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2008年03月22日 Sat

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奄美大島・有田棟梁

今から10年前に全国の伝統構法を実践する大工棟梁たちを訪ね歩いたことがあります。
10箇所の地域に旅をしました。その中でも印象に残っているのが、奄美大島の有田棟梁でした。
その棟梁から先程、電話をいただきました。90歳になるそうです。私たちが現在作っている大宮「宮原の家」の小屋組みが知りたいという電話でした。ニューズレター「コミネット」の効用です。とても嬉しくてこのブログを描いています。

有田棟梁にお世話になった取材は「伝統構法の旅」という市販されていない本になっています。いつか単行本で出版できるといいのですが・・・。
奄美の家は本土とまったく違った工法で「ヒキモン」づくりという建て方をします。奄美に生える独特の木をまるで籠のように編んで、台風に備えるのです。風で飛ばされても壊れない丈夫な木組みです。

日本の伝統構法は現在見直され始めましたが、全国にはまだまだ気候風土に培われたさまざまな家づくりの工夫があると思います。未来を生きる知恵は既にそこここにあるのかもしれません。(文・松井郁夫)

奄美大島・有田棟梁

2008年03月13日 Thu

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「上田の家」材木検査に行きました

材木は木組みゼミの第1期生である田中俊章さんの田中製材にお願いしています。
左が田中さん。右は工務店の矢島社長です。

 

含水率を測りました。木はよく乾いてないと、あとで大きく変形してしまいます。
よく乾燥した材が準備されていました。

 

材がいいと住んでいて生き生きとした気持ちになります。設計は素材感も含めてデザインしていくものです。

2008年03月13日 Thu

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「宮原の家」左官が始まりました

左官がはじまり外壁の下地が塗られています。どしっとした存在感がでてきました。

 

外壁の下地です。この上に藁を混ぜたモルタルを塗ります。
居間の壁にも塗られました。漆喰は調温湿作用があるので夏も快適です。

 

 左官の芳賀さんです。松井事務所の左官をいつもお願いしています。
わずか1.5mmの厚みしかない漆喰を細かいところまでムラなく塗る、素晴らしい腕です。

建主さんがお持ちの水墨画です。何に使うかは完成してからのお楽しみ。

2008年03月10日 Mon

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「上田の家」地鎮祭を執り行いました

 

山の見える広々した敷地で地鎮祭を執り行いました。

 

土地の神様を鎮め、工事の無事を祈願しました。地鎮祭のあとは建物の位置出しをしました。いよいよ着工です。

2008年03月10日 Mon

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会津・喜多方

喜多方はラーメンで有名ですが、蔵の街として町並みが残っていることでも知られています。会津若松で講演した次の日、喜多方の会津型研究会の「グループれんが」冠木さんの工房を訪ねました。
会津型研究会では会津に残る染物の型紙を発掘し、昔の染物から現代的な織物までを実践しているグループです。素敵なマフラーとバックを買いました。すべて手作りです。手仕事の良さはここでも遺憾なく発揮されています。
スケッチは冠木さんの敷地に残る蔵です。窓に障子がはまって雪除けと明り取りを兼ねているそうです。昔の大福帳を再利用した、ちょっと風情がある障子です。(画・文=郁夫)

会津・喜多方

2008年03月04日 Tue

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新刊本のご案内

財団法人・住宅保障機構の機関紙「住宅保障だより」に2年間にわたり連載していた【「木組」でつくる日本の家】が、読みやすい単行本になります。農文協から出版されている「百の知恵双書」の一冊として、今月末には書店に並ぶ予定です。再編集の労を担って頂いたのは旧友の真鍋弘さんです。
真鍋さんが寄せてくれた言葉を添えました。みなさんも書店で手にとってご覧下さい。

「新建材で覆い尽くされ、30年そこそこでゴミにされてしまう
国籍不明の今どきの日本の住まい。
かつて日本の家は近くの山の木を使い、
大工が木と木を組んで丈夫な架構の長寿命の家をつくっていた。
それが美しい町並みの景観となっていた。
古民家の骨組みはどのように合理化なのか。
開放的で耐震的な家づくりの秘密はどこにあるのか。
気候風土に根ざした長寿命の家づくりとはどんな家づくりのことか。
古民家に学んだ家をつくることが、山と職人と住まい手をつなげ、
荒れた日本の山々を再生させることにつながる。
これからの「日本の家」づくりのありかたを伝える実践の書。」

新刊本のご案内