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2014年09月01日 Mon

防災の日に命を守る家づくりを考える

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今日は、関東大震災が起きた日を記念した「防災の日」です。 TVや雑誌では、これから起こるかもしれない巨大地震の可能性について話題になっています。阪神大震災から20年の間に山古志村や東北大地震が起きましたから、地震国日本では、いつ地震が来ても不思議ではありません。 そこで設計者としては、まず第一に家族の命を守る家づくりを考えなければなりません。そのためには、長い時間が経過した古い建物の造り方に注目したいと思います。 松井事務所では、古民家に採用されている、柱と柱を縫うように入っている横材「貫」に注目しました。また柱の足元を堅牢に固める部材「足固め」にも注目しています。 実験の結果「貫」と「足固め」を入れた建物は、大きく変形しても崩壊することがありませんでした。柱が折れましたが、余力10tを残して傾いたまま止まりました。これは注目すべき事実です。巨大地震が来ても、崩壊することなく人の命を守ることができれば、建物としては役割を果たしたといえます。 貫は柱を貫いているため、めり込みに強く、大きな力で貫をつぶすには困難だからです。これは、木の持っている特性で、何段にも入れられた貫は日本建築の特徴でもあります。 当事務所では「貫をやめてはいけない」を基本に、丈夫で粘り強い壁をつくっています。貫で倒壊しない図1

ダイジェスト:伝統構法・日本の家_ページ_020

大変形しても倒れない伝統構法の家

ダイジェスト:伝統構法・日本の家_ページ_021

60センチ傾いても余力10tで倒壊しない

ダイジェスト:伝統構法・日本の家_ページ_047

倒壊しない「貫」構法の壁