ブログ

2014年07月11日 Fri

まちづくりを持続可能に・西村幸夫×八甫谷邦明

_

「季刊・まちづくり」という雑誌が、休刊となりました。
建築雑誌、「建築知識」を経て「造景」の編集長を務めた八甫谷さん編集の最後の仕事になりました。以前、八甫谷さんには「造景」で地域づくりの事例をいくつか紹介していただきました。
福島飯野町の診療所と、熊本宮原町の古民家と銀行を改修した公共施設「まちつくり酒屋」でした。どちらの建物も、町の人たちとワークショップという「住民参加の手法」を使って建てました。
参加のデザインは、町の人たちの意見をカタチにする、楽しいプロセスが決め手です。
たくさんの意見を言葉でいただき、言葉に文脈をつくるダイナミックな手法は今でも素晴らしいデザインプロセスだと思います。
住民の意見を形にする建築家を「コミュニティアーキテクチャー」と呼びます。作品性を排除し、専門性を生かした建築士の仕事です。日本ではなかなか見かけませんが、住民に寄り添って設計する、誇り高き人たちです。公共性や社会性の薄れた都市にとっても、人間らしい交流の停滞している現代の世相にも、これからは、まちづくりの持続に必要な「人づくり」が大切だと感じた夜でした。