の部屋を子供の成長に合わせて区切ることができるようにしてありました。

24年経過して4人で部屋をやりくりしたお子さんたちもみんな独立しましたが、今後はお嬢さん家族が同居するようです。

その時は、二世帯住宅の台所になるようにフリースペースを用意しています。

予め二階の「ガランドウ」の部屋は、世代を超えて、生活の変化に対応できるつくり方になっています。

長寿命の古民家のつくり方に学んだ木組の家です。

所在 東京都杉並区善福寺
構造規模 木造2階建
敷地面積 230.23㎡(69.64坪)
建築面積 83.72㎡(25.32坪)
延床面積 144.87㎡(43.82坪)
建築費 2,600万円(参考価格)
設計監理 松井郁夫建築設計事務所
施工 渡辺工務店
竣工 1998年7月
建ぺい率 40%
容積率 80%
地域地区 第一種低層住居専用地域
第一種高度地区
防火地域 準防火地区
構造材 徳島杉(葉枯し乾燥)
床板 ナラ無垢フローリング
外壁仕上 モルタル下地リシン吹付け
断熱材
内壁仕上 漆喰塗
開口部 アルミサッシ(2021年温熱改修ペアガラス)

1998年04月03日 Fri

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やなぎや薬局

やなぎや薬局

豪雪地帯のワンルーム

ふるさと大野の「まちなみ整備事業」後に七間商店街の老舗「やなぎや薬局」を再生しました。

豪雪地帯に建つ明治35年築の町家。

屋根は農家のような扠首構造に一本の中柱(大黒柱)が棟までのびています。胴差しはなく柱はすべて通し柱に貫が通っています。

新しく考えた「足固め耐力壁」は「貫と足固め」で地震に耐えるようにできています。

雪国なのに軒の出が深く、建物の真ん中に太い柱一本しか無いワンルーム構造です。

昭和38年と56年に豪雪に見舞われましたが、損傷はありませんでした。

現在ではこのような建築を「既存不適格建物」と呼んで建築基準法外になります。

外壁に杉板を貼りましたが、壁の下には20ミリのモルタルを塗って「準防火地域」の規定を守っています。

改修の構造設計は、稲山正弘さんにお願いしました。

1998.季刊誌「ディテールNo.138」に紹介されました。

所在 福井県大野市
構造規模 1階S造(一部木造)2階木造
敷地面積 324.01㎡(98.01坪)
建築面積 218.43㎡(66.08坪)
延床面積

380.18㎡(115.01坪)
1階 186.23㎡(56.33坪)
2階 193.95㎡(58.67坪)

建築費 4,000万円(参考価格)
設計監理 松井郁夫建築設計事務所
施工 大野建設工業株式会社
竣工 1998年4月
建坪率 90%
容積率 200%
地域地区 商業地域
防火地域 準防火地域

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