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2024年08月21日 Wed

「木組ゼミ」21期好評受講中

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伝統的な木組の技術を広めようと始めた「木組のデザインゼミナール」が21期を迎え、現在10名ほどの受講生と3人の講師がマンツーマンで課題の添削を実施しています。

木造住宅の勉強会や講習会は数々ありますが、架構から間取りまで添削の手ほどきを受けられる講座は少ないと思います。

毎年4月に募集を開始しますが、途中からも申し込めますし、単発のスポット受講も可能です。

「木造は軸組がすべて」「架構は見せる」ことをモットーに21年続けてこられたのは、熱心な受講生のみなさんのおかげです。

今回からカリキュラムを「初級講座」と「上級講座」に分けて、「初めてに人にもわかる」木組講座を実践しております。

住宅設計とはさまざまな与条件を解決しながら理想の家に近づけるのですが、まず「家づくりとはなにか」を考えていただきます。

敷地は世界に一つしかないので「敷地を読み込む」ことから始まります。

さらに「災害に強い家」を架構に反映し「住みやすさ」を間取りに反映します。

専門的な仕事ですが、実はわたしたちが普段から暮らしている生活の延長ですから、みんなが生活の専門家とも言えます。

このような仕事は「実学」と言って学問の分野でも机上の論理ではなく実生活にすぐに役立つ学問だと思います。

「木組ゼミ」では身近な実学を、さらに身近に感じていただくために「初めての人にもできる!木組の家づくり絵本」と「初めての人にもできる!古民家再生絵本」を発行しております。

わかりやすいイラストで解説していますから本当にどなたでも手に取るようにわかり安く、すぐに実践できます。

また「仕事集」としてこれまで実践してきた建物の写真集も揃えております。

「美しい木組の家」ーいつか古民家になるー

「古民家のみらい」ー成熟した社会を目指してー

ともに実例を見ていただくにはうってつけの全ペイジカラーの写真集です。

「日本の家づくり」を一緒に進めましょう!

 

2024年05月28日 Tue

「古民家からはじまる日本の家」執筆中②

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いままさに空前の古民家ブームです。

しかし「古民家」は定義もなく曖昧なままブームの中で埋もれてしまっていました。

日本の住まいの原点は「古民家」を見れば明らかですが、各地に多くの民家が日常的に残っていたために歴史的評価も少なく、しばらく忘れられていました。

また、現代の建築教育は明治以来西欧の建築学を下敷きにしているので、古来から日本の大工棟梁たちが造ってきた「民家」は軽んじられてきたのです。

ところが昨今の「古民家ブーム」に乗って、再生・利活用が増えて、本来の日本の家づくりが見直されてきています。

原点である「古民家のつくり方」は木と木を組む「木組み」が基本です。

金物がなかった時代のつくり方という一面もありますが、日本の大工たちはあえて金物は避けていたようにおもいます。

いわく「豆腐を針金で釣ってはいけない」

なぜなら木という柔らかい母材は硬い金物に負けて、地震で揺らされると木の繊維を割って建物を壊してしまいかねないからです。

ところが最近では、地震が起きるたびに「金物」を補強に使うような規制がかかり、改修されています。耐震性能を伸ばすためにはそれでいいのでしょうか?

五重塔が金物を使わず、木と木を組み上げて揺れて力を逃がすように。民家も「強度」で地震や風に抵抗するのではなく、柳に風の「減衰」の理論がいいと思います。

現在、家づくりを古民家に学び紹介する本「古民家からはじまる日本の家」を執筆中です。

松井事務所が20年間主催してきた「木組のデッザインゼミナール」を単行本化しています。

この本を読めば、金物に頼らず開放的な木の家をつくることができます。ご期待ください。

 

2024年05月17日 Fri

「古民家から始まる日本の家」執筆中①

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日本の家の原点は「古民家」を見れば一目瞭然です。

しかし残念ながら古い建物は身近にたくさんあるうえに「古民家」の正しい定義もなく埋もれてしまっています。

また、現代の建築教育は明治以来西欧の建築学を下敷きにしているので、日本の大工棟梁たちが造ってきた「民家」は軽んじられてきました。

ところが今、空前の「古民家ブーム」に乗って本来の日本の家づくりが見直されてきていると思います。

「古民家のつくり方」は木と木を組む「木組み」が基本です。金物がなかった時代のつくり方という一面もありますが、日本の大工たちはあえて金物は避けてきたようです。

いわく「豆腐を針金で釣ってはいけない」

何故なら木という柔らかい素材は硬い金物に負けて、地震で揺らされると建物を壊してしまいかねないからです。

ところが地震が起きるたびに「金物」を強化するような規制がかかります。でも本当にそうでしょうか?

五重塔は木を組んだだけで金物で固定されていません。揺れて力を逃がす「減衰」の理論です。

 

実は現在日本の古民家に学んだ家造りの本を企画しています。

松井事務所が21年間主催してきた「木組のデッザインゼミナール」の単行本化です。

ここではその一部を紹介します。まだ執筆中なのでごく一部ですがご覧ください。

 

 

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