プロジェクトレポート
2016年02月29日 Mon
無垢の木は「強い」と言われていますが、「強い」という意味は2通りあります。
「強度」があるという意味と「腐りにくい」という意味の2つです。一本の木の中で、それぞれに受け持つ部位が違います。
無垢の木には、赤身という心材と白太という辺材がありますが、心の部分は腐りにくさを受け持ち、辺材は強度を受け持つのです。
木が成長するときは、土中の水分を根から吸い上げ、水分は幹の外輪の導管を通り、枝や葉に供給されますが、木が成長するのはこの外輪の辺材部分で、成長とともに年輪が形成されてゆきます。
年輪は柔らかい春目と固い秋目からできています。一年に一本造られますが、年輪の詰まった辺材が強度を担当するといわれています。
心の赤身の部分は、成長が止まった細胞の集まりです。木は、成長が止まるとタンニンという成分を出して役目を終えます。タンニンは、腐りにくく虫も付きにくい成分で、樹木の心を守ります。
木を輪切りにすると、年輪に表れた樹齢だけでなく、木の強さがわかります。赤い心の部分と白い辺材がその両方を分担しているのです。
わたしたちは、木の持っている強さを生かした家をつくり続けています。
2016年02月25日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 深大寺の家 | 松本城のみえる家 | 佐倉の平屋
2015年に竣工した家を、3件作品集に追加しました。
2015年は平屋、省エネ、寒冷地と、違った空気感の家を設計しました。
木組の伝統構法を守りながら、温熱環境に力を入れ
暑さ寒さを取り除いた木造建築を目指しました。
構造協力に木組みのメンバーを迎え、より一層スッキリと整理された骨組みで
住み継ぎながら、長く快適に過ごしていただけます。
住む場所、住む人によって、家は形を変えるものだなと、改めて感じた2015年でした。
(木村)
2016年02月22日 Mon
木は無垢の木が一番だと考えています。
私たちの周りに身近に生えている木は、丈夫で長持ちする優れた素材です。
木は、人の肌に馴染みやすく、触れると温かい感覚があります。また、加工しやすいので、さまざまな形をつくることができます。
私達の先人たちも、木の使いやすさに着目して木の家をつくってきたのでしょう。
建物の骨組みとなる強い木に育つためには、杉の木で60年必要と言われています。
よく知られたことですが、木は土の中から水分を吸収し、太陽のエネルギーをいただいて成長してゆきます。
その際に太陽の光を浴びて、空気中の二酸化炭素を取り込んで、酸素に変える作用があります。「光合成」という地球上の生物にとっては、大切な植物の仕事です。
木の中に閉じ込められた炭素は、製材して家に使われても、廃棄して燃やすことがなければ、ずっと固定化されて空気中に二酸化炭素を放出しません。
つまり、木の家が建っている間は、ずっと温暖化対策の役に立っているのです。
だから、家をつくる時には最低でも60年の間、次の木が育つまで使えることが、地球環境にとっても大事なことだと思います。
そこで、できるだけ長い時間を生きる家をつくりたい考えています。古民家再生などをリノベーションして長く使うことも大切です。
わたしたちは、丈夫で長持ちをする家づくりと古民家再生などのリノベーションを実現しています。
出典:有馬孝礼
2016年02月16日 Tue
ブログ | プロジェクトレポート | 阿佐ヶ谷の家
2月13日に開催した「阿佐ヶ谷の家」構造見学会。
暖かい風の吹く中、たくさんの方に見学に来ていただきました。
まずは構造見学会に先駆けて行われた、上棟式の様子を御覧ください。
一本一本の木を、職人が組んでいく姿が印象的です。
木組みの家の美しさは、構造の美しさから。
完成すると見えなくなってしまう、このような手仕事は、粋な世界です。
今回構造見学会をたくさんの見て頂く事ができて、嬉しく思っています。
皆さん「見てよかった」と言ってくださいました。
次回の見学会も、決まり次第当サイトにてお知らせいたしますので
どうぞ奮ってご参加ください。
2016年 / 2月-->